家族を中心に回る2017年お歳暮のトレンド

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DNPで実施している2015年~2017年上期までの「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」の結果をもとに、2017年のお歳暮のトレンドについて考えていきます。

お歳暮実施者の割合は回復傾向

2016年の「お歳暮、冬ギフト」実施者の割合(実施率)は27.2%で、2015年の25.5%から1.7ポイントの上昇となった。
2016年のシーズンギフトは、年初から秋までは軒並み実施率が前年より低下していたが、11月以降の「七五三のお祝い」、「お歳暮、冬ギフト」「クリスマスのプレゼント」は実施率が上昇した。
2017年前半のシーズンギフトも引き続き上昇しているものが多いことや、株価上昇など経済環境の好循環を考えると、2017年のお歳暮実施率は昨年を上回る可能性が高い。

各種シーズンギフト実施率(2015年、2016年、2017年上半期比較)


お歳暮、冬ギフトは「気持ちを伝えるために贈る」

2016年の「お歳暮、冬ギフト」を贈る際の気持ちで最も多かった回答は「習慣で贈る」(43.5%)、次いで「気持ちを伝えるために贈る」(42.9%)であった。「習慣で贈る」は女性70代で50%を超えるなど、シニア層で多く見られた。一方、2015年からの変化で見ると最も変化幅の大きかったのは「気持ちを伝えるために贈る」(+15.4ポイント)、次いで「習慣で贈る」(+9.4ポイント)であった。
「気持ちを伝えるために贈る」は50代、60代というお歳暮実施者のボリュームゾーンで多く見られた。

お歳暮、冬ギフトを贈る際の気持ち(2015年、2016年比較)


贈る相手はより身近な親や子に

2016年の「お歳暮、冬ギフト」を贈った相手で最も多かったのは「兄弟姉妹、甥、姪」次いで「その他の親族」(いとこなど)、「両親」などで、2015年と順番はほとんど変わらなかったが、「兄弟姉妹、甥、姪」や「その他の親族」は低下し、「両親」「義理の親、義理の祖父母」「自分の子供」などが上昇している。
これまでも、仕事関係より自分の家族、親族関係にお中元やお歳暮を贈る傾向が見られたが、なかでも両親、子供といった最も身近な家族間でやり取りする傾向が強まっている。


お歳暮、冬ギフトを贈った相手(2015年、2016年比較)

お歳暮は家族のコミュニケーションの潤滑油へ

お歳暮は各種シーズンギフトのなかで実施者の平均年齢が高いもののひとつである。50代以下のお歳暮の実施率は60代以上に比べて極端に低い。お歳暮の習慣を続けてきた団塊の世代も70代入りするなかで、お歳暮を徐々に「卒業」することが予想される。そのため中長期的にはお歳暮の実施率は低下すると考えられる。
そのようななか、お歳暮は職場の上司や取引先にフォーマルなギフトとして贈る人の割合が低下し、家族、親族内のコミュニケーションのためのカジュアルなものが主流となっている。とりわけ両親、義理の両親、子供といった最も近い家族間で贈られ、またお返しされることが多くなってきている。家族間のコミュニケーション活性化ツールとして、またたとえば「孫の誕生日などにおじいちゃんから贈られたギフトや支援などへのお返し」のように、日ごろの感謝の気持ちを伝える機会として利用されており、この傾向は今後も続くと考えられる。
新たにマーケットの中心となる新婚から子育て世代のなかではギフトのカジュアル化が進み、「年末に贈らないといけない」という意識は薄れている。家族のなかでは、実家に行くタイミングなどの時期がたまたま年末だったら「お歳暮」、年明けだったら「お年賀」というようにその時々の都合で冬ギフトが贈られ、名前と意味をあまり区別しなくなってくることが考えられる。



DNP「日常生活とギフトに関する調査」
調査時期:2015年3月、2015年11月、2016年6月、2017年2月、2017年6月
調査対象者:全国の15~79歳男女 2600名
調査手法:インターネット調査



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マーケティングインサイト・ラボ 荒川 篤志