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展覧会レビュー

村田真 原久子

大坪茜丸展
9/30〜10/6 フタバ画廊[東京]
 
 
JOUNAL FOR PEOPLE
くすんだ色の風景画。おおむね前景に柵やコンクリートブロックなどの人工物が描かれ、背後に山や植物といった自然を配しているが、いずれも抽象化・パターン化されている。ちょっとシュールだけど奇をてらうあざとさがなく、ちょっとポップだけどノーテンキな楽しさもなく、それなりに魅力的。
[9月30日(月) 村田真]
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  芝章文展
  9/30〜10/12 コバヤシ画廊[東京]
 
 
JOUNAL FOR PEOPLE
久しぶりぶりの芝くんの個展。なんか最近、一時鳴りをひそめていた80年代作家(80年代で終わったという意味ではなく、80年代初頭にデビューした一群の作家たちという意味)の発表が増えてるような気がする。だけど作品はそれぞれの方向を向いていて、芝くんはひとり工芸的完成度を高めている。オープニング会場には藤枝晃雄さんや彦坂尚嘉さんもいて、とっても濃いパーティーでした。
[9月30日(月) 村田真]
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中村一美展
9/8〜10/27 いわき市立美術館[福島]
 
 
JOUNAL FOR PEOPLE

中村一美の個展が公立美術館で開かれるのは喜ばしい反面、それが首都圏から離れた美術館の単館開催であるのはなんとも歯がゆい。出品は1980年前後のドローイングから今年の最新作まで30点余りのタブローが中心だが、年代的にはばらつきがある。タブローに関しては80年代なかばと90年代末以降に偏り、その間の作品はほとんど出てない。しかも前者は油彩が中心なのに、後者はアクリルが中心。もちろんイメージも異なる。80年代作品は見慣れているせいもあるが、構成も色彩も整っている印象があるのに、近作はいってしまえば作法からはずれ、破天荒といえるほど。むしろ、どこまで破天荒でいながら絵画として破綻することなく、ギリギリのところで成立するのかを試しているかのようでもある。だとすれば、壮絶な闘いだ。
[10月4日(金) 村田真]

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  旅譚
  10/4〜20 東京藝術大学陳列館
 
 
今、ここにある風景
藝大陳列館を久しぶりに訪れると内部がすっきりと修復されていた。油絵科教員の小山穂太郎の企画というこの展覧会への出品者は藝大現役学生・院生、助手など油絵科とかかわりをもつ若手作家たち。写真、ビデオ、インスタレーション作品など絵画の作品はひとつもない。初日の午前だったので、まだ完全に展示が終了していなかったが、かえって面白いこともあった。通りから見える陳列館横で女性が地面に穴を掘っていた。作業着姿なら設営だと思えるが、スカートだし、おしゃれしているので、穴を掘ることがパフォーマンスのように見えた。後で聞くと、彼女のパフォーマンスは穴の中に入っていることだったそうだ。時間と空間の小旅行をしばし楽しんだ。
[10月4日(金) 原久子]

釜山ビエンナーレ現代美術展
藝大の学生や教官によるグループ展。地上から10センチほど足が浮いている人たちばかりを集めたそうだ。なるほど、明快な選択基準だ。一貫して「視覚のからくり」を追求している(らしい)秋廣誠の作品は、視神経ニューロンをむき出しにしたようなインスタレーションで、グロテスクな美しさをたたえている。改装のため壁の上のほうに取り残された扉に目をつけた横谷奈保は、古めかしい陳列館のパンドラの箱をのぞき見る楽しさがある。
[10月9日(水) 村田真]
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  12人の挑戦――大観から日比野まで
  10/5〜12/8 水戸芸術館現代美術センター[茨城]
 
 
細工・置物・つくりもの
日本から初めてヴェネツィア・ビエンナーレに出品したのは1952年。横山大観ほかが出品した。それから半世紀、昨年は逢坂恵理子(水戸芸術館芸術監督)が日本館のコミッティーを務めた。今回の展覧会は茨城県出身の大観ほか、今日までこのビエンナーレに出品した茨城ゆかりの作家たち12名の作品で構成。東京出身だが守谷在住の宮島達男、筑波大出身の畠山直哉、元筑波大教員の山口勝弘、藝大取手学舎で教鞭をとる日比野克彦など……茨城県との関係についてはやや強引な持っていき方かとも思われた。当時大観が出品した宮内庁に納めていた二幅の水墨画(掛け軸)の大作を観ると、今の日本館と違ってヴェネツィアに出るということは「お国」を背負っていたのだということがよくわかる。
[10月4日(金) 原久子]

1952年の横山大観から昨年の畠山直哉まで、ヴェネツィア・ビエンナーレに出品した茨城県ゆかりの作家12人を集めたもの。いずれもヴェネツィアに出したという共通点だけで、相互につながりがあるわけではない。その意味では単なる寄せ集めにすぎないともいえるが、逆にここから、この半世紀間に日本が海外に見せたかった日本美術のイメージが浮かび上がるかもしれない。たしかにそれは浮かび上がった。それは50年代の大観をはじめ、60年代の山口勝弘、70年代の田中信太郎、80年代の川俣正、90年代の日比野克彦や宮島達男と、名前を列挙するだけで十分なほど。むしろこれら作家同士、作品相互の落差を楽しむべきかもしれない。でも本当のねらいは、いかに茨城県が国際的なアーティストを生み出しているかをアピールしたかっただけだったりして。
[10月4日(金) 村田真]
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  クリテリオム51 青木陵子
  10/5〜11/4 水戸芸術館現代美術センター
 
 
今、ここにある風景
若手アーティストを個展形式で紹介してゆくクリテリオム。青木陵子は想像の連鎖をもとにドローイングを描いていた。
[10月4日(金) 原久子]
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小倉遊亀展
  8/20〜10/6 東京国立近代美術館
 
  安井曽太郎が「日本的洋画」だとすれば、遊亀ちゃんは「日本的洋画的日本画」といえるかもしれない。日本画には珍しく望遠で全画面に焦点を合わせた《苺》をはじめ、曽太郎くんの《金蓉》を髣髴させる《O夫人坐像》、主題も構成も色彩もモダンな《コーちゃんの休日》や《兄妹》など、なぜ洋画家にならなかったんだろう。つくづく惜しまれる。
[10月5日(土) 村田真]
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