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学芸員レポート
札幌/鎌田享青森/日沼禎子|東京/南雄介|大阪/中井康之
アフリカ・リミックス
東京/国立新美術館準備室 南雄介
アフリカ・リミックスチラシ2 アフリカ・リミックスチラシ1
 25カ国・84作家による約140点の作品を集めた、現代アフリカ美術の大展覧会である。25カ国の内訳を見るならば、北から順に、モロッコ(6作家)、チュニジア、アルジェリア(3作家)、エジプト(7作家)、マリ(2作家)、スーダン、エチオピア(2作家)、セネガル(2作家)、シエラレオネ、コートジボワール(2作家)、ガーナ(3作家)、ベナン(3作家)、ナイジェリア(5作家)、カメルーン(5作家)、中央アフリカ、ガボン、コンゴ民主共和国、旧ザイール(6作家)、ケニア(4作家)、タンザニア、ブルンジ、アンゴラ(5作家)、モザンビーク(5作家)マダガスカル、ジンバブエ、南アフリカ(15作家)となっている。わたしは特にアフリカの専門家ではないので、詳しいことはわからないが、五十数カ国というアフリカの国々の中で半分近くが含まれており、また北から南、東から西と、バランスよく分布しているように思う。
 さて、最初に「現代アフリカ美術の大展覧会」と書いたが、この表現は正しくない。「アフリカ現代美術の大展覧会」、と改められるべきであろう。今日、「アフリカ美術」という言葉から普通の日本の観客が連想するのは、木彫りの仮面や彫像のようなプリミティヴでトライバルな芸術かもしれない。だが、ここにあるのは、「(たまたま)アフリカ大陸に生まれた」作家たちの制作した現代美術である。わたしはこの両者の関係が、実際のところ現在、どのようなものであるのか、についての情報を、何も持っているわけではない。もちろんそれは、国によって大いに異なっているだろう。また、現代美術作家のうちの何人かは、「インターナショナルな」評価を受けている作家であり、ヨーロッパやアメリカに住んでいるのだろうと思われる。エスニシティを強調することによってインターナショナルな評価と市場を得るという、今日のアーティストの逆説を、何人かの作家たちは生きているのだろう、と推測もされる。「アフリカ美術」と「アフリカの現代美術」の関係は、おそらくこのように入り組んでいて矛盾に満ちたものなのだろう、と思う。良心的で洗練された現代の観客ならば、いちおうはこの程度の予断を持って展覧会に臨まなくては(笑)。
 だが、わたしはこの展覧会をロンドンで実際に見ているのだが、そのような予断を超えて、この展覧会は驚異に満ちたものだった。現代のもっとも洗練されたインタナショナルなアーティストのうちの何人かがアフリカ大陸の出身者であるということを確認するだけでも、「アフリカ・リミックス」を見ることの意味はあるだろう。そのうえでなお、この地が堆積させている表現力の厚みや豊かさ、色彩豊かな多様性、といったものが、総体として何か魔術的な印象を残すとすれば──。それは何も偏見のゆえではなく、現代の社会においてもなお──いや、現代の社会においてこそ、すべからく優れた芸術というものが持つ(べきである)力への素朴な信頼を、私がまだ失いたくないがゆえのことではないかと思う。
会期と内容
●アフリカ・リミックス──多様化するアフリカの現代美術
会期:2006年5月27日(土)〜8月31日(木)
会場:森美術館
東東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
Tel .03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:月・水〜日曜日10:00〜22:00
火曜日 10:00〜17:00
(いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで
[みなみ ゆうすけ]
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