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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
小吹隆文/福住廉
5/26-5/27
荒木経惟 色淫女
5/25〜6/17 Taka Ishii Gallery[東京]
おなじみのエロ写真にカラーペインティングが上塗りされている。モノクロと色彩の二重効果は、描き殴ったようなその絵がいかにも「芸術的」なせいか、荒木の生の情動というより、彼の芸術家志向を強く伺わせていた。
[5月26日(金) 福住廉]
耀樹孝鷺鶯(ようなこうさぎうぐいす) マッドクローム:ア ソース グープド カムシャフト
5/17〜30 Caféユイット/galleryユイット[東京]
耀樹孝鷺鶯 マッドクローム:ア ソース グープド カムシャフト
ようなこうさぎうぐいすは、文字表現を一切使うことなくマンガを描く作家だ。これまでの作品はコマの規則性を撹乱するような構成によって乾いた笑いを見せていたが、今回の作品は同じような構成によって哀愁を帯びた物語を見せている。どのマンガにも登場するロボットに社会的な疎外感が仮託されているようだった。
[5月26日(金) 福住廉]
名越啓介写真展「EYES OF FELLOWS」
5/18〜6/20 B GALLERY[東京]
アメリカの底辺で生きる若者たちの写真。写真をロード・ムービーのように連続させながら構成する見せ方はわかるにしても、個々の写真の内容はいかにも「アメリカ的なもの」で、撮り方もいわゆる「ストリート系」の基準に沿っているため、目新しいところはとくにない。
[5月26日(金) 福住廉]
藤田進 街景
5/20〜26 galeriaQ[東京]
藤田進 街景
新宿には多くの写真画廊が集まっているけれど、どこの画廊に行っても眼にするのは、たいてい都市風景のモノクロ写真である。まるで街をカラーで撮ってはいけない禁則があるのかのように、どれも判で押したように白黒だ。おそらく、それは対象を必要以上にロマンティックに見させてくれる効果に大きく起因しているのだろう。ただ、これほどまでに一様で均質的な白黒写真を見せられると、若干の疑いを覚えないわけでもない。新宿とはそもそもそうしたロマンティックでセンチメンタルな欲望を喚起する街だといえばそれまでだが、ほんとうに新宿はロマンティックなだけの街なのだろうか。白黒で撮影されなければならないのだろうか。もっとちがう写真のあり方がありうるのではないか。それは白黒ではなくてカラーだとか、銀塩ではなくてデジタルだとかいう水準の話ではなくて、どのような眼差しで対象を見るかという写真の根本にかかわるはずだ。いわば「新宿系」の写真群は、あらかじめ準備したロマンティックな視線で街並みを見ることによって、結果的に新宿をロマンティックでセンチメンタルな都市に仕上げているように思えてならない。この(悪)循環は人を夢見させるだけに、断ち切りがたいものなのだろう。
[5月26日(金) 福住廉]
ホンマタカシ
4/27〜5/27 GALLERY360゜[東京]
雪山の写真。「山渓」や「岳人」の写真とどこがちがうのかわからないけれど、ちがいを探し出そうとすれば、山肌のテクスチュアを克明に写し出そうとしているようにも見える。
[5月26日(金) 福住廉]
アフリカ・リミックス──多様化するアフリカの現代美術
5/27〜8/31 森美術館[東京]
アフリカの現代美術の現在を紹介する展覧会。いつものことながら総花的ではあるが、いわゆる民族的・部族的な「そのまんま」の作品より、欧米のアートシーンからの影響を内面化しつつも、アフリカの土着性を隠れ蓑にしながらアイロニーと悪意を込める作品が魅力的だった。エルネスト・ウェアンガイの「黒人衣裳」は「アフリカ」に向けられたコロニアルに視線をもっとも単純明快なかたちによって痛烈に批判している。これだけボリュームのある作品はたしかに見応えがあるが、「アイデンティティと歴史」「身体と魂」「都市と大地」という3つのセクションに分類するキュレイションには疑問が残った。もともと総花的な枠組みのなかで多様な作品を大別することに、積極的な意味を見出せないからだ。また、それぞれのセクションの冒頭に掲げられるパネル解説文も、観覧者を立たせたまま読ませるにはあまりにも長々しく、苦痛を強いるものだ。一度に読ませるのではなく小分けにしたり、ひとつひとつの文章をもっと簡潔に書き換えるなど、まだまだ改善の余地がある。
[5月26日(金) 福住廉]
藤本由紀夫×西宮市大谷記念美術館 美術館の遠足10/10
5/27 西宮市大谷記念美術館[兵庫]
藤本由紀夫×西宮市大谷記念美術館 美術館の遠足10/10
藤本由紀夫と西宮市大谷記念美術館が、1年に1日だけ開催する人気展。今回がファイナルということで、会場は人、人、人。空間を味わうにはやや厳しい状況だったが、こんなに愛された企画も珍しいと妙に納得。最後の年に一番抽象度が高い展示を行ない、特別なイベントもなくフェイドアウトする締め方に、藤本と美術館の美意識が感じられた。
[5月27日(土) 小吹隆文]
Index
5/21-5/26
うごめくこころ
心象
増田敏也展
池田孝友展
西田潤展
ハワード・グッドマン写真展
川野美帆展
5/26-5/27
荒木経惟 色淫女
耀樹孝鷺鶯
郭名越啓介写真展
藤田進 街景
ホンマタカシ
アフリカ・リミックス
藤本由紀夫×西宮市大谷記念美術館
5/28-6/7
シンポジウム「アフリカらしさとは何か?──アフリカ美術の今を探る
藤田嗣治展
画家泉茂の写真展
黒白ノート・箱 阿部淳写真展
中岡真珠美展
小林且典“静物”のシリーズより
6/10-6/15
時間の庭へ・植松奎二展
新野圭二郎
LOCUS 2006 TOKYO展
なかもと真生
BuBu de la Madeleine
√ roots 私の中の日本的なるもの
6/15-6/19
小さな骨 動物園展
塩保朋子
畠山浩史写真展
林茂樹展
上雅章作品展
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