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展覧会レビュー

村田真 原久子

森正洋 陶磁器デザインの革新
  6/18〜8/4 東京国立近代美術館2階ギャラリー4
 
 
森正洋
今でも実家にある「ねじり梅」のご飯茶碗や、子どもの頃に食卓にあった調味料セットの色違いが展示されていて、とても懐かしい気分になる。シンプルなんだけど、品よく「洋」と「和」が混じり合っていて、北欧の陶磁器ともまたテイストが違う。流行りのカフェにもありそうな食器。最終日であったため、作家本人も会場に。「白山陶器」の定番商品はこの人が作ったものなのか、と感慨深く御尊顔を拝した。
[8月4日(日) 原久子]
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  写真の現在2  サイト――場所と光景
  6/18〜8/4 東京国立近代美術館1階企画展ギャラリー
 
 
サイト――場所と光景
かつて絵画の巨匠が描いたことで知られるサント=ヴィクトワール山を、鈴木理策が現代の視点で写真に撮ったもの。アムステルダム郊外の人工島をつくる工事現場で撮られた野口里佳の写真には、地球と大空との間での人間の営みが、自然などの周囲の要素と絡み合いながら見えてくる。しかし、なかにはどうしてこの作品がここに並んでいるのだろうか、と疑問を感じるような作品もあった。確かに「サイト――場所と光景」という展覧会の主旨からは外れていないとしても、作品としての魅力が感じられないものまで使って壁を埋めねばならないものだろうか。
[8月4日(日) 原久子]
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  カールステン・ニコライ展
  5/12〜9/6 ワタリウム美術館[東京]
 
 

今年の夏は暑い。そんな暑いときにはもってこいの涼しげな展覧会、というと褒め言葉には聞こえないだろうか。特に《スノウ・ノイズ》などはその極めつけ。太い試験管のなかに下がった糸が媒介物となってそこに絡み付く雪の結晶の美しさと果敢なさは、そこに立っていることにまで緊張感をともなう。生成のプロセスに立ち合い、静寂の中で息までもこらしていると、耳まで澄ますことにつながる。
[8月4日(日) 原久子]

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中川泉展
  8/5〜10 信濃橋画廊[大阪]
 
 
中川泉展
同種の植物の種子を複数並べて写真に撮り、引き延ばすサイズに変化をもたせるなどしている。プリントだけで見せているものもあれば、真横に蛍光灯を取り付けたタイプのライトボックス型の展示ケースに入れたものなどもあり、標本的に対象を見せようとしている。印画紙に焼きつけた写真に何を記録するかということについて、追求して撮ったものであっても、なくても、結果的にそれがアートとして観る人に認識されることはありうる。アート作品にせねばと意識しすぎて、せっかくの写真が台無しになることもあるのではないだろうか。
[8月8日(木) 原久子]
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アートはうごく・はしる!〜現代美術編 井上信太/中西學
8/18 京都芸術センター・北ギャラリー/南ギャラリー[京都]
 
 
アートはうごく・はしる!

羊飼いプロジェクトでお馴染みの井上信太。京都芸術センターの門を入るとそこここで羊たちが出迎えてくれた。館内にもいろんな場所に羊が放牧されていた。板を羊の形にカットしてドゥローイングを加えたものや、シルエットだけの真っ黒なもの。そして、ギャラリーは立体作品とビデオ映像が一体となってインスタレーションされていた。
中西學は発泡スチロールを使った立体とドゥローイング。物が創造されるにともなって生まれる静かだが力強いエネルギーを感じるドゥローイング。そちらの出来がいいぶん、立体は大きくはあっても中途半端なものに見えてしまった。
[8月9日(金) 原久子]

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ことばの領分 平田さち、叶野千晶
  7/30〜8/11 ギャラリーそわか[京都]
 
 
ことばの領分

平田さちは広い展示室の真っ白な床に茶色いココア・パウダーを薄く散らして大きな円を描いていた。円の中に踏み込みたいという衝動にかられる。叶野千晶は旅の記録を写真等で見せていた。「ことばの領分」というタイトルはいかようにも解釈できる。
[8月9日(金) 原久子]

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  THE LIBRARY 2002
  7/30〜8/11 ギャラリーそわか[京都]
 
  恒例となったTHE LIBRARY 展。「本」という形式にとらわれすぎた作品が今年は多かった。中川るなの作品は以前観たものとまったく違った空気をもっていた。
[8月9日(金) 原久子]
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  宇治野宗輝「日本シリーズ」
  7/10〜8/10 ミヅマアートギャラリー[東京]
 
 
宇治野宗輝
言葉を使ったアートはいろいろあるが、こんなにおバカな作品は初めて。額縁とも屏風ともつかぬ枠に入った「Gパン」「Tシャツ」、ユニオンジャック模様の「ロイヤルミルクティー」、1文字ずつ意匠を変えた「トゥエンティワンセンチュリー」……。横から見るとペカペカで安っぽいところがまた魅力。
[8月9日(金) 村田真]
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