SNS活用ユーザーの積極的な購買行動

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LINE、FacebookといったSNSのユーザーが増加している。その中心は10代、20代の男女であるが、40代以上の中高年層にも広がりを見せている。このSNSユーザーの購買行動にはどのような特徴があるのだろうか。DNPの独自調査結果から見えてきたSNSを使いこなす人々の積極的な購買行動を紹介する。

若者のコミュニケーションの中心になりつつあるSNS

LINE、Facebook、Twitter、Instagramの代表的な4つのSNS利用状況について「使っていない」「使っている」「自分にとって欠かせない」の3段階で答えてもらい、利用状況を年代別(3分類)に見ると、①どのSNSでも若い年代ほど利用率(「自分にとって欠かせない」と「使っている」の割合の和)が上がる。②利用率を高い順に見ると、LINE、Twitter、Facebook、Instagramの順となる。これは「自分にとって欠かせない」のみの割合もほぼ同じである。
若年層のLINE利用者では、「自分にとって欠かせない」と答えている人の割合が半分近くとなり、家族や友人間のコミュニケーションに欠かせない手段となっている。

各種SNSの年代別活用度

お気に入り商品を繰り返し買いつつ、他の商品にもアンテナを張る

今回、「自分にとって欠かせない」と回答したSNSが2つ以上あったユーザーを「SNS活用ユーザー」と定義し、その購買行動の特徴を見た。
調査対象の9商品・サービス分野における買い物行動をSNS活用ユーザー若年(16歳~35歳)、SNS活用ユーザー中年(36歳~55歳)と全体平均とで比較すると、SNS活用ユーザー中年はいずれの商品・サービス分野でも「特に比較検討もせず毎回同じものを買う」で全体平均を上回った。同様に、「気に入ったものをみつけた時に衝動的に買う」でも9つの商品・サービス分野のすべてで、全体平均を上回った。この2つの行動は一見相反するように見えるが、お気に入りの商品・サービスを持ちつつ、他社の商品・サービスにもアンテナを張る活発な購買行動をとっていると考えられる。

分野別商品・サービスの購入行動1

(※)サンプルサイズは以下の通り
SNS活用ユーザー若年:n=75~83
SNS活用ユーザー中年:n=24~26
全体:n=1632~1886
(SNS活用ユーザー高年(56歳~79歳)はn=10~12とわずかなため、分析対象から外した。)

いつでもどこでも欲しいと思った時に買う

同様に、SNS活用ユーザーは若年、中年ともに「買う場所を選ばず買える時に買う」の設問の9商品・サービス分野のうち、8商品・サービス分野で全体平均を上回った。ここでいう「買う場所」とは、offlineの店舗に限らず、電車に乗っている時間にスマホショッピングなどonlineで買い物をすることも指していると考えられ、offline、onlineの購入チャネルを駆使していると考えられる。
同様にSNS活用ユーザーは「生活のスキマ時間を使って買う」でも全体平均を上回っている商品分野が多い。このことから、SNS活用ユーザーはいつでもネットにつながっていて、チャネルを上手に使いこなして買い物をする人たちであると考えられる。

分野別商品・サービスの購入行動2

以上、SNS活用ユーザーの購買行動を見てきたが、SNS活用ユーザーの特徴をまとめると、①いつでも好きな時にスマートフォンを駆使して買い物をし、②各商品・サービス分野でお気に入りの商品・サービスを持ちつつ、③他の商品・サービスもチェックする、などが挙げられる。これらを総合すると、SNS活用ユーザーは商品・サービスへの感度が高く、商品・サービスを選ぶ自分なりの視点を持つ生活者であることがうかがわれ、SNS上に広がる彼らの商品・サービスへの感想・評価はますます影響力を増していると考えられる。彼らの中心層は、現在では20代前後の若者であるが、今後30代、40代になっていった時、彼らが今の購買性向を持ち続けるのかどうか、さらに現状のSNSに代わる新たなサービスに移っていくのかなど今後の推移が注目される。


DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」
調査時期:2015年11月
調査対象者:各回ともに全国の16~79歳男女 2,600名
調査手法:インターネット調査

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マーケティングインサイト・ラボ 荒川 篤志