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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
1/3〜1/8
新春特集珍列「神仙図」
1/2〜28 京都国立博物館[京都]
新春特集珍列「神仙図」
重要文化財《蝦蟇・鉄拐図》(部分)顔輝筆(知恩寺蔵)
人々はどこへ行ったのだろうと思うほど、この日の京都国立博物館はすいていた。とにかく得した気分だ。《寒山・拾得図》はいろんな人が描いているし、この展示でも何人かの作品が出ていたが。曾我蕭白の筆によるものが今日観たなかでは印象に残った。でも、同じくらい気になったのが顔輝の《蝦蟇・鉄拐図》。肩にガマを乗せ、片手に桃の枝を持つ蝦蟇のなんとも言えないまなざし。私テキに今日もっとも楽しめたのは長澤蘆雪の《蓬莱山図》。独特の遠近の描き方も面白いし、鳥に乗った仙人(?)たちが蓬莱山へ向け飛翔している場面もファンタジック。特集陳列は「神仙図」以外にもあったが、ここを観るだけでも十分に満足。
[1月3日 原久子]
石山朔──o sole mio
1/5〜1/17 BankART Studio NYK[神奈川]
石山朔──o sole mio
NYKの広大なスペースをフルに使っての、BankART始まって以来初の絵画の個展。作者の石山朔は横浜在住で、BankARTスクールもいくつか受講し、頼みもしないのにカンツォーネを歌ってくれる85歳の元気なおじーちゃん。戦後、絵を描き始め、1965年から500号の抽象絵画を手がけている。500号というと333×248センチだから、6畳近い。アトリエにぎりぎり入り、ひとりで動かせる限界の大きさだそうだ。その大きさもさることながら、極彩色の奔流が目を奪う。一見アクション・ペインティングを思わせるが、その彩色はただ奔放というわけではなく、きわめて緻密に計算していることがわかる。超大型新人の誕生だ。
[1月4日 村田真]
ライブ : トウオマス・トイヴォネン
1/5 金沢21世紀美術館 レクチャーホール[石川]
建築家でもあるトウオマス・トイヴォネンは、ジャイアントロボというどこかで聞きおぼえのある(昔TVでやってたアニメ)バンドのヴォーカリストであり、コンポーザーでもある。「まるびー」という愛称を持つ円形のなかにいくつもの四角い箱があるような建築の美術館、この建物を意識したライブってことだったけど。その関係性はどうであれ、とにかくいいライブだった。彼が愛してやまない80年代に活躍した電子楽器たちを使い、最後の曲のまえにその楽器たちを兄弟のように紹介したのもユニークだった。
ライブ : トウオマス・トイヴォネン
[1月5日 原久子]
「スタジオカフェ yngm:k」
2006/11/3〜2007/3/21 金沢21世紀美術館プロジェクト工房[石川]
「スタジオカフェ yngm:k」
「スタジオカフェ yngm:k」
上:「スタジオカフェ yngm: k」内観(金沢21世紀美術館プロジェクト工房)
右=奈良美智、左=豊嶋秀樹
下:同、外観。赤い屋根の小屋が入口になっている
奈良美智が滞在制作しているスタジオは2重の入れ子構造になっていて、建物のなかに建物がある。すっかりおなじみ(?)の小屋風スタジオ。普段はカフェの窓からなかを観るだけなのだが、スタジオ公開日ということで、この週末はなかに入れてもらえた。奈良美智と豊嶋秀樹もいて、もうすぐはじまるベルリンでの展覧会の打合せをしていた。奈良はだれもいなくなった夜中にしか絵を描かないようだ。カフェの横ではライブを終えたトウオマス・トイヴォネンがiPodから曲を選んで流しつつ、エアカラオケをはじめていた。
[1月5日 原久子]
「夜想曲 Voyage of the Moon 」
9/30〜3/21 金沢21世紀美術館[石川]
新作インスタレーション《Voyage of the Moon》は、屋根部分がにゅ〜っと曲線を描いた小屋の先端に顔がついている。これまでA to Zプロジェクトをはじめ数々の小屋を奈良美智と豊嶋秀樹は作ってきたが、今回はそのなかでも特別なものとなった。月は太陽のことを想っているのでしょうか。なかなかロマンチックな作品です。
[1月6日 原久子]
「リアル・ユートピア──無限の物語」展
11/23〜2007/03/21 金沢21世紀美術館[石川]
金沢21世紀美術館に作品が収蔵されているイ・ブル、草間彌生、岸本清子、木村太陽の4人の作家たちは、それぞれ異なる個性を持っている。チラシやポスターなどの告知物にも使われていた白黒のサッカーボールに手足がはえた赤ちゃんがはいはいするような姿勢の人形は木村太陽の作品。鳩の頭部がキャスタになったオブジェの上を台車でも動かすように板を滑らせるインスタレーションも木村のもの。久々に同作品を見たが毒気にあたって気持ちが悪くなりそうだった。4作家の作品に理想郷を当ててまとめたことは面白いと思うのだが、美術館の構造上の利点でもあるが、コレクション展なども併行して観られるため、気が付いたらすでに4作家以外のほかの展示を観ていた。
[1月6日 原久子]
Pup Patrol
11/23〜2007/03/21 金沢21世紀美術館[石川]
「スタジオカフェ yngm:k」
「スタジオカフェ yngm:k」
Pup Patrol会場風景
金沢21世紀美術館はいろんな企画が盛りだくさんで楽しかったが、心残りなことが金沢を去るにあたりひとつあった。Pup Parolに参加できなかったこと。犬のきぐるみは子どもしか着られない。赤や黄色、水色などのフェイクファーのスーツを着て、美術館をパトロールする子どもたちは、可愛い。私が着てもカワイクないのだろうが、それでも変身することでなんだか気持ちも変心(?)して、普段着では見られないところに目線がいくのではないかと思う。大人が着られる日も、子どもがいない時間にでもぜひ設けて欲しいものだ。
[1月6日 原久子]
日下部一司展
1/8〜20 Oギャラリーeyes[大阪]
例えがおかしいかもしれないが、まるで黄金分割みたいに完璧なバランスで、なおかつ微笑ましい大人の悪戯、それが日下部作品の魅力。新年初の展覧会を意識したのだろう漆塗りのお椀を重ねたもの、石膏で満たされた白いホーローの洗面器を重ねた。使っている素材は文机などの家具も含めて和モノがほとんど。年季の入った日用品の質感と、全体にしっかりと保たれた均衡が心地よい。
リアル・ユートピア──無限の物語 リアル・ユートピア──無限の物語
日下部一司作品会場風景
[1月8日 原久子]
Index
1/3〜1/7
新春特集珍列「神仙図」
石山朔──o sole mio
ライブ : トウオマス・トイヴォネン
「スタジオカフェ yngm:k」
「夜想曲 Voyage of the Moon 」「Dog-o-rama」
「リアル・ユートピア──無限の物語」展
Pup Patrol
日下部一司展
1/9
母袋俊也展 painting《TA・KOHJINYAMA》
岩熊力也展 眠山水
白川昌生 3×3×3×3
世界あやとり紀行展
1/9
西雅秋「超・刻へ」+「大地の芸術祭2006」再生民家のアーティストたち
水上嘉久展
松尾藤代
端聡
1/11〜1/12
プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
南隆雄
小川信治
ジェイソン・テラオカ:隣人たち
キッズワークショップ「ゆびでアニメーションができた」
1/13〜1/19
飯川雄大「時の演習用時計」
Art @ Agnes
Awesomeレジデンス帰国報告 永岡大輔
眞田塾展07 身体髪膚
手塚愛子展 「薄い膜、地下の森」
諸泉茂 ℃-PATTERN
オブジェ・ヴォラン 「サークル+透明+コントルポワン」
西森瑛一
1/20
仙谷朋子 「Touch of Sight」
黒川紀章展
文化庁メディア芸術祭10周年記念展 日本の表現力
20世紀美術探検
1/20
ボリス・ミハイロフ「昨日のサンドウィッチ」
MOTアニュアル2007 等身大の約束
中村宏 図画事件1953-2007
エリック・パーカー 「Half Cocked」
加藤美佳
1/22〜1/25
豊嶋康子
篠原有司男展
佐藤万絵子
小池唯徳展“Out of Lightness”
杉本博司「本歌取り」
橘田尚之
「角状性」上野慶一・黒川弘毅展
Project the Projectors 2007
「日本美術を笑う」+「笑い展:現代アートにみる『おかしみ』の事情」
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