シェアリングエコノミーを志向する8%の人々の意識

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インターネットが生活インフラとして定着する昨今において、ネットオークションなど個人同士の売買もすっかり当たり前の行為となりました。最近では売買だけではなく個人が保有する遊休資産の貸出しを仲介する「シェアリングサービス」が新しいビジネスとして成長しつつあります。この流れを支える人々の価値観の動きとして「無駄をはぶいたシンプルな生活」を求める傾向が、1996年:31%→2016年:39%(JNNデータバンク全国調査※1)と、この20年で8ポイント伸長しており、この間のTwitter、FacebookなどのSNSの普及が大きく寄与していると考えられます。

昨年11月実施のJNNデータバンク全国調査を用いた今回の分析では、「できるだけ無駄をはぶいたシンプルな生活がよいと思う」という意識をもち、かつLINE以外のいずれかのSNSを「よく利用している」生活者(15~69歳)を、シェアリングエコノミー志向の「シェア/ミニマリスト」と名付け、そのトレンドをまとめました。(「ライフスタイルトレンドレポート2017版※2」より)

ミニマリスト的価値観とソーシャルメディア利用による人々の分類


「シェア/ミニマリスト」は、リア充のデジタルネイティブ世代

性・年代構成をみると、男女とも20~30代の割合が高い傾向があり、また生活全般の満足度が高く、将来の見通しについても楽観的です。
他の属性項目では居住エリアは関東・甲信越が高く、職業は主婦、学生、有職では事務系が高くなっています。収入は若年層が中心ということもあり15~39万円台を中心に分布しています。また毎月のローン返済額については他のセグメントに比べると低く、デジタルネイティブ世代でやや恵まれたグループが中心になっているようです。

「シェア/ミニマリスト」の性年代、将来の見通し


「シェア/ミニマリスト」の価値観

自分自身の感性に自信を持ち自己に対するこだわりが強く、また上昇志向があり自己向上、経済的な豊かさを求めています。現状に縛られることを嫌い、自由でマイペースな生活を望んでいます。一方で家族を大切にする意識は高く、自身の生活の中心に考えています。

自分自身への自信 [単位:%]


自由への希求 [単位:%]


上昇志向 [単位:%]


家族志向 [単位:%]


「シェア/ミニマリスト」のモノの所有・購買行動

ものを保有することへのこだわりは低く、「有名メーカーやブランド」などの価値を評価することもあまりありません。使用時に便益性の高さが判断として優先する傾向にあると考えられます。使い易い、使うと楽しい、使うと便利、使うと時間・労働の節約になるなどの使用価値が優先されます。日常生活においては体験することに関心が高いため、体験させることが購買に対しての有効なコミュニケーションと考えられます。

保有への忌避 [単位:%]



「シェア/ミニマリスト」にとってのインターネット・メディア

インターネットでの情報収集は積極的に行いますが、情報収集、それ自体が目的のようで、直接の購買へ結びついているとは限りません。また、インターネットの生活の中での位置づけは高いものの、ネット上の情報には懐疑的な意識を持っており、スマホ依存への警戒感も高いようです。既存メデイアの接触は少なくなっているものの信頼度はあり、テレビなどのリーチは高くなっています。

ネット活用への背反二律 [単位:%]


テレビとの緩やかな親和 [単位:%]


まとめ

Japan-VALS™※3による先行尺度で今回の「シェア/ミニマリスト」をみると明らかに先行層であり、現在は8%の構成比ですが、今後は増加すると考えられます。彼らは価値観として既成の社会との関係とは別の関係を求めています。消費行動においては、モノの購入より体験や経験に優先順位があり、モノの購入・消費においては、人との関係性や消費・使用過程における価値を考慮した選択をする傾向にあります。

信頼できる人とのつながり、家族、リアルな友人、SNSにおいても互いに承認している相手など、承認し合う、共感し合う人間関係のつながりを求めており、単に組織に属するであるとか、単なる有名メーカー、ブランドのモノを持つということではなく、人が絡むストーリーがあることが価値であり、人を媒体とした記憶に残る充足感のある生活を求めているようです。商品・サービスおいてはスペックの優位性を伝える以上に「受容・消費シーンの文脈」と「何に共感」をするかを考慮しコンセプト開発・コミュニケーションを考えることが求められます。


※1 TBSテレビをキー局とする全国28社のテレビ局(JNN系列)が、毎年共同で行っている総合ライフスタイル調査です。調査対象は、北海道から沖縄にいたる全国の都市部に住む約7,400名の13歳~69歳一般男女。1971年の第1回調査以来、40年を超える歴史を持ち、膨大なライフスタイル項目について、他に例を見ない貴重な時系列データを蓄積しています。2014年より、札幌・首都圏・名古屋・関西・福岡の5地区は70~74歳が調査対象に加わりました。<参考URL>TBSテレビ「TBS生活者データ」:http://www.tbs.co.jp/research/、JDS「JNNデータバンク」:http://jds.ne.jp/datebase01.html
※2 JNNデータバンクでは毎年の調査結果概要を「ライフスタイルトレンドレポート」としてまとめており、今回のデータは2017年版の分析パートより、抜粋したものです。
※3 VALS™は、1980年代にSRIとスタンフォード大学、UCバークレーの共同で開発されました。外部からの影響を受けにくい個人の心理部分に注目して市場を区分したものです。Japan-VALS™は、日本市場に適応させたものです。生活者の消費行動のモチベーションを分類し、先行層を特定します。JNNデータバンクでは、2012年よりJapan-VALS™による市場分析ができるようになりました。Japan-VALS™の使用権は、ストラテジック・ビジネス・インサイツ Inc.に属します。


■記事提供元
社名: 株式会社ジェーディーエス
代表者: 代表取締役社長 鈴木 正光
所在地: 〒160-0004 東京都新宿区四谷2-11 龍文堂ビル4F
設立: 1973年4月1日
URL: http://jds.ne.jp/
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株式会社ジェーディーエス 企画開発部 新井 早智