ワークショップ開催レポート

ビジュアルで発想するワークショップ

2015年2月21日(土) EDITORY 神保町にて、「『嬉しい体験、描いてみよう!』童心に戻って自由に絵を描きアイデア発想するワークショップ」と題して、日本たばこ産業 川内祥平さん、日立製作所 石橋康大さん、HCD-net認定人間中心設計専門家 佐藤史さん、DNPサービスデザイン・ラボ 松尾の4名でワークショップを開催しましたので、レポートします。

最近、会議の議事内容をグラフィックレコーディングで即時的に可視化したり、複雑で大量のデータを人にわかりやすく伝えるためにインフォグラフィックスで表現したりと、ビジュアライズの手法が注目されています。「整理する・伝える」ためのビジュアライズだけでなく、ビジュアライズした絵を起点に「新たな発想や気付きを得る」方法やステップが模索できないかと考えました。

■間違った解釈OK!絵から読み取れるうれしいポイント

今回のワークでは3つのルールを意識してもらいました。
①難しいことは考えないで「思い切り描く」
②下手だから絵は描けないと思っている「自分の殻を破る」
③そして最後は、子供に戻ったように「Playful」で!

このルールの元、アイスブレイク「30 circles challenge」で絵を描くことへの抵抗をなくしてから、グループワークをスタートしました。

【Work1】「最近、人からしてもらってうれしかったこと」を絵で描いてみよう!

大量のA4用紙、クレヨンやクーピーなど様々な文房具を用意し、最近身近にあったうれしかったシーンを自由に描いてもらいました。

Work1_1

描いた絵をグループ内で共有しますが、共有のやり方に工夫を施しました。

描いた本人は正解を言わず、グループの他の人が絵を見て「もしかして、○○が△△になってうれしかったの?」と正解を当て合います。

例えば下の絵、サーバーエンジニアの方の最近うれしかったシーンで「入社して初めて、クライアントから受注して自社のサーバーを導入した」そうです。しかしグループの他の人は「ビール1ケースもらってうれしかったの?」「数百万円の高価なプレゼントをもらったの?」「お城のプラモデルを作ってあげたらお金をもらったの?」など、この絵1枚から様々な読み取り方をされていました。

Work1_2

他の人が解釈したうれしいシーンは、正解ではないけれど、うれしいシーンであることは間違いないため、次のWork2に活かしました。

【Work2】なぜを繰り返し、うれしかった本質を探ろう!

Work1で描いてもらったうれしいシーンと、他の人が間違って解釈したうれしいシーンを一覧し、「なぜ?」を繰り返しながらうれしかった本質を探ってもらいました。
先程の「サーバーを導入したシーン」からは、“長い間努力した後の達成感”、間違った解釈の「ビールを1ケースもらったシーン」からは“大量の贈り物を別の誰かにお裾分けできる”というポイントをそれぞれ抽出することができました。

Work2

■自由に描きながら発想するための工夫

【Work3】東京をうれしい体験であふれる街にデザインしよう!

Work2で抽出したうれしいポイントを使って、最後のワークを行いました。自分たちが住んでいる東京をもっとうれしい体験であふれる街にするため、東京の現状の写真を見ながら新しいアイデアを描いてもらいました。そのうれしい体験を叶えるためには、新しいサービス、プロダクト、もしかしたら新しいマナー、ルールのアイデアかもしれません。

最後は、模造紙とペンを用意するだけでなく、2つの工夫を施しました。

Work3_1<工夫1:絵で立体表現は難しいため様々な白い立体キャンバスを用意>

Work3_2<工夫2:発想を刺激するためにビジュアルヒントカードを用意>

自由に発想していただいた結果、うれしい体験であふれる東京のコンセプトが3つ提案されました。

Work3_3「食・恋・癒やし…、色々な既成概念を壊してくれる妄想交番」
「乗り換え・満員電車はアトラクション!毎日が楽しくなる鉄道」
「夜の図書館は恥ずかしがり屋のオトナのための出会いの場」

まだまだ方法やステップに課題はありますが、1枚の絵を多様な人の視点で視ることで様々な解釈が生まれること、また描いた本人が意図していなかった解釈が発想の起点に活かせることもわかりました。
参加いただいた皆様、ありがとうございました。

【おまけ】本イベントが開催された経緯

2014年11月8日にEDITORY 神保町で開催されたタキザワケイタさん主催の「Co-creation レゴで企画をつくる!ワークショップ」に松尾が参加しました。グループワークでコンペをした結果、優勝し、賞品として「EDITORYでイベントを開催できる権利」をいただきました。そのグループワークのメンバーで今回の「ビジュアルで発想するワークショプ」を主催しました。

Bonus_1左から、日本たばこ産業 川内祥平さん、日立製作所 石橋康大さん、
HCD-net認定人間中心設計専門家 佐藤史さん、DNPサービスデザイン・ラボ 松尾

タキザワケイタさんのワークショップで、発想ツールとしてのレゴの特徴や抽象的な課題に対してレゴを使う際の効果を体感しながら学び、その学んだ要素を今回の“絵を描く”行為にも活かしてみました。

Bonus_2タキザワさんの資料から抜粋

(松尾)

(敬称略)