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展覧会レビュー

村田真 原久子

藤幡正樹 Field-Works
  3/31〜4/26 art space kimura ASK?[東京]
 
 
藤幡正樹 Field-Works
南天子画廊の上階に新しくできた画廊を初訪問。これもなんだかよくわからないが、このわからなさが野村のわからなさとは別のわからなさであることだけはよくわかる。つまり、ぼくが単に機械オンチなだけなのだ。どうやらカーナビの技術とビデオカメラを併用して、宍道湖を船で航行した軌跡をデジタルに描き、それを3D画像に再現したものらしい。だからなんだといってみたくもなるが、でもこれって単純におもしろいかも。
[4月3日(木) 村田真]
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  岡本敦生展
  3/31〜4/12 ギャラリー山口[東京]
 
 
岡本敦生展
大きな石のかたまりを50個に分割し、それぞれ世界各地の受け入れ先に「里子」に出す。数年後、それを送り返してもらってもういちどかたまりに組み立てたもの。石の分割線が亀甲にも見えるので、タイトルは「World Turtle Project」。海のなかに置かれて苔のはえたものや、雨ざらしにされて茶色くなったものなど、白御影石の変色ぐあいが旅の遍歴を物語っている。いくつか返ってこない破片もあって、その部分は穴があいてるのもリアルだ。
[4月3日(木) 村田真]
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NICAF 2003
  4/4〜7 東京国際フォーラム展示ホール[東京]
 
 
NICAF 2003
「世界の新しい美術運動に身を投じ、制作の場と活動の場所を海外におき、そこで評価を受けた画家たち(海を渡った画家たち)を紹介して」いる海画廊をはじめ、知らない画廊が半分近くもあって愕然。ところでカタログの表紙には「ArtToday JAPAN」とあるけど、いつから改称したんだ?
[4月3日(木) 村田真]
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アジアの世紀の始まりに PART3 中国と韓国の現代彫刻
  4/2〜20 海岸通ギャラリー・CASO[大阪]
 
 
アジアの世紀の始まりに PART3 中国と韓国の現代彫刻 アジアの世紀の始まりに PART3 中国と韓国の現代彫刻
日本にはありそうでない作品。アーティストがどこの出身なのかを明かさねばどの人が韓国、どの人が中国で生まれ育ったのか、文化的背景が一見してはわからない。でも一つひとつ何故その作品があるのかを検証してゆくと、「何故」の部分に秘められたものがある。
[4月3日(水) 原久子]
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前川知美展
4/4〜26 オオタファインアーツ[東京]
杉本博司 森万里子 束芋展
4/4〜5/31 ギャラリー小柳ビューイングルーム[東京]
長谷川純 ポール・モリソン アレッサンドロ・ラホ
4/4〜26 タロウナスギャラリー[東京]
強制再起動
4/4〜5/31 レントゲンヴェルケ[東京]
キャメロン・マーティン
4/4〜26 ギャラリーミンミン[東京]
 
 
強制再起動
六本木・芋洗坂の築37年のビルに5軒の画廊が同時オープン。全部まとめて見られるし、なによりうちから歩いて3分の距離にあるのがうれしい。こりゃ便利。でもぐるっとひとまわりしただけではどこも似たり寄ったりで、あまり区別がつかない。10年も通えば覚えるだろう。それにしてもレントゲンの「強制再起動」というタイトルがすごい。引っ越し4度、改名3度の実感がこもってる。
[4月4日(金) 村田真]

(前川知美展)
飛行機が空を飛ぶ絵を描いていた前川。飛んでいる瞬間の飛行機はとても無機質な存在だったが、モティーフが飛行機から昆虫にかわり、有機物になったせいで、絵が随分と変わった。描かれた傷付いた身体などを観ていると、生命をもつものの弱さやはかなさより何故か強さを感じた。
[4月9日(水) 原久子]
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澤登恭子展
  3/17〜4/24 CAS[大阪]
 
  桜の花びらがぷっくら丸みをおびた花びらをもつ。円形に敷き詰められた花びらに見えたものは蝋の欠片だった。蝋燭に火をともした時に芯の周囲の蝋が溶けるが、指先にその部分の蝋をつけては固まったものを剥がしていく。展示室に投影されている映像ではアーティスト本人が指先を蝋につけては剥がす行為を繰り返している。少しは熱いはずなので、身を呈している感じがマゾっぽい。
[4月5日(土) 原久子]
 
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渡辺智子展
  4/7〜12  ギャラリー白[大阪]
 
  実家にあった古い布をコラージュなどし、そこに部分的にペインティングしていった作品は、他人の私にも懐かしさを感じさせる。着物に袖を通した人と作家との関係やさまざまな物語を背景にもち、そして、当事者しか知らない実話以外に、いつの間にかどんどんストーリーをつくってゆく。
[4月7日(月) 原久子]
 
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フェルメールとオランダのインテリア
  2/19〜5/18 プラド美術館[マドリッド]
 
 
フェルメールとオランダのインテリア
突然マドリッドに来ました。目的はもちろん、この「フェルメール展」を見るため。昨夜遅くプエルタ・デル・ソル近くのホテルに到着。今朝8時に出てぷらぷら歩いてプラドに着いたのが8時20分。事前にウェブサイトで調べたら、予約・前売はなく当日券のみで、開館30分前から人が並び始めると書いてあったので40分前に行ったのだが、だれもいない。たくさん並んでるのもいやだが、だれも並んでないのも心細いものだ。一番乗りで入ってまっすぐ「フェルメール展」会場へ。おーあるある。《真珠の首飾り》《水差しを持つ女》《窓辺で手紙を読む女》《絵画芸術の寓意》などフェルメールが9点。ほかにテル・ボルフ、ヘラルト・ダウ、ファン・ミーリスなど、同時代の風俗画ばかり計41点。フェルメールといえばほとんどが室内画だから、「オランダのインテリア」なんてテーマはフェルメールを集めるための単なる口実だろうと思ったら、違うんだなこれが。
実に多くの発見があった。たとえば、これらの絵に繰り返し現われるものがいくつかある。豪華な刺繍のカーテンやテーブルクロス、壁にかかる絵や鏡、ヴァージナルやリュートなどの楽器だ。それぞれに意味が込められているのだがそれはさておき、当時のオランダでは絵が家具調度品として売買されていたといわれるように、これらはすべて室内装飾の一部であり、値段的にもどれもそう変わらなかったのではないか(つまり絵が相対的に安かった)。そして絵と鏡だけがみずからを含めてこれらすべてを映し出し、絵のみがそれを未来(つまり現在)にとどめている。そう考えると、これらの絵を美術館のなかで見ることに違和感を覚え始める。そう、これらの絵はそこに描かれたような「オランダのインテリア」のなかで、「オランダのインテリア」として見られるべきものなのだ。「オランダのインテリア」に絵が入り込み、「オランダのインテリア」が絵に映り込む、この相互入れ子構造。なんてことを考えたりもしましたが、いちばんうれしかったのは、信じがたいことに《絵画芸術の寓意》をだれにもじゃまされずに10分近くひとりじめできたこと。単なるミーハーだね。
[4月8日(火) 村田真]
 
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