お中元・夏ギフトのトレンド2016

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お中元は日本の代表的な季節ギフトのひとつである。ただ、最近はお中元実施者の高年齢化が語られることも多い。お中元・夏ギフトの2014年、2015年の傾向から2016年の動向を探っていく。

ギフトのなかで大きな地位を占める「お中元・夏ギフト」

2015年の「お中元・夏ギフト」の実施率(贈った人の割合)は27.5%で、「誕生日のプレゼント」(38.3%)、「旅行のお土産」(29.1%)、「母の日のプレゼント」(28.7%)に次いで高い。2014年と比較すると、実施率は2014年の27.5%からほぼ横ばい、年齢別でみると、27.5%のうち、60代以上が半分超(2014年14.8%、2015年15.3%)を占め、実施者の高年齢化が進んでいる。

お中元・夏ギフトの実施率と年齢別内訳(2014年、2015年)

老若男女を問わず、贈る相手は家族親族が中心

「お中元・夏ギフト」を贈る相手として最も回答の多かったのは「その他の親族」(2015年46.9%)であった。これはたとえば「おじ、おば」「いとこ」「義理の兄弟・姉妹」「義理の甥・姪」など自分から少し遠い家族・親族があてはまる。
贈り手のライフステージ別に集計すると、独身者では友人、特に同性の友人に贈る人の割合がほかのライフステージより高い。結婚すると「その他の親族」、「兄弟姉妹、甥、姪」ほか家族親族が増え始め、子供が生まれると、「両親」、「義理の親」の割合が高くなる。さらに子供が大きくなり、孫ができると再び「その他の親族」、「兄弟姉妹、甥、姪」、「自分の子供」などが増え、ライフステージの変化とともに送る相手が変化している。
一方、家族以外では「職場の上司、同僚、取引先」が多く、全体の3位となっている。ただ、その割合は2014年の20.2%から2015年には18.0%へ低下している。ライフステージ別にみると子育て世代でお中元・夏ギフトを「職場の上司、同僚、取引先」に贈っている人が多い。
多くの場合、各種ギフトで返礼(お返し)が伴われていると考えられ、頂いたお祝いのお礼にお中元を贈るといった、ライフイベントに伴うお中元・夏ギフトがこのようなライフステージ別の差を生んでいると推察される。

お中元・夏ギフトを贈った相手(2015年)

※お中元・夏ギフト実施者を対象に集計、上位項目を抜粋

贈る商品は食べ物、飲み物が中心

贈った商品を見ると最も割合の高かったのは「スイーツ、和菓子」(29.0%)であった。以下、「ハム、ソーセージ、精肉などの肉類」(20.3%)、「ビール類(プレミアムビール以外)」(17.8%)など、食料品、飲み物が上位に並ぶ。
贈った相手別に商品内容を見ると、「職場の上司、同僚、取引先」では「ビール類」「コーヒー、紅茶、お茶」「プレミアムビール」など定番と言える食品飲料で高く、「有名店のお惣菜や食材」で低いなど、間違いのないように無難な商品を選んでいる様子がうかがわれる。一方、「兄弟姉妹、甥、姪」は「カニ、エビ、鮮魚などの魚介類」で高くなるなど、相手やその家族の好みを十分に知った上での商品選択がなされていることが見て取れる。

お中元・夏ギフトの商品内容(2015年)

※お中元・夏ギフト実施者を対象に集計、上位項目を抜粋

以上見てきたように、職場の上司や取引先に個人でお中元を贈っている人の割合は低下しており、これが若年層のお中元離れの実態といえる。その結果残ったものは家族、親族のギフトのやり取りが中心となってきている。実施者の年齢層が高いのは、贈る相手を見ると、自分の結婚、出産、子供の結婚など家族、親族の広がりとともにギフトのやり取りをする相手が増えるからと考えられる。その意味で、「お中元・夏ギフト」は廃れ行く古い風習と考えるよりも、家族の幸せの数だけ機会が増えていく普遍的なギフトと考えられる。


DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」
調査時期:2014年10月、2015年3月、2015年11月
調査対象者:各回ともに全国の16~79歳男女2,600名
調査手法:インターネット調査

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マーケティングインサイト・ラボ 荒川 篤志