メディアバリューレポート VOL.63「情報接触スタイルでとらえる、コミュニケーションの新潮流」断片化するメディア利用 コミュニケーションは「受信型」へ

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首都圏におけるスマートフォンの利用率は、2年間で約3倍の56.9%となった(「メディアバリュー研究」調べ)。スマートフォンの浸透とともに、生活者のメディアや情報との接点は様変わりし、待ち時間などスキマ時間での情報検索や、複数のメディアを併用する"ながら利用"など、多くのメディアについて「時間つぶし」で利用される割合が高まっている(図1)。買い物など目的があるときに情報に接するだけでなく、目的意識が低いなかで情報に触れる、情報との新しい関わり方が登場しているのだ。
今号では、メディア利用の進化とともに変容し続ける、生活者の新たな情報との関わり方をとらえる。

(図1)各メディアを「時間つぶし」に利用する割合の推移
(図1)各メディアを「時間つぶし」に利用する割合の推移

"メディア低関与派"に浸透する、メディア利用の断片化

日常的に利用するメディアの組み合わせによる生活者分類「情報接触スタイル2014※」でとらえると、スマートフォンの活用がソーシャルメディア派、リアル&スマホ派、ネット中心派を中心に広がっていることが顕著となった(図2)。また、それらのグループに次いで、メディア低関与派のスマートフォンの利用が6割を超えている。メディア低関与派は、マスメディアやペーパーメディア、PCからのインターネット利用など、多くのメディアの利用率が他のグループと比較して低いグループだが、スマートフォンでは音楽やゲームなどのコンテンツを楽しみ、情報発信には消極的なものの、ブログやSNSも利用。常日頃から情報を得るためにメディアを活用するのではなく、「時間つぶし」などその場の気分や状況に合わせて断片的にメディアと付き合う。また、ソーシャルメディア派はSNSでの情報発信に、リアル&スマホ派は生活のさまざまなシーンにスマートフォンを取り入れ、ショッピングまでをも「時間つぶし」の一部にして、"スマホのある暮らし"を楽しんでいる。ソーシャルメディア派やリアル&スマホ派は若者が中心だが、メディア低関与派は幅広い年代を含んでおり、拡大傾向にある。
「時間つぶし」や気分転換など、断片的にメディアが利用される機会が増えるなか、Twitterのつぶやきをリツイートしたり、Facebookで見かけたトピックスに"いいね!"をするなど、興味のある情報にのみ反応する、「受信型」の情報との関わり方が浸透しはじめているのだ。

(図2)情報接触スタイル2014
(図2)情報接触スタイル2014

各グループの詳細は、情報接触スタイル2014をご覧ください。

情報を「受信」する生活者との新たな出会いづくり

インターネット登場以降、新しいメディアを積極的に活用し、「情報を発信する生活者」との関係づくりが注目されてきた。一方、スマートフォンやウェアラブル端末の登場など、デバイスの進化が断片的なメディア利用を後押しするなかで、多くの生活者に拡大しているのが「受信型」のコミュニケーションだ。これまでアプローチが難しかった、メディアを利用することへの関心が低い生活者との接点が、デバイスの進化によって切り開かれたといえる。今後は、こうした「受信型」のコミュニケーションにおける、商品やサービスとの出会いづくりやその演出方法の進化が求められていく。

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マーケティングインサイト・ラボ 岩井 美樹
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