環境にやさしい「ヨシ紙」のはなし

歴史ある鵜殿ヨシ原に群生する背の高い「ヨシ」は、たくさんの酸素を生成するとともに、河川から窒素やリンを吸収して水をきれいにする植物です。しかし、ヨシが生長を終えて枯れ、分解されると、窒素やリンが河川に戻ってしまいます。
大日本商事ではそれを防ぐため、枯れたヨシを刈り取って「紙」の素材として有効活用することをすすめています。人の手による刈り取りは、ヨシの春の芽吹きを助けて豊かな自然の維持につながります。さらに非木材のヨシを「紙」にすることで、森林伐採の低減にも貢献できるのです。

ヨシってなあに?~古くから親しまれてきたイネ科の植物です~

意外にもヨシは身近な存在です。
ヨシ(葦)は、一般的に関東では「アシ」、関西では「ヨシ」と呼ばれるイネ科の多年草です。水辺でもっとも大きい草本植物で、通常は1~4メートル、大きなものだと5メートルもの背丈に成長します。
ヨシは世界のさまざまな民話やことわざに登場し、古くから人々に親しまれてきました。日本では葦簀(よしず)というすだれとして活用されたり、茅葺の屋根材として葺き替えに使われています。
しかし、現在はそのほとんどが中国をはじめとする海外からの輸入品で、国内のヨシは利用されずにいます。

ヨシはどこにあるの?~淀川の河川敷に広がる鵜殿(うどの)ヨシ原~

大日本商事のヨシ紙製品は、「鵜殿ヨシ原」のヨシを使用しています。鵜殿ヨシ原は、京都・大阪の府境を流れる淀川の高槻市右岸に位置するヨシの自生地帯です。長さ2.5km、最大幅400m、面積が75ヘクタールあり、甲子園球場の約18倍の広さになります。
昆虫、魚類、鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類だけでなく、ハヤブサやノスリ、オオタカなどの猛禽類も見られるなど、多くの生物が生息しています。

日本の文化を支える鵜殿(うどの)ヨシ

鵜殿(うどの)ヨシ原の保全活動

なぜ環境にやさしいの?~ヨシは河川や湖の水を浄化し、CO2を吸収します~

ヨシは、通常の植物と同様、空気中の二酸化炭素(CO2)の吸収や光合成による酸素の生成によって、地球温暖化を防ぎます。しかも大きいので、より多くの二酸化炭素吸収・酸素生成が可能です。
また、ヨシは土中・水中から多くの窒素やリンなどを吸い上げて成長します。水中に窒素やリンが多くなりすぎると水面に青緑色の粉をまいたように見えるアオコが発生し、透明度が低下するだけでなく、水生生物や魚類が死亡するなどの原因となります。つまり、ヨシの生息が水質浄化として作用し、生態系保全へとつながるのです。
ヨシ原にはその他にも多くの生物が生息しており、刈り取り等の整備をすることが、「生物多様性」の保全にもつながるのです。

どうやって紙になるの?~ヨシの刈り取りから検品まで~

ヨシの刈り取りは12月から2月頃。ヨシが充分枯れた時期に行います。場所によってはオギというよく似た草本植物も生えているため、刈り取った後にヨシだけを選別し、束にして天日で乾燥させます。
ヨシが充分に乾燥したらトラックに積み込み、パルプ工場に運んでチップ状に粉砕、釜で煮てパルプにします。大日本商事のヨシ紙は、ヨシパルプを10%~100%配合しています。
最後に一枚一枚検品を行って出荷します。

1.ヨシの刈り取り
12月から2月頃ヨシが充分枯れた時に、刈り取りを行います。

2.ヨシとオギの選別
 
(左がヨシ)
場所によってはオギも生えているため、刈り取った後にヨシだけを選別します。

3.ヨシの乾燥
ヨシとオギを選別した後、ヨシだけを束にして天日で乾燥させます。

4.ヨシの積み込み:
 パルプ工場へ

トラックにヨシを積み込みパルプ工場に運びます。

5.ヨシのチップ化
パルプ工場でヨシをチップ状に粉砕し、釜で煮てパルプにします。

6.原料
ヨシパルプを10%~100%配合します。

7.抄造
一定の厚み・均質なヨシ紙を抄造します。

8.仕上げ・検品
一枚一枚検品を行い、出荷します。

ヨシ紙製品例~ヨシ紙の風合いを活かした製品です~

ヨシをパルプに加工し、そのヨシパルプを30%から100%配合した非木材紙認定のヨシ紙使って、ヨシペーパーや封筒、名刺などを提供しています。

オリジナル柄や厚みのオーダーも承っています。企業のロゴマークを「透かし」加工して包装材やポスター、壁紙をつくるなど、用途に応じたご提案が可能です。

ヨシ紙に関するお問い合わせは情報コミュニケーション資材営業部門まで 03-3288-8186