ブランドによって異なるギフト・コミュニケーション

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近年、ギフト機会が広がり、長く行われているお中元、お歳暮といった儀礼的なギフトだけでなく、日常生活のちょっとしたシーンでカジュアルなギフトのやり取りも行われるようになってきています。

菓子類の日常的なシーンのギフト交換に注目すると、キットカット、ポッキー、GODIVA、チロルチョコレートの4ブランドが贈答経験率が高いことがわかりました。

◆菓子類の贈答経験率

今回はこれらのブランドを通して、生活者がやり取りしているギフト・コミュニケーションに注目しました。


◆ブランドのギフト・コミュニケーションタイプ


『相手に喜んでもらうために贈る』、『よいコミュニケーションの機会になる』という、ギフトを贈る際の目的でブランドをプロットし、各ブランドのギフト・コミュニケーションタイプを捉えたのがギフト・コミュニケーションマップです。

このギフトコミュニケーション・マップに菓子類ブランドをプロットすると、高級なチョコレートブランドとしても知られるGODIVAは、相手に喜んでもらうことを特に意識して贈られる『まごころギフト』としてプロットされました。チロルチョコやポッキーは、コミュニケーションのきっかけづくりの役割を期待して贈られる『ごあいさつギフト』としてプロットされました。

また、相手に喜んでもらうこと、コミュニケーションのきっかけづくりの役割を期待して贈られる『共感ギフト』として位置づけられたのがキットカット。キットカットは、受験生にメッセージを添えて贈ることで、受験生のお守りになることでも知られているように、コミュニケーションのきっかけづくりだけでなく、相手に気持ちを添えて贈る「気持ちプラス」のギフトとしての役割を担っているようです。

このようにブランドによって、ギフト・コミュニケーションに期待される内容は異なります。


みんなで楽しむブランド、個で楽しむブラン

それぞれのブランドがどのようなシーンで贈られているのかをみると、コミュニケーションのきっかけ作りの役割を期待する気持ちが高い『ごあいさつギフト』のチロルチョコ、ポッキー、『共感ギフト』のキットカットは、「がんばる仲間や子供たちと一緒に食べる時」など、みんなが集まるシーンで贈られています。

これらのブランドは、地域限定、季節限定の味、期間限定の味などにより、さまざまな話題を提供することで、コミュニケーションのきっかけとなり、コミュニケーションが広がっていくことで、『ごあいさつ』としてだけでなく、みんなで楽しめるブランドとして位置づけられているのでしょう。

一方で、『まごころギフト』としてプロットされたGODIVAは、「お礼の気持ちを伝えたい時」、「お中元やお歳暮など季節の挨拶をする時」などのシーンで、気持ちが優先されて贈られています。そして、あげた後は、もらった人が個人で楽しむブランドと捉えることができます。


◆ギフト・コミュニケーションタイプによって異なるギフトシーン


このように、ブランドのギフト・コミュニケーションタイプや贈られているシーンを捉えていくことで、生活者のブランド体験が見えてきます。そこでやり取りされているメッセージやシーンに注目することで、ブランドと生活者との新たなコミュニケーション創出のきっかけがつかめるかもしれません。

ブランドや商品のギフト・コミュニケーションの可能性を捉えてみることは、コミュニケーションのきっかけ作りの第1歩となりそうです。


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情報イノベーション事業部C&Iセンター第1インテグレーテッド・コミュニケーション本部マーケティングインサイト・ラボ
住友 智絵