| 小吹隆文／福住廉 |
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| 6/18〜6/19 |
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枡本佳子 展
6/17〜28 石田大成社ホール［京都］ |
壷状のシルエットの内側に姫路城や猿の親子がいたり、装飾の松が壷を貫通してニョキニョキ生えているなど、度を超えた装飾が笑いを誘う桝本佳子の作品。用途を解体しながらも陶芸であることから逃れられない相克が、笑いと共感を誘う。もう一つ、古びた塀のある風景を表現した別シリーズも出品されたが、こちらもまた違う意味でそそられる質感を持った作品だった。
［6月18日（水） 小吹隆文］ |
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小寺絵里 展
6/17〜29 ギャラリー揺［京都］ |
会場の画廊は民家をリフォームした造りが特徴だが、現実と虚構がない交ぜになった作風の小寺絵里にとっては、この環境が抜群の好相性となった。出品作は、掘りごたつの炉箱部分に砂を敷き詰めてミニチュアを並べた坪庭状の作品、和室の障子に描いた絵画と布団のインスタレーション（布団の皺は彼女の絵画作品に頻出する重要なモチーフ）、そして庭園には蟹の甲羅を風景に見立てた盆栽風の小立体が点在していた。作品と現実の空間が地続きになって、ファンタジーが加速する。ホワイトキューブでは味わえなかった作品の魅力がそこにはあった。
［6月18日（水） 小吹隆文］ |
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山本太郎 展「風刺花伝」
6/18〜7/1 新宿高島屋［東京］ |
「日本゜画」を提唱する山本太郎の個展で、京都の高島屋から新宿の高島屋に巡回してきたもの。日本の伝統として考えられている日本画に依拠しつつ、コーラや星条旗、ブルーテントなどをモチーフとして盛り込むことで、「日本画」がはらむ雑種性を巧みに浮き彫りにしている。新宿高島屋での個展は、かつて日本橋三越で個展を催した山口晃を彷彿させるが、初日であるにもかかわらず、出品作の大半が売れていた。
［6月18日（水） 福住廉］ |
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佐藤岐夜美 幻覚材料、幻覚作業、そして幻想
6/16〜6/22 フタバ画廊［東京］ |
描かれているのはクラシックな貴婦人。人体は同色の背景に溶け込み、花柄の衣服だけが前面化している。よく見ると、シールやカッティングシート、星型のクリスタルなど、乙女チックなアイテムが支持体に直接貼りつけられている。少女性がいやおうなく強調されているが、その一方で支持体は鉄板やアルミ板であるため、冷徹で硬質な雰囲気と少女的な色彩のコントラストが、作品の大きな特徴になっている。硬く冷たい壁面の中に閉じ込められた貴婦人の肖像は、まさにジェンダー化された女性像そのものである。
［6月18日（水） 福住廉］ |
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井上雄彦 最後のマンガ展
5/24〜7/6 上野の森美術館［東京］ |
『スラムダンク』や『バカボンド』で知られるマンガ家、井上雄彦の展覧会。美術館の全館を使って書き下ろしの肉筆画100点あまりを発表している。墨絵風のタッチで描かれた作品は、美術館の巨大な空間に負けず劣らず迫力があったが、絵の余白に文字を刻印し、それぞれのキャンバスをそのままマンガのコマに相当させていたため、あたかもマンガを読むように鑑賞させていた。しかも物語の進行に沿って展示空間を屏風仕立てからブラックキューブまで変化させていたせいか、来場者は井上ワールドを存分に味わっていたようだ。じっさい砂浜のシーンでは絵の前に砂を敷き詰め、手からこぼれた刀の絵の前にじっさいの刀を転ばしておくなど、展示の手法も際立っていた。巨大な和紙に人物像を正確に描き出す卓越した技術もあわせて考えると、今後ますます美術とマンガの境界は無意味になっていくように感じた。
［6月19日（木） 福住廉］ |
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