artscape
artscape English site
プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
7/24-8/3
杉浦隆夫展
7/14〜26 Oギャラリーeyes[大阪]
命がけの作品体験だった。壁と床にひとつずつ据えられた黒い箱。壁の箱は頭がすっぽりはいる大きさ。床置きのものは長さが2mほどあろうか。箱を開いても中にはぎっしりと堅いスポンジがはいっているが、被験者はこの中に入って鍵をかけられる。頭はコンタクトレンズをしている眼球に圧迫感を感じてすぐにギブアップ。頭は自分でも鍵をはずせるが、10秒たつと開けてもらえるという身体がすっぽり入る箱のほうに至っては画廊の人を信じるほかない。ここまでの緊張を肉体的に強いられたことはこれまでなかった。暗闇の中、身体が締め付けられるような10秒はとても長く感じられた。
[7月24日(木) 原久子]
黒田清輝展
7/19〜9/7 和歌山県立近代美術館
日本の近代絵画の父ともいえる巨匠の展覧会。《湖畔》などの代表作が並んでいるのに、ただ並べただけにしか感じられないのは、何が原因だったのだろうか。とはいえ、明解にその理由を述べることもできず、消化不良を起こしそうで辛かった。
[7月25日(金) 原久子]
新世代への視点2003「The Ten Elements」
7/28〜8/9 ギャラリーなつか/コバヤシ画廊/ギャラリイK/ギャラリー現/ギャラリー山口/ギャルリー東京ユマニテ/藍画廊/ギャラリー21+葉/なびす画廊/ギャラリーQ銀座[東京]
新世代への視点2003「The Ten Elements」
銀座・京橋の画廊10軒が同時期に若手作家の個展を開く「新世代への視点」も、今年で10年目。初日に汗かきかき足早にまわってみた。2年前の前回は「絵画」がテーマだったけど、今回も10軒のうち7軒が絵画。中間トーンを飛ばしたモノクロの風景にカラーの人物イメージを重ねた村尾成律(ギャラリーQ)、皮をはぐ(脱ぐ)というオブセッショナルなイメージを、キース・ヘリングばりの明快な色と線で表現する岩瀬殉一郎(ギャラリー21+葉)、異なるスタイルで描いた3点の絵画を1組ずつ並べた菅野まり子(コバヤシ画廊)など。絵画以外では、人体彫刻の表面を装飾模様の布でおおった津田亜紀子(ギャラリー山口)、植木に同系色の家や車や人のかたちのタグをぶらさげた本間純(ギャラリー現)など。それぞれスタイルを確立していてそれなりに見ごたえがあるのだが、よく言えば破綻がなく、悪く言えば飛び抜けてないという感じ。
[7月28日(月) 村田真]
ラファエル・ロサノ・ヘメル講演会
7/29 カナダ大使館B2シアター[東京]
メキシコ系カナダ人のメディア・アーティストによる講演会。彼は90年代後半以降、公共空間で不特定多数の人が参加できるプロジェクトを行なってきた。たとえば、インターネットを通じて送ってもらった情報をもとに、夜空にサーチライトで光の彫刻をつくったり、巨大なプロジェクターをトラックに積んで建物の壁にゲリラ的に映写したりとか。話を聞いてるとそれなりにおもしろいのだが、政府から莫大な金をもらってプロジェクトを組み立てるだけに、会場から「ナチのアルベルト・シュペーアとどこが違うのか?」と質問が出るのもムリはない。だが、こうしたパブリックなプロジェクトにおいて最悪のケースは、人々に無視されることだろう。だから11月1日にオープンする山口情報芸術センターでの彼のプロジェクト「アモーダル・サスペンション」には、みんな参加しようね。
[7月29日(火) 村田真]
ヤノベケンジ「MEGALOMANIA」
8/2〜9/23 大阪国立国際美術館
ヤノベケンジ「MEGALOMANIA」
この13年間の作家活動の集大成ともいえるような個展。小学生の鼓笛隊の行進あり、本人の口上のような挨拶あり、お父上による腹話術漫談ありといった異例のオープニング・イヴェント。万博公園内から大阪市内に移転する前に万博跡地で開催することに大きな意味を感じていたというヤノベ。その言葉通り、万博跡地を遊び場にしていた少年の妄想と現実がつくらせた作品の並ぶ会場には、すでに到来している次の時代へのメッセージを強く感じた。
[8月2日(土) 原久子]
ドローイング展「想画集 2」
7/19〜8/3 VOICEギャラリー[京都]
これからの活躍が期待される榎本耕一、黒川彰宣、小寺絵里、仲西陽子、船井美佐という5人のドローイングが紹介されていた。現役の大学生や大学院生を含め、立体をつくったり、ペインティング作品をつくったりといった、制作のベースともいえるドローイング。このドローイングの延長線上にある作品たちも観てみたい。
[8月3日(日) 原久子]
 
Index
7/24-8/3
杉浦隆夫展
黒田清輝展
新世代への視点2003
「The Ten Elements」
ラファエル・ロサノ・ヘメル講演会
ヤノベケンジ「MEGALOMANIA」
ドローイング展「想画集 2」
8/4-8/9
ガール!ガール!ガール!
Happy Trail
2003年アートの旅
夢二・深水と大正の女たち
鶴見幸代
こもれび展
8/10-8/14
ART CAMP in CASO
ソーダッタンダ
白山陶器:FACTORY展」
At This School
称名寺の美術工芸
不滅の輝き 甦る幻の松方コレクション
野見山暁治展
中ハシ克シゲ《ZERO》バーニング
8/15-8/17
流出文化財を守れ―アフガニスタンそしてイラク展
DOWN TO ART ダウン症のアーチスト展
トーキョーワンダーウォール公募2003
田中一光回顧展
横尾忠則展「横尾 by ヨコオ:描くことの悦楽――イメージの遍歴と再生」
8/18-8/24
ユッタ・バウワー原画展
六感の森
「ふたり」展
漢展
辛酸なめ子展「ソウルメイトを探して…」
トルコ美術の現代 どこに?ここに?展




次ページ
ページTOPartscapeTOP 
DNP 大日本印刷 ©1996-2007 DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd.
アートスケープ/artscapeは、大日本印刷株式会社が運営しています。
アートスケープ/artscapeは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
artscape is the registered trademark of DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd.
Internet Explorer5.0以上、Netscape4.7以上で快適にご利用いただけます。