COMMUNICATIONS
ワークショップ開催レポート
サービスデザイン倶楽部 [ Vol.2 Acting Out ]

概要
我々「サービスデザイン・ラボ」と、株式会社ロフトワークの社内活動がコラボレーション。
組織をこえて学ぶ・実践するコミュニティ“サービスデザイン倶楽部”というオンラインコミュニティを立ち上げ、月1回のペースでイベント(講演とワークショップ)を実施しています。
全4回を予定しており、第3回目を2013年11月8日(金)に実施しましたので、一部始終をご覧ください。
今回のテーマは「アクティングアウト」。
“アクティングアウト”
ユーザー体験を演技で表現することで、アイデアの評価・精緻化を繰り返していく、プロトタイピング手法です
前回は、「なぜなぜ5回」と「デスクトップウォークスルー」というサービスデザインツールを使ってサービスアイデアを創出しました。今回は、「アクティングアウト」を用いてサービスアイデアを精緻化していきました。
机上の空論からの脱却!
今回、精緻化するサービスアイデアは「靴の試し履き専門店」。
“周囲の目が気になってしまう人(ペルソナ)が、セルフで靴の試し履きをすることで(体験)、優雅な気分を味わいながら納得いく靴選びが出来る(欲求)!”という体験価値を叶えるために、必要な空間・プロダクトなどを精緻化していきました。
実際のワークでは3つのグループに分かれ、「1.現状の共有」、「2.課題抽出」、「3.解決アイデアを創出しながら、カタチにして確かめる」の3つのステップで進めていきました。
1. 現状の共有
まずは運営メンバーがペルソナと靴屋の店員に扮し、ペルソナの心のモヤモヤを表現しながら、現状の靴屋のサービス体験をアクティングアウトしました。ペルソナが現状どのような体験をしているのか、またその時どのような感情を抱いているのかを参加者全員で共有します。
2. 課題抽出
ここからグループごとに分かれ課題抽出です。体験価値を叶えるために、現状の靴屋のサービス体験では「どこがいけないのか?」、様々な視点で課題を洗い出しました。その中でも、大きな要因になっている課題を選定し、次のアイデア発想につなげます。
3. 解決アイデアを創出しながら、カタチにして確かめる
最後はサービスプロトタイピング。ここで大事なことは「しながら!」。前のステップで選定した課題を解決するアイデアを発想しながら、すぐさまカタチにして確かめます。
カタチにする方法は、人がモノに扮して演技するも良し、周辺にある家具で代用するも良し、画用紙とテープで張り付けるだけでも良し、一番簡単な方法で具現化します。
更には、カタチにしたモノが「本当にあり得るか?」、その場で検証していきます。あり得る場合は、更にアイデアを上乗せしていき、あり得ない場合は、良い部分だけを抽出して軌道修正のアイデアを発想します。
このように、アイデア発想とプロトタイピングを繰り返すことによって、サービスアイデアを精緻化していきました。
オープンイノベーション型による多様なアイデア創出
ここまででワークは終了。各グループで精緻化したサービスアイデアを、アクティングアウトを通して全員で共有しました。各グループのサービスアイデアは以下の通りです。
グループA
実際の着脱無く、簡単にフィット感を確かめられるVirtual試着室。
グループB
裸足で自分好みのフットケアを受けながら、優雅に靴選びができるリラクゼーションサロン型の靴屋。
グループC
カラオケBox感覚で、好みの雰囲気の個室で試着できる靴屋。
オープンイノベーション型でアイデアを発想することにより、同じコンセプトにも関わらず、まったく異なる意味転換を起こした靴屋のサービスアイデアが創出されました。
次回、最終回のテーマは「BluePrint」。これまで発想してきたアイデアをサービスブループリントに落とし込み、ビジネス視点で実現性を確かめます。お楽しみに!

抽出した課題の共有

思いついたアイデアはすぐにアクティングアウトで検証

左) グループA 主人公と向かい合って座ることにより鏡を表現
中) グループB 靴を脱いで、実際の状況をリアルに表現
右) グループC ホワイトボードでサイネージを表現