セミナー参加レポート

Service Design Global Conference 2013

2013年11月にService Design Network(SDN)が主催する国際学会「Service Design Global Conference 2013」が英国のCardiffにて開催されました。
2008年に設立されたSDNは、アカデミック、ビジネス、エージェンシーの3者で構成される、サービスデザインの科学的な知識と実践の発展に寄与する活動に取り組む国際非営利団体です。今年で第6回目となるカンファレンスに、SDLメンバーも参加してきましたので、今回はその内容をレポートします。

11月19日、20日の2日にわたって、世界各国のSDN加盟者の他、様々な分野でサービスデザインに関心を持つ参加者が集まりました。2013年にSDN Japanが設立された経緯もあり、全体で500名を超える出席者の中には日本の企業や大学からの出席者も多く見受けられ、サービスデザインの関心が高まっていることを実感しました。

sdnc13Image Wales Millennium Centre(カンファレンス会場)

今年のカンファレンスは「Transformation」をテーマに開催されました。オープニング後に登壇したRoyal College of Art(RCA)のNick Leon氏の基調講演では、現在の経済動向や社会課題の中でサービスデザインが企業や社会の変革を率先して導く重要な役割を担っていると述べられ、様々な領域でのサービスデザインの適用事例が紹介されました。
初日の基調講演に加え、2日目には、参加企業や研究機関からの事例紹介や方法論が発表された他、サービスデザインを実際に体験するワークショップのプログラムも開催されました。以下に、いくつかの講演を紹介します。

英国政府のThe Government Digital Serviceの講演では公共事業におけるサービスデザインの取り組みが紹介されました。公共サービスの政策としてサービスデザインの適用を宣言してデジタルプラットフォーム化を推進しており、Driver and Vehicle Licensing Agency(DVLA)の取り組みを始め、実際に25の公共サービスが実践されていることが報告されました。

また、Big Dataやオムニチャネル、あるいはIoTといったテクノロジー分野と関連させた講演もいくつか見受けられました。例えば、Forrester ResearchのKerry Bodine氏は、Big Dataとサービスデザインで得られる質的データとの相互作用について述べ、蓄積されたデータ総量だけでは分からない関係性を見出すことでビジネスの機会が得られると述べていました。

代表的なデザインエージェンシーからは、サービスデザインの方法論の発展や、ビジネスにおける具体的な成果が発表されました。例えば、IDEOは従来の共創ワークショップを発展させて、実際の生活や店舗の環境の中でデザインプロセスを実践する方法論を提唱し、Engineからは自動車ビジネスや空港サービスのプロジェクトで顧客満足度向上、収益や利用者数の増加といった具体的成果が得られていることが紹介されました。

その他、ジャーニーマップ等のツールに関する研究や、サービスデザインとビジネスアーキテクチャーを組み合わせたデザインの方法論が紹介される講演などにも参加できました。

今回、カンファレンスに参加して学際的あるいは包括的といったサービスデザインの特徴を改めて実感しました。世界中の様々な分野の人々のサービスデザインの捉えかたや議論を経験したことで、SDLでのサービスデザインの取り組みを俯瞰して整理することができたと感じています。

Service Design Networkに興味のある方は、以下の関連リンクをご覧下さい。


(敬称略)