セミナー参加レポート

OpenCU Konashi-Make-a-thon2

-Challenge to Maker Faire Tokyo 2013-


2013年10月12日、27日にロフトワーク株式会社が運営するOpenCU(Open Creative University)セミナーにて、Konashi-Make-a-thon 2 Challenge to Maker Faire Tokyo 2013-が開催されました。

Konashi-Make-a-thonは、iPhone、iPadなど、スマートフォン/タブレット端末向けアーティスト・デザイナー・エンジニア向けのフィジカルコンピューティング・ツールキット「konashi」を用いた半ワークショップ/半ハッカソンのイベントです。第2回目となる今回は、年に1度開催される国内のMakersの祭典「Maker Faire Tokyo 2013」へのチャレンジを目標に様々なメンバーが集まってアイデアプロダクトを生み出しました。このイベントに、サービスデザイン・ラボの小田も参加してきましたのでレポートします。

今回のテーマは「スマートフォンと連携するガジェットで生活をユカイにするにはどうすればよいか?」。著書『Prototyping Lab』で知られるIAMASの小林茂准教授と「konashi」開発元であるユカイ工学株式会社の松村礼央主任研究員をアドバイザーに迎え、参加者が一丸となってアイデア創出〜プロトタイプ開発に取り組みました。


実際のワークの様子は後半で紹介しますが、本イベントで特徴的だった点を2つご紹介したいと思います。

1つ目は、アイディエーションで用いられたIAMAS独自手法のアイデアスケッチングについて。この手法はメンバーから発案される多様なアイデアを統一された視点で評価する点でチーム内の意思決定がしやすい他、初期段階から完成イメージを共有することでプロトタイプ開発がしやすくなるといったメリットがあります。
以下は補足となりますが、アイディエーションでは、まず、プロダクトを生み出す上で重要なcontextとなる「誰が」・「いつ」というターゲットをマトリクス手法で決定します。その後、前述のアイデアスケッチ手法で、アイデアの発案と評価をしました。

2つ目は、プロトタイプ開発で利用した様々なツールについて。今回の主題でもあるフィジカルコンピューティング・ツールキット「konashi」だけでなく、FabCafeに設置されている3Dプリンタやレーザーカッターといった各種デジタルファブリケーションのツールを利用しました。実際にワークショップで触れてみて従来の専門ツールと比べて利用の障壁がかなり低いことが印象的でした。これらは、短期間での開発と検証をする上で有力なツール群として高く注目されており、各種製造業のオープン化という新たな在り方で活性化しているメイカームーブメントの土台でもあります。柔軟に使いこなすにはノウハウやテクニックが必要なものの、複雑な製作への適用や大規模開発との連動など、今後の発展に注目したいと感じました。


ここからは、私が参加したチームのワークの様子をご紹介します。


■初日

様々なスキルを持ったメンバーが集まってワークを開始します。

Service Design Club 1チーム5〜6人でワーク開始


まずは、アイデアスケッチングのプロセス。前述の手法でアイデアを発案します。各自がシートにアイデアを記載したら、壁一面に全てのアイデアを貼り、これから作るべきプロダクトを投票で1つ選びます。

Service Design Club アイデアスケッチ


次に、今回使うフィジカルコンピューティング・ツールキット「konashi」を使ったエクササイズ。サンプルを動かしながら機能や特徴を把握していきます。

Service Design Club 「konashi」 とGROVEシールド

Service Design Club サンプルを確認中


その後、ハードウェアスケッチングと呼ぶ手法でプロトタイプ開発を開始します。最初にダーティーモデリングを行います。紙やヒモ、ウレタン等を使って簡易工作をしながら、アイデアスケッチで発案したアイデアを形におこします。実際に具現化されたときのサイズ・形状や必要な機能などをチームで確認しながらプロトタイピングを進めます。

Service Design Club ダーティーモデリング

初日の最後は、全員の前でプレゼンテーションを行いフィードバックを得た後、2日目のワークに向けて材料の調達・設計、個人タスクなどのチームミーティングを行いました。


■2日目のワーク開始

前日までに各メンバーで準備した基本実装や各パーツを持ち寄って、プロトタイプ開発を進めます。「konashi」を利用したハードウェア部分の統合作業やアプリケーション開発を行います。プロダクトの動作確認が取れたら外装やGUIなどのブラッシュアップを行います。私の参加したチームでは、FabCafeに設置されているで3Dプリンタを利用して外装パーツを製作しました。

Service Design Club 3Dプリンタによる外装の製作

Service Design Club プロトタイプ開発

最終的に完成したアイデアプロダクトは「アイカイロ」。SNSと連動したデジタルガジェットで家族・恋人からのメッセージの内容に反応して発熱する電子カイロデバイスです。メッセージに含まれるワードによって4段階にデバイスの温度が変化します。デジタルのメッセージをフィジカルな熱に変換してコミュニケーションするデバイスを開発しました。

Service Design Club 「アイカイロ」概要

Service Design Club 「アイカイロ」実物

最後に全員の前で完成したプロトタイプのデモンストレーションを交えた発表を行いました。今回のテーマである「スマートフォンと連携するガジェットで生活をユカイにするにはどうすればよいか?」という視点で参加者の皆さんから色々なコメントを頂いて、本ワークショップは終了しました。

各チームが開発したアイデアプロダクトは、11月3日、4日に日本科学未来館で開催されたMaker Faire Tokyo 2013に出展して、一般来場者の方にご紹介しました。

Service Design Club Maker Faire Tokyo 2013での出展の様子
(ユカイ工学株式会社展示ブースにて)

今回、OpenCUセミナーにてMakersを体験しましたが、実際に手を動かしながら短期間でアイデアが具現化されていくスピード感という刺激的な経験をすることができました。
サービスデザイン・ラボでは、今後もサービスアイデアの創出からプロトタイピングまでの様々な研究活動に取り組んでいきます。

(小田)

(敬称略)