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学芸員レポート
札幌/鎌田享|福島/伊藤匡|東京/住友文彦
アソブエイゾウ
福島/福島県立美術館 伊藤匡
遊びと学びのミュージアム
ネット・カーン《竜巻を作って遊ぼう》
インゴ・ギュンター《ワールド・プロセッサー》
椋尾倫己《壁アニメ 霊山からどこまでも》
上から
・遊びと学びのミュージアム
・ネット・カーン《竜巻を作って遊ぼう》
・インゴ・ギュンター《ワールド・プロセッサー》
・椋尾倫己《壁アニメ 霊山からどこまでも》
 〈遊びと学びのミュージアム〉は、キャンプ場や木工体験施設などを備えた〈霊山(りょうぜん)こどもの村〉の中にある。子どものための参加体験型ミュージアムである。
 地球をイメージした円形の建物には科学とアートが融合した作品が展示されている。アメリカのサイエンス・アーティスト、ネッド・カーンの作品、人工的に竜巻を作る装置や、波動で砂を動かし、山脈の生成を見ることができる装置。ドイツのアーティスト、インゴ・ギュンターが〈オゾン・ホール〉〈石油はどこからどこへ〉など世界の政治、経済、環境問題などをテーマに、110個の地球儀を使って制作した《ワールド・プロセッサー》と名づけられた幻想的な作品。日用品や不要になったもの、木材や釘などを素材にした酒井賢司の《ディスカバリー・パネル》。西村修の《宇宙製作所》と名づけられた宇宙をテーマにした装置などがあり、楽しみながら宇宙や地球の成り立ちや、世界規模の問題を考えさせるように工夫されている。
 このミュージアムの一角では、今年春の企画展として映像作家による展覧会が開かれている。
 出品者は吉野浩、椋尾倫己(むくお・ともみ)、R_member、佐藤倫典(とものり)の4組。いずれも仙台在住で、デザインやCG、ゲームソフトの制作などの仕事をしながら、アートイベントなどに参加している。内容はクロマキーによる合成映像や、自分で描いた絵で作ったアニメーションの映写、小さな小屋の壁に映したアニメーションなどである。いずれも見るだけではなく、子どもたちが参加して楽しむという前提で作られている。現代のゲームやアニメで見られる精緻な映像とは比較にならない素朴な映像だが、子どもたちがテレビやアニメの原理を体験できることに意味がある。
 このミュージアムは、もともとは子どものための施設なのだが、最近はお年寄りの団体見学も増えてきているのだという。子どもたちの遊ぶ姿を眺めたり、いっしょにゾートロープ(手動式まわし絵)や積み木などを楽しんだりすることで元気になるらしい。アート・セラピーの可能性も感じさせるミュージアムである

会期と内容
●アソブエイゾウ 〜くすぐるイメージ〜
会期:2007年3月21日(水)〜6月17日(日)
会場:霊山こどもの村 遊びと学びのミュージアム 福島県伊達市霊山町石田字宝司沢9-1 TEL. 024-589-2211

[いとう きょう]
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