生活者トレンド予測「消費のきっかけ2018」“心地よい自分”消費が始まる

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AI実用化の期待とともに幕を開けた2018年。
生活者と対話する家電製品や自動車の自動運転など、暮らしを変える技術が次々と示されるなか、生活者の消費への期待はモノの機能性や利便性を超え、「快適さ」や「心地よさ」へと向かっている。SNSで常に人とつながるようになり、また働き方改革を背景に無理をし過ぎないことが意識されるようになってきたいま、“心地よい自分”でいるための消費に注目し、6つの視点で「消費のきっかけ」をとらえる。

<生活者トレンド予測「消費のきっかけ2018」>

“心地よい自分”消費が始まる

1.自分の思い込みをリセットする、自分見える化消費
2.‘やらなければならないこと’から自分を解放する、ロールフリー消費
3.仲間との一体感を感じられる、仲間スタンダード消費
4.新たな興味を喚起する “オタク”牽引消費
5.お試し体験を買い続ける、“少量多品種消費”
6.昭和・平成を振り返る、リプレイ消費

1.自分の思い込みをリセットする、自分見える化消費

AIにその時々の気分や状況を伝えながら商品を選択する購入プロセスが現実のものとなりつつあるなか、ネットを使いこなす世代を中心に、自身の詳細データにもとづく最適な商品が提供されるサービスやカスタマイズ商品への期待が高まっている。
昨年話題となった自分の体形を正確に計測するZOZOSUITのほか、年明けのCES(※)ではユーザーの好みを学習し、時間帯など状況に応じた香りを提案するアロマディフューザーが発表され、年内日本での販売が予定されている。
生活者は、幅広い情報源から詳細情報を集めて商品を選び取るのではなく、その時の「自分」の情報をさまざまなサービスに預けて、最適な商品の推奨に期待する。行動データやフィジカルデータ、意識データにもとづく商品やサービスの提案が、生活者にとっての「自分」再発見につながり、次の消費を生み出していく。
※CES2018:Consumer Electronics Show、2018年1月9日~1月12日開催

「詳細なデータをもとに最適な商品を提供するサービス」の利用意向

2.‘やらなければならないこと’から自分を解放する、ロールフリー消費

共働き世帯が年々増加するなか、既婚女性の約7割が‘思うようにいかない’ことがあると感じており、慢性的なストレスを抱えている。なかでも「掃除」に対する改善意識が高く、毎日積み重ねる作業は「他に誰もやらない」「自分の役目だと思っている」などの意識が背景にあり、Instagramでは‘#キッチンリセット部’というハッシュタグとともに、後片付けや掃除動画をアップし、モチベーションを高める主婦が増えている。また、全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」の登場や、 ‘出前を取って子供との時間をつくってほしい’というCMが放映されるなど、決められた役割に縛られない生活スタイルにつながる商品・サービスが注目される。あなたがやらなくてもいいよ!きちんとできてるよ!など、役割からの解放が消費を後押しする。

改善したいと感じていること

3.仲間との一体感を感じられる、仲間スタンダード消費

子どもの頃からスマホやSNSに親しんできた10代は、LINEの友達数も平均で120人を超えており(10-70代平均84人)、SNSは気の合う仲間を探したり、人間関係を深めるたりするものとして欠かせないものとなっている。また、常につながっているがゆえに、人との付き合いでは「浮きたくない・はずされたくない」という意識が強い。「好きなアイドルメンバーのイメージカラーのワンピースをお揃いで買って、それを着てライブに行く」「友達の誕生日にはその子のお気に入りのブランドのリップを買うことをお決まりになっている」など、仲間うちでの約束ごとやアイテムを持つことが、仲間の一員であるという安心感につながっている。仲間とのつながりを実感できる商品やサービス提案が、10代をとらえるためのポイントとなっていく。

人との付き合いで感じていること

4.新たな興味を喚起する “オタク”牽引消費

いつでもどこでも、自分の求める情報に素早くたどり着くことができるようになったことで、生活者が自分なりの‘こだわり’を追求しやすくなってきている。趣味に対する意識は「幅広さよりも深さを追求したい」割合が高く、特に若年層ほどその傾向が強い。バラエティ番組でも、ディープな世界を極めたゲストにスポットを当てる「マツコの知らない世界」が人気を博しているように、オタクはさまざまなカテゴリーで生まれている上に、限られた一部の層ではなく大衆への影響力を持ち始めている。あらゆる物事を簡単に検索できる今、ニッチでディープなコンテンツが生活者に発見を与え、新たな消費を生み出すチャンスになっていく。

趣味に対する意識

5.お試し体験を買い続ける、“少量多品種消費”

月額料金で音楽や動画が使い放題のサービスが浸透。さまざまなジャンルの音楽を流し聴くなかで好きな曲と出会うなど、試しながら自分の好きなモノを探していくという買い方が拡がっている。約4割が買い物の際「さまざまな商品を試しながら自分に合う商品を選ぶ」と回答。毎月オリジナルなテーマにもとづいたコスメやグッズがサプライズで贈られてくる「マイリトルボックス」が日本会員数35000人を突破するなど、新しい商品を体験することへの関心が高まっている。若者世代ではSNSで「#使い切りコスメ」「#底見えコスメ」というハッシュタグが話題になるなど、さまざまな商品を試すがゆえに、最後まで使い切ることがお気に入りへの一歩となっている。商品を気軽に手に取り、商品の良さをダイジェストで体感できる仕組みづくりが求められている。

https://www.mylittlebox.jp/

6.昭和・平成を振り返る、リプレイ消費

2018年は平成の終わりに向かう年となる。歌手・安室奈美恵の引退、サザンオールスターズデビュー40周年、「週刊少年ジャンプ」創刊50周年、手塚治虫誕生90周年など、昭和や平成を代表する人や作品が節目をむかえ、こうした話題をきっかけに、過去を振り返る場面が多くなると考えられる。特に70代では、人との付き合いで「定期的に近況を把握し合いたい」 「共通の趣味や価値観を分かちあえる」との意識が高いことから、若い頃を共に過ごした友人と集まることが増え、振り返りをきっかけとした消費が広がる。思い出を共有できるサービスやリバイバル商品・コンテンツを提供することで消費を後押しする。

人との付き合いで感じていること

調査概要

DNP「消費のきっかけ調査2018」
調査対象:15~79歳の男女2600名
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
調査期間:2017年12月15日(金)~18日(月)



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マーケティングインサイト・ラボ 岩橋 里紗
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