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展覧会レビュー

村田真 原久子

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  1/11〜2/1 TWINSPACE GALLERY[大阪]
 
 
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4人の若いアーティストたちは、そのうちのひとりを介して出会った。その人がこの展覧会の言い出しっぺ。何もしなければ出会うこともない人。こいつとこいつを同じ展覧会で出会わせたら面白いことに発展するんじゃないか、そんな予感を感じたのだろう。一人ひとり、各々何考えているだ、と思わせる個性がある。この「error」展に関して言えば、成功だったかどうか、結果は未だ出ていない気がする。だけど次が観てみたい、別にこの組み合わせでなくても個別でもいいから。
[1月11日(土) 原久子]
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  第1回府中ビエンナーレ「ダブル・リアリティ」
  11/16〜1/19 府中市美術館[東京]
 
 
「ダブル・リアリティ」
首都圏郊外の中規模な公立美術館にふさわしく、破綻のない優等生的な展覧会。斎藤美奈子、佐藤尉隆、曽谷朝絵、太郎千恵蔵といった顔ぶれはまっとうだし、作品も眞島竜男(ビデオの貸し出しと最終パーティーの企画)は見てないので別にして、絵画を中心に写真、メディアアート、インスタレーションとまんべんなく取りそろえ、それなりに楽しめる。ぜんぜん悪くないんだけど、なにか物足りない。このないものねだりのやるせない不満はきっと、にこちゃんとその母を連れていたからに違いない。そのあと多摩動物園に行きました。
[1月12日(日) 村田真]
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千葉鉄也展「裏返しの鏡」
  1/14〜2/1 ギャルリー東京ユマニテ[東京]
 
 
千葉鉄也展「裏返しの鏡」
最近の千葉はイリュージョニズムをめぐる自家撞着を採集し、それを標本のように絵にしているみたいだ。奇妙にねじれたような形態や、円い穴を開けたようなイリュージョニスティックな画面があるかと思えば、3次元的イリュージョンをもたない構成、絵具を画面上で混ぜながらグラデーションしていく絵もある。共通するのはペタペタした筆触くらいか。いまどきこのような「テレピン中毒」がいるだけでうれしくなる。ちなみに展覧会名の「裏返しの鏡」とは、物理的に鏡を裏返せばイリュージョンもへったくれもなくなる、という意味ではなく、もともと鏡像は左右が裏返っているから、それをもういちど裏返したらイリュージョンといえるのか、という意味だろう。
[1月14日(火) 村田真]
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  CAP EXHIBITION「party」
  1/15〜2/24 CAP HOUSE[神戸]
 
 
「party」展より、たかいちとしふみ作品
「party」展より、日野貴行「スキーマン」
「いつも心にwelcome」
上 たかいちとしふみ
下 日野貴行「スキーマン」
総勢35名が出品したparty展。CAP HOUSEという4フロアから成るアートセンターの非常用階段など全館隅々まで使って展示が行われている。建物の空間の面白さに興味をもったアーティストや、建物が元来は海外へ移民として旅立つ人々の研修施設として設立されたという歴史に興味を持つアーティストなど、皆どんどんやる気を起こしてしまい、いつの間にやら大がかりな展覧会になっていた。酸素ボンベや自分の体温まで作品の素材にしてしまうベテラン・アーティストの村岡三郎の展示があるかと思うと、まだ作品をつくりはじめて日の浅い20歳代のアーティストも作品を並べている。同じ関西を拠点にしていても、いっしょに展覧会をすることなどないだろう、といった組み合わせもまた妙だが大勢のアーティストたちが集い、オープニング・パーティも夜更けまで盛り上がっていた。
[1月15日(水) 原久子]
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  現代美術への視点「連続と侵犯」
1/16〜3/23 国立国際美術館[大阪]
 
  東京展をすでに観ていたが、建物の構造の違いからこうなったのか、会場構成がまったく異なる。カバコフの天使は中庭に塀がつくられてその中に倒れているし。東京会場に合わせて作品をつくっていた青木淳は、大阪ではその一部を用いて、空間を裏返しにしたような作品に変えてしまった。ジュリアン・オピーは、エントランスのガラス扉に熱帯魚のシールを張り、シールのついた扉と扉の間にいると水槽のなかに閉じ込められたような状態になる。キャンディス・ブレイツ《4つのデュエット》が2つ減らされて「2つのデュエット」になってしまっていたのが残念だった。
[1月15日(水) 原久子]
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  "greenfinger" 2003 松井智惠展
  1/13〜25 信濃橋画廊エプロン[大阪]
 
  松井から「緑の指」の話を以前に聞いたことがある。ドゥローイングを中心としたこの展覧会のタイトルは"greenfinger"。緑の指は、いわば植物の芽のようなもの。可能性をたくさん秘めていて、緑の指はいろんなことをしでかしてゆく。ドゥローイング1枚1枚にも、そして全体にもファンタジックな世界が繰り広げられていた。
[1月16日(木) 原久子]
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  ヴォルフガング・ライプ
  1/18〜3/9 東京国立近代美術館[東京]
 
 
ヴォルフガング・ライプ
おなじみ花粉によるインスタレーションのほか、薄くて四角い大理石に牛乳を流し込んだ《ミルク・ストーン》、家型の大理石のまわりに米を配した《ライス・ハウス》などの代表作が並ぶ。講演も聴いた。大学で医学を学び、若いときにインドに傾倒したという。いかにもな。経歴だけでなく、菜食主義者らしい痩身や短く刈り上げた髪、物静かな語り口、質素な身なりなど、本人の人となりと作品イメージとがぴったり重なる。ぴったりしすぎて胡散臭いほど。そういえばジミー大西も本人と作品が一致してたっけ。
[1月17日(金) 村田真]
 
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