講演レポート

NICT/TCC共催「デザイン思考が切り拓くIoT活用によるビジネス革新と価値創造 〜求められる新しい発想と開発手法〜

 2017年1月13日(金)に一橋大学一橋講堂にて、IoTセミナー「デザイン思考が切り拓くIoT活用によるビジネス革新と価値創造」が開催されました。(主催:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)、後援:スマートIoT推進フォーラム)本セミナーにサービスデザイン・ラボの山口が登壇し、「サービスデザインを活用したイノベーション創出」をテーマに講演しました。

ServDes2016_01 講演の様子

ServDes2016_04会場の様子

■講演内容

 講演では、まずビジネスを取り巻く社会背景について紹介し、「ブレイクスル-するビジネスアイデアを産み出すには何をすればいいのか?」についてお話ししました。近年、さまざまな技術革新によって便利な製品・サービスが世の中に溢れ、良いモノを作っただけでは選ばれにくい時代になりました。また昨今は、UberのようにIoTを駆使して異業種のサービス企業が参入し、既存市場へビジネスインパクトを与えるなど、市場競争はより激しくなっています。

 このような社会背景の中、競争の基本が「製品自体(モノ)」から「製品を拡張させたサービスの提供(どんなコトを得られるか)」へ変化しています。現時点では各企業が自社製品のサービス化を図り、顧客価値を高める取組みをしていますが、今後は複数企業が連携する包括的な取組みとなり、より複合的なシステムとして価値を提供していくことが予想されます。

 そこで有効なアプローチとして私たちが取り組んでいるのが、サービスデザインです。顧客にとっての体験価値を重視しながら、事業機会を創出していく方法で、新たな価値を生み出すために多様なメンバーを集めて共創型で進めていく点が特徴です。IoT技術の進化に伴い、データを活用したさまざまな可能性が広がりつつありますが、重要なのは「どんなテクノロジーを使うか」ではなく「どんな価値をつくるか」です。IoTとサービスデザインを組み合わせて活用することで、創り出すべき価値とその実現方法を具体化し、新たな価値創造へつなげることができます。今回はそのような価値創造の可能性について、事例を交えてご紹介しました。

■所感

 今回のセミナーは340名を超える方々が参加されており、IoT、デザイン思考に対する関心の高さを感じました。講演後のパネルディスカッションでは、組織にどうデザイン思考を根付かせていくか、共創型ビジネスにおけるマネタイズの方法などについて意見交換が行われました。各企業の取り組み状況や参加者の課題・関心対象を聞き、デザイン思考の活用領域が「価値自体の創造」から、「価値を生み出し続ける組織の創造」へ広がってきたように改めて感じました。私たちもサービスデザインを活用したイノベーション創造に、引き続き取り組んでいきたいと思います。

(菅野)