展覧会情報

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第366回企画展 ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて

2018年05月14日(月)〜06月23日(土)

designed by wim crouwel in cooperation with remco crouwel and helmut schmid
designed by wim crouwel in cooperation with remco crouwel and helmut schmid
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  本展はオランダのグラフィックデザイナー、ウィム・クロウエルの業績の全容を伝える日本初の展覧会です。クロウエル(1928年-)は、1952年に展覧会デザイナーとして出発しましたが、アムステルダム市立美術館のグラフィックデザイナー(1963-1984年)としての仕事が最も著名と言えるでしょう。また、実験的なコンピューター・アルファベット、切手、そしてカレンダーのデザインでも知られており、高く評価されています。1963年、多分野を総合的に扱う大手デザイン事務所、トータルデザインの共同設立者となりますが、同事務所はスイス・モダニズムとコーポレート・アイデンティティをオランダに広めることとなります。クロウエルは教育、執筆、そして講演活動も精力的に行いながら、グラフィックデザイナーとして、グリッドを活用した合理的かつシステマティックなデザインを推進していきました。デザイナーとは、広告よりむしろ客観的な姿勢を持ってインフォメーションデザインに取り組むべき、と主張する彼の見解は、新たなパラダイムの形成を後押しし、生き生きとしたデザインの風潮を生み出すことにも貢献しました。クロウエルの全業績を顧みると、理論と手法に前例のない次元の詩情と美学を統合させつつ、半世紀以上にわたって極めて一貫性のある作品づくりを実現し続けてきた証が浮かび上がってきます。

お知らせ

会場

〒104-0061
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03-3571-5206/FAX:03-3289-1389
11:00am-7:00pm
日曜・祝日休館/入場料無料

オープニングパーティ

日時: 2018年5月14日(月) 17:30−19:00
会場: ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギャラリートーク

日時: 2018年5月14日(月) 16:00-17:30
講師: カロリン・フラーゼンブルグ
(アムステルダム市立美術館/グラフィックデザイン部門キュレーター)
会場: DNP銀座ビル3F
定員: 70名 入場無料 要予約

参加ご希望の方はこちらよりお申込みください。

協力・後援

■協力
アムステルダム市立美術館
カロリン・フラーゼンブルグ
ヒレイン・エッシャー・ポスター・コレクション

■後援
オランダ王国大使館

お問合せ

ギンザ・グラフィック・ギャラリー 柳本 03.3571.5206

資料

ウィム・クロウエル(1928年生まれ)が、デザインの手段としてのグリッドに帰依したのは、ごく初期の段階でした。1950年代は、スイスのデザイナーと、彼らの合理的かつミニマリストなアプローチに強く影響を受けていました。本人のキャリアは、第二次世界大戦後の復興期、オランダが工業化された時代と重なっており、見本市用の様々な企業ブースを手がけ、進歩を讃える大規模な展覧会でコラボレーションもおこないました。1956年にアイントホーヘンのファン・アッベ市立美術館館長のエディ・デ・ウィルデと出会い、同館のポスターとカタログのデザインを依頼されました。1963年にアムステルダム市立美術館の館長に就任したデ・ウィルデとは、30年間にわたって共に仕事をし続けるに至り、美術館関連の仕事でクロウエルは見事な作品群をつくりあげ、評価を確固たるものにしました。非常に独特な美術の解釈や視覚化を、色彩・抽象的な形・バランスのとれた構成、そして創造力あふれるタイポグラフィを絶妙に駆使して実現したのです。ハウス・スタイルやシステマティックなアプローチを推奨していたものの、クロウエル自身の作品シリーズは実に多様な点が特徴です。

1963年、クロウエルはオランダ初の大規模で多分野型のデザイン事務所、トータルデザインの共同設立者となり、事務所は新境地を切り開き、ハウス・スタイルのための大口の案件を引き寄せ、モダニズムを広めていきました。企業、美術館・博物館、そして行政機関はモダンなたたずまいを得、デザインが認知されるようになります。トータルデザインはシステマティックなアプローチとグリッドの活用で知られ、クロウエルがあらゆる場で自身のヴィジョンを発信し続けたところ、事務所だけでなく、デザイン業界全体の代表者とみなされるようになりました。彼は理性的・分析的なアプローチの擁護者であり、テクノロジーと進歩の信奉者、そしてデザインは独立したプロの職能であると主張し続けました。デザイナーにとどまらず、講演者、ディレクター、オーガナイザー、そしてスポークスマンでもあり、執筆者としてはデザイン理論の思想を通じて業界全体を下支えしようと努め、その結果、オランダのデザイン界のみならず、オランダ文化全体の代表とみられるようになりました。1985年、ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館館長に就任しました。
グラフィックデザイナーとして、クロウエルは記号、文字、そして形を探り、仕事では常に実験をし続けました。理論面では個人的表現に反対し、まず中立的なアプローチと情報の提供を優先するべきだとしていましたが、実際の作品群は強烈な個性と表現性を特徴としています。彼にとって、システムは出発点となりましたが、その結果生みだされた作品は、現在でも大変な視覚的なパワーを発しています。

プロフィール

ウィム・クロウエル
(1928年11月 オランダ フローニンゲン生まれ)
1946-1949 フローニンゲンの芸術学校アカデミア・ミネルヴァで学ぶ
1951-1952 アムステルダム芸術アカデミー(IvKNO 現リートフェルト・アカデミー)で学ぶ
1952-1954 デザイン事務所エンダーベルフ勤務、展示や見本市スタンドのデザインに携わる
1956-1960 インテリアデザイナーのコー・リャン・イエとアムステルダムにデザイン事務所を設立する
1963-1980 アムステルダムのデザイン事務所 トータルデザインの共同設立者、パートナーとなる
1980-1982 デルフト工科大学(インダストリアルデザイン学部)の講師
1980-1985 トータルデザインのアドバイザー
1982-1985 デルフト工科大学の教授、インダストリアルデザイン学部長
1985-1993 ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館の館長
1987-1993 ロッテルダムのエラスムス大学 芸術文化学部の寄付基金教授
1994-2010 アムステルダムを拠点にフリーランスのデザイナー