artscape　展覧会レビュー 08年1月

小吹隆文／福住廉／村田真／酒井千穂

12/15

大和文華館所蔵富岡鉄斎展──躍動する形と色
10/6～12/16　大倉集古館［東京］

富岡鉄斎の絵をまとめて見せる展覧会。本業は儒学者で、絵画は余技としながらも、90歳で亡くなるまでに1万点あまりの作品を描き残したという最後の文人。いずれの作品にも一筆一筆の迫力がありながら、しかし業が深いわけでもなく、どこか飄々としていて、とにかく潔い。「片手間」でこれだけの絵を描いて見せた鉄斎の姿勢に、アマチュアのアーティストたちは学ぶべきところが多い。
［12月15日（土）　福住廉］

北山善夫展図像説（歴史）
12/4～12/22　MEMギャラリー［大阪］

デコボコした不器用な造作の粘土人形が絡み合った図像や、宇宙を描いた作品など、天地約2メートル・幅約1.5メートルの絵画作品7点を出品。北山は単に緻密な具象画を描きたかったのではなく、近代以降の美術史が抱える問題とその突破口を描き出そうとしているらしいのだが、その論説は長大でここではとても書き切れない。ただ、そんな理論は脇に置いても、作品の魅力は明白。まさに圧倒的な存在感。四の五の言わせぬ説得力とはまさにこのことと実感した。
［12月15日（土）　小吹隆文］

Calendar for2008
12/11～12/23　アートスペース虹［京都］

ギャラリーに縁のある多くのアーティストが参加する恒例のカレンダー展。作品でもある新年のカレンダーの展示を眺めるのも、カタログのようにファイリングされた中からお気に入りを選んで買い物するのも楽しい。室内の照明を消して暗くするとゲーテの「もっと光りを！」という言葉が白く浮かび上がる二瓶晃さんの作品は特に目立っていた。お気に入りの作品もあったけれど今年は結局買わなかった。でも毎回楽しみになる展覧会。来年の年末もまた行こう。
［12月15日（土）、16日（日）　酒井千穂］

Index

11/26～12/1

12/3～12/5

今日の作家シリーズ48 垂直なる地平：国谷隆志

矢尾板克則小屋展

12/7～12/8

墨集団翔 Sho Sumi 三人展遊離

ヤノベケンジ展「トらやんの大冒険──ファンタスマゴリア」

12/9～12/13

12/15

12/15

大和文華館所蔵富岡鉄斎展──躍動する形と色

12/16

12/18

俵萌子・増田妃早子「Drawing-Exposed essence 07」

12/20～12/24

一寸のアート part5：亀谷彩・白井千尋

半熟目玉盲点観光ガイドによる、観光ダンス作品「ためいけ」

旅展

12/25

遠い町──それぞれの記憶　上田順康・藤下友絵・板野久美子

大塚泰子

百花繚乱展──芸能人・文化人による華やかなアートの共演

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