DNP Museum Information Japan - artscape
Museum Information Japan
Exhibition Information Japan
Recommendations
Exhibition Reviews
HOME
展覧会レビュー

村田真 原久子

ペヨトルin 西部講堂
5/11〜12 京都大学西部講堂[京都]
 
  今回ちょっと驚いたのが、ペヨトル工房の本を愛読していた人間に、かなり世代間の差があったこと。皆が読んでいると思っていたのに、そうでもなかったことを思い知らされた。まあ、そんなことはいいのだが……。解散したぺヨトル工房は本を出版してきた。ペヨトル本に登場したアーティストやダンサーたちが西部講堂で2日間、時間と空間を共有しながら「場」というメディアをつくってしまった。野村誠の新曲パフォーマンスの特に2日目が良かったと聞く。そして、笠井叡のダンスに言葉を失った。これほどの衝撃は久々。私は1日目しか見ずに西部講堂を後にしたのだが、2日目はさらに良かったと翌日になって聞き、原稿とばしてでも見れば良かったと後悔した。何はともあれ、今野さん、そして黒木さんほかスタッフの皆さんお疲れ様でした。
[5月11日(土)、12(日) 原久子]
top
榎忠展「MADE IN KOBE L・S・D・F」
  5/11〜26 京都精華大学ギャラリーフロール[京都]
 
 
榎忠展「MADE IN KOBE L・S・D・F」
西部講堂のイベントの合間に、前日オープニングに行きそびれた榎忠さんの個展に行く。豊田市美術館での「空き地」展でも、他を圧巻していたビシッと鋳造した銃のカタチのオブジェを並べたインスタレーション。一昨年はそのオブジェを神戸の西元町から三宮まで持って運ぶというパフォーマンスを数十名の参加者を得て行なった。そんな彼の30年以上に渡る創作活動の軌跡を追ったコーナーでは、中央に1972年以来、各地で発射イベントを行なっている「大砲」が設置されていた。
[5月12(日) 原久子]
top
シンポジウム「絵画」Vol.2
5/17 京橋プラザ区民館[東京]
 
 
シンポジウム「絵画」Vol.2
パネリストは鈴木省三、辰野登恵子、母袋俊也、吉田暁子、O JUNの5人で、司会は本江邦夫というクセのある顔ぶれ。「絵画は死なない」というシャレにならないテーマをめぐって、てんでばらばらなスタンスで話が食い違いつつ、それでも随所に輝く言葉が散りばめられて、シャンシャン総会に終わることなくけっこう楽しめた。役割としては、吉田が話を引っ掻きまわして活性化させるトリックスター、鈴木がモノローグ、O JUNがボケ、本江がツッコミ、母袋と辰野が解説者、といったところ。みんな役者やのう。
[5月17日(金) 村田真]
top
オフ-サイド Off-Side -Football is in Our Life-
  5/18〜6/2 gm/graf[大阪]
 
 
オフ-サイド Off-Side -Football is in Our Life-

サッカーという単純なルールをもったゲームのなかで、社会の動向とも重ね合わして見ることができるような複雑な動きがあるということは、W杯でにわかサッカーファンになった人ならずとも御存知のはず。そんなサッカーのゲームになぞらえたり、ゲームの結果が関係して起こった事件や出来事をチケットにタイトルをつけることで象徴的に提示し、そこにいる個と、集団がつくる組織の問題にも言及した作品などが展示されている。横浜展は6月23日まで、横浜美術館アートギャラリーにて開催(自前の企画の紹介で、恐縮です)。
[5月18(土) 原久子]

top
江戸の美意識
  3/26〜6/9 三の丸尚蔵館[東京]
 
 
江戸の美意識
六本木から赤坂、霞が関、桜田門を抜けて大手門まで、チャリンコで日本の中枢部を駆け抜ける。初訪問の三の丸尚蔵館は美術館としては小ぶりなうえ、展示室はその半分以下しかなく、あっという間に出口にたどり着いてしまう。ウソこれだけ? カネ返せといいたいところだが、無料だから文句いえない。なにしろ天皇家の御物だから、つい10年ほど前までは見ることさえできなかったのだから。「江戸の美意識」展は3期に分かれ、それぞれ若冲の「動植綵絵」が2点ずつ出品されている。今回は《芙蓉双鶏図》と《蓮池遊魚図》の2点。ほかに狩野永徳の《草花図屏風》や、岩佐又兵衛作とされる《源氏物語・平家物語図屏風》などもあるが、若冲とは比べものにならない。円山応挙の《牡丹孔雀図》さえ影が薄い。実は先週末、小学館の『週刊日本の美をめぐる』の「若冲」の巻を書き終えたところ。
[5月19日(日) 村田真]
top
艾沢詳子展
  5/14〜24 ギャラリー砂翁/トモス[東京]
 
 
艾沢詳子展
触感のある作品をつくる北海道の版画家だが、今回はドローイングの展示。いまどきの画家には見られない豪胆な筆勢がうれしい。
[5月20日(月) 村田真]
top
  富田有紀子展
  5/20〜6/14 第一生命南ギャラリー[東京]
5/20〜6/15 ギャラリーなつか[東京]
 
 
富田有紀子展
花の絵。といっても、これほど尋常ならざる「花の絵」もない。一見、ソーントンの植物誌『フローラの神殿』を思わせるが、富田のは単なる花の「絵(picture)」でなく「絵画(painting)」になっている。約20年前のデビュー時にはチャラチャラしたインスタレーションをつくっていたのに。恐るべし富田、どんどん進化している。
[5月20日(月) 村田真]
top
   



ArtShopArchivesArt LinksArt Words
prev up next
E-mail: nmp@icc.dnp.co.jp
DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd. 2002
アートスケープ/artscape は、大日本印刷株式会社の登録商標です。