DNP×東京メトロ×LINE×アンドハンドPJチーム

助け合いのインフラ
「&HAND(アンドハンド)」
実現に向けた実証実験

背景

 &HANDは、SDL松尾が社外の異業種チームの一員として2つのアイデアソン「LINE BOT AWARDS」「Google Android Experiments OBJECT」に参加し、グランプリを取ったアイデアが元になっています。

 &HAND実現のため、ビジョンに共感したDNP有志メンバーでチームを結成。サービスモデル・ビジネスモデルの設計、経営層への上申を経て、東京地下鉄株式会社(以下:東京メトロ)、LINE株式会社(以下:LINE)、アンドハンドプロジェクトチームと連携しながら実証実験を進めていくことになりました。

 SDL松尾・鈴木が、サービスデザインによる新規事業開発やバリアフリー領域でのリサーチの知見をいかしながら、ニーズの探索、行動変容・体験価値の検証、サービス・ビジネスモデルの設計に取り組んでいます。

取り組み

 「&HAND」は、身体・精神的な不安や困難を抱えた人と手助けをしたい人とをコミュニケーションアプリ「LINE」などを活用してマッチングし、具体的な行動を後押ししていくサービスです。文部科学省の調査では、見知らぬ人や友人・知人が困っているときに手助けをしたいと思っている人は8~9割に上ります。しかし実際に行動に移すとなると「声をかけた相手がどう思うか気になる」「初対面また今後のの人には声をかけづらい」などのハードルが生じています。(参考:文部科学省「ボランティア活動を推進する社会的気運醸成に関する調査研究報告書」)

 また最近では、助けて欲しい人が近くにいるのに、スマートフォンに夢中になって気づかないという問題も出てきました。&HANDがサポートするのは、例えば

  • ・電車やバスでの移動に不安や困難を抱えている人たち
  • ・車内で立っているのがつらい妊婦や高齢者
  • ・人や障害物にぶつかって方向感覚を見失った視覚障害者
  • ・緊急時に音声アナウンスが聞こえず状況を把握するのが困難な聴覚障害者
  • ・ちょっとした段差や階段で経路の変更を余儀なくされる車椅子利用者
  • ・はじめての土地で道に迷いやすい訪日外国人

などです。

 LINEなどのライトなコミュニケーションを通じて、「助けてほしい側の意思表示」と「助ける側の心理的ハードルの軽減」をすることで、両者のフラットな助け合いを加速するインフラを構築したいと考えています。サービス業の人手不足、障がい者の社会進出、訪日外国人の増加などの社会環境の変化に伴い、スロープやエレベーター、案内板などハードの整備だけでなく、ソフトの観点からも助け合いの仕組みを構築・意識変容を促すことで、「やさしさからやさしさを生む社会」を目指しています。&HANDの構想を実現するため、以下2つを取り組みます。

取り組み1. 妊婦さんの困りごと解決(実証実験による行動変容、体験価値の検証)

 車内でスマホを見ていて妊婦の存在に気づかない乗客に対して、スマートフォンに「妊婦が近くにいる」ことを通知。立っているのがつらい妊婦さんと、席をゆずりたいと考える乗客をスムーズにマッチングする。そんなサービスの実証実験を12月に行います。

 実証実験にあたって、妊婦さんの抱える問題を明らかにするため、妊婦さんと席を譲る人双方の視点から席譲りのジャーニーマップを作成しました。このジャーニーマップをもとに、ペーパープロトタイプを作って検証しながら、実証実験のUXやUIをデザインしました。

席譲りのジャーニーマップ(左)席譲りのジャーニーマップ (右)プロトタイプを使った検証の様子

 今回の実証実験で検証したいことのひとつが、サポーターの行動変容です。

  • ・妊婦さんを助けたいと思うサポーターはいるのか
  • ・実際に困っている妊婦さんが近くにいることが分かったら行動に移せるのか
  • ・実際に行動をしたのはどのような人だったのか

など、実証実験に参加してもらい、インタビューを通じて、妊婦さんやサポーターの体験価値の仮説を検証します。

「#LINEで席ゆずり実験」 &HANDを使った実証実験のイメージ「#LINEで席ゆずり実験」 &HANDを使った実証実験のイメージ

実験の詳細はニュースリリースをご参照ください。
http://www.dnp.co.jp/news/10140694_2482.html

取り組み2. 視覚障がい者の困りごと解決(ニーズの探索)

 &HANDは障がい者のある方にも使いやすいサービスを目指しています。&HANDによってフラットな助け合いがあたりまえになることで、障がい者がより気軽に外出できる、自立しやすい社会の実現に貢献できるのではないかと考えています。障がいのある方に&HANDを使ってどのような形でサービスを提供するのが望ましいのか検証するために

  • ・視覚障がい者がどのような課題を感じ、どのようなサポートを求めているのか
  • ・対応している駅係員は現状どのようなサポートを行っているのか
  • ・どのような困りごとだったら、サポーターも助けやすいのか 、など

視覚障がい者の駅構内の移動を中心に“移動やお出かけ”における悩みやニーズをリサーチします。

&HAND今後の展開

 サービスアイデアの実証実験を通じて、持続可能なサービスモデルを設計していきます。今後、共に&HAND構想を推進いただける企業・団体を募集しています。

(敬称略)