レスポンスする消費が始まる

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DNP「メディアバリュー研究」の最新調査結果(2016年10月実施)をもとに、2017年の「生活者潮流」をとらえると、スマートフォンの浸透とともに注目されてきた断片的なコミュニケーションや情報収集の購買行動への影響がみえてきています。

周囲とつながり、手元に随時届けられるようになった情報に都度反応し、ふと検索した結果で行動を切り替える生活者に対応するマーケティングへの準備が、あらためて求められる1年となりそうです。

モバイルデバイスに集約される、暮らしの行動

生活者が情報収集で利用するメディアと買い物で利用するチャネル、それぞれ利用率の推移をみると、共通してモバイルデバイスからの利用が伸長し続けていますが、最新の調査結果ではネット系メディアへのパソコンからのアクセスはダウントレンドとなりました。スマートフォンの保有率が1年で7.1ポイント上昇し7割を超え、反対に保有率が低下したパソコンを上回るなど、暮らしを支えるツールとしてモバイルデバイスの存在感は増しています。

メディア利用率の推移〈速報〉

メディア利用率の推移<速報>

2016年は、スマートウオッチやスマートグラスなどのウエアラブル端末も多く登場しました。スマートフォンに限らず新たなツールの登場を背景に、移動中や隙間時間を自分の時間として活用したいという考えが広がり、さまざまなスタイルが生み出されています。そして、情報収集やエンターテインメントだけではなく買い物や生活に必要な手続きであってもモバイルデバイスですませることを前提とする暮らし方が定着してきています。

計画しない購買行動が広がる

最新の調査結果では、多くのチャネルで利用率が低下し、ネットショッピング以外で利用率を伸ばしたのはコンビニエンスストアと複合商業施設のみとなりました。ネットショッピングの利用が広がる中でも他のチャネルが合わせて利用されてきたこれまでとは異なる傾向となりました。

チャネル利用率の推移〈速報〉

チャネル利用率の推移<速報>

近年の傾向として、「定期的に行く」というお店の利用の仕方が低下する一方で、「つい行ってしまう」という利用の仕方が多くのチャネルで上昇しています。モバイルデバイスを通じて多様な情報に継続的に触れ、家族や仲間とも連絡を取りながら行動するようになった生活者は、予定や行動が状況に応じて切り替わっていくなかで、その瞬間に利用できるお店で買い物をするようになっています。

チャネルの利用目的の推移〈速報〉

チャネルの利用目的の推移<速報>
また、お店の利用の仕方では「あらかじめ決めたものを買う」といった行動も2014年以降継続的に上昇しています。店頭で回遊しながら買うものを発想するのではなく、スマートフォンなどで来店前に触れた情報をもとに来店し、すでにイメージしてきた商品を求める生活者の購買行動が見えてきています。


DNPメディアバリュー研究「コミュニケーション接点に関する調査」
調査時期: 毎年10月
調査対象者: 首都圏50km圏内在住
調査手法: 専門調査員による訪問留置調査法
※当記事では、2016年の15~69歳男女を対象に分析を実施しています。

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マーケティングインサイト・ラボ 福井 正子