伝匠美 文化財の保存と次世代への継承

伝匠美事例のご紹介

東京国立博物館 応挙館 襖・壁画 50面

東京国立博物館 応挙館 書院一之間
東京国立博物館 応挙館 書院二之間

原本

所蔵先 東京国立博物館(東京)
形態 襖絵・壁画 50面
作者・
技法・
作品名
◆書院一之間
円山応挙筆:紙本墨画淡彩
「梅図」襖4面、
「松に岩図」床・壁貼付 7面 、
「竹図」壁貼付 2面、
「岩に笹図」腰障子 4面、
「岩に笹図・若竹図」腰障子 6面
山本守礼筆:絹本金地墨画
「山水人物図」小襖[天袋] 4面
◆書院二之間
円山応挙筆:紙本墨画淡彩
「芦雁図」襖 4面、襖 6面、壁貼付 3面、腰障子 10面

伝匠美

入力方式 スキャニング方式撮影、大型銀塩カメラ撮影 併用
出力方式 デジタル再製画「伝匠美」専用機
再製方法 標準再製
書院一之間「山水人物図」山本守礼

東京国立博物館学芸員7名のワーキンググループとの共同研究

東京国立博物館学芸員7名のワーキンググループのご指導の下に、写生派の祖・円山応挙の墨の色調・階調・筆勢、さらには画中空間・立体空間などを調査し、応挙館の襖絵・壁画を制作するにあたり、墨画を忠実に再現できる応挙館襖絵・壁画用カラーマネージメントを完成させ制作しました。

原本とデジタル再製画の比較

再製方法は、現状をそのまま忠実に再現する「現状再製」に対して、部屋全体、及び画題の作品群の中で、最も保存状態の良好な部分を基準とし、その基準に合わせて、部屋全体、及び画題の作品群を再現する「標準再製」を採用しました。「現状再製」と比較すると当初、応挙が構想したものにより近い再現ができます。

※標準再製は原本に触れることなく、デジタル画像上で行う「バーチャル洗浄」技術で制作します。

応挙館外観
円山応挙と応挙館

もと尾張国(現在の愛知県海部郡大治町馬島)の天台宗寺院明眼院(みょうげんいん)の書院として、寛保2年(1742)に建てられたものです。同寺は古くから眼病治療をする寺として名声を博していました。障壁画は応挙が治療のお礼に揮毫したものと伝えられています。写生に基づきながら写生を超えた、静かで装飾的な応挙ならではの空間が形成されています。

明眼院にあった書院はその後、明治時代に三井財閥の総帥益田孝(鈍翁1848~1938)が買い取り、御殿山(東京都品川区北品川)の邸内に移築し、茶会などに使用しました。大正8年(1919)には、この建物で重文「佐竹本三十六歌仙絵巻」が切り離され、それぞれの歌仙の絵が別々のコレクターの手に渡った出来事で有名です。その後、昭和8年(1933)に建物は東京国立博物館へ寄贈されました。それ以来、この建物は応挙の絵から「応挙館」と呼ばれることになりました。

*東京国立博物館応挙館パンフレット 参考

東京国立博物館 応挙館 見取り図
▲ページTOPへ