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読売アンデパンダン展 Yomiuri Independent


1949年、東京都美術館を会場とし、読売新聞社主催の「日本アンデパンダン」展が出発。1957年の第9回展から「読売アンデパンダン」展と改称。1964年の第16回展開催の前月、突如中止の宣告が主催者側から申し渡され、結果的に1963年の15回展が最後となった。この展覧会は戦後に入ってから顕著であった新聞社のイニシアチブによる文化活動の威勢を物語ると同時に、日本の美術界に新たな地平を切り開いた場として記憶されるべきものである。60年前のフランスの先例に学び、「無審査、無賞、自由出品」という平等主義のもとに実施され、美術団体の党派性、権力関係に左右されない自由な場が実質的に若手作家の活動を推していき、とりわけ60年代には反芸術的動向が騒然と開花するひとつの中心的舞台となった。事実その異様な盛り上がりゆえに当展覧会はいわば暴力的なかたちで前述のような終末を迎えることになる。
崩壊の端緒が現われ始めた第12回展では九州派ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズなどに見られるハプニング的要素が顕著となり、また日常的なオブジェを多用した作品が会場を席巻した。60年代美術を語る上での切り口上となった「反芸術」という言葉も、この回に出品された工藤哲巳《増殖性連鎖反応》に対して評論家、東野芳明が冠し、それが一般化したものである。その後回を重ねるごとに作品は過激さを増し、現場は無法地帯と化していき、ついに1962年第14回展で美術館側は猥褻性、施設毀損の可能性を理由に展示作品の撤去に踏み切る。展覧会終了後には「東京都美術館陳列作品企画基準」が設けられ、

1、不快音または高音を発する仕掛けのある作品
2、悪臭を発しまたは腐敗のおそれのある素材を使用した作品
3、刃物等を素材に使用し、危害をおよぼすおそれのある作品
4、観覧者にいちじるしく不快感を与える作品などで公衆衛生法規にふれるおそれのある作品
5、砂利、砂などを直接床面に置いたり、また床面を毀損汚染するような素材を使用した作品
6、天井より直接つり下げる作品

の出品を以後拒否する旨が通達されるに至った。しかしこの基準が実効性をもったのは次の第15回展のみで、その翌年読売新聞社から当展覧会はその意義を終えたとする通知が関係者に送付され、一方的にその幕は降ろされることになる。その後自主運営での開催も何度か試みられたが継続しなかった。

(宮川暁子)

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