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dddギャラリー第175回企画展
DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展III
福田繁雄のヴィジュアル・ジャンピング
2010年7月13日(火)〜9月4日(土)

 2009年1月、世界的なグラフィックデザイナー福田繁雄氏が急逝されました。その知らせは、世界中に大きな衝撃とともに深い喪失感を与えました。しかし、氏によって残された作品は、デザインとアート界における貴重な遺産として、その評価がますます高まり、存在感が揺るぎないものになっています。
   昨年8月、福田繁雄氏のご遺族のご厚意により、自宅アトリエに残された全ポスターをDNPグラフィックデザイン・アーカイブにご寄贈いただきました。
 本展は、福田繁雄氏の追悼特別展として、またポスター・アーカイブを記念して、生涯制作された約1,200点のポスターの中から精選した作品をご紹介するものです。
 福田氏は、生前、良いアイデアが閃くと、椅子から飛び上がって、「これだ!!」と心の声で叫んだそうです。本展のタイトルの中の「ヴィジュアル・ジャンピング」は、氏の生き生きとした創造行為の特徴を示す映像的シークエンスの中から拾い上げられたものです。
 今回の展覧会では、氏によって電光石火のごとく創造されたヴィジュアル(ポスター)表現が、共通言語として、いかに国際的に抜きんでて、しかも説得力があったかについて焦点を当てたいと思っています。デザイン史に残る名作「Victory 1945」(1975年)の出現は、デザイン領域に限らず、あらゆる分野の人も呼び込んだ一つの革命だったと言えます。シニカルな思想に裏打ちされた高度なユーモアと独自のウィットが盛り込まれたポスターが、今も、世界中の人々の心を捉えて離さないことがそのことを物語っているからです。その他知られざる逸品も展示。海外からのメッセージや、アトリエや美術館での貴重なインタビュー映像等も交え、クリエイティブの現場をご紹介し、氏の偉業を浮き彫りにします。

会場


dddギャラリー
2010年7月13日(火)−9月4日(土)

〒550-8508大阪市西区南堀江1-17-28 なんばSSビル
tel 06-6110-4635
11:00a.m.-7:00p.m.(土曜日は6:00p.m.まで)
日曜・月曜・祝日・及び8月10日〜8月14日休館
地下鉄四つ橋線なんば駅徒歩5分 入場無料

オープニングパーティ


日時: 2010年7月13日(火) 5:30−7:00p.m.
会場: dddギャラリー
tel.06.6110.4635 入場無料

■監修
片岸昭二(富山県立近代美術館)、(財)DNP文化振興財団

福田繁雄はユニークなグラフィックデザイナーだった。
彼は以前、「デザインは30%の尊厳、20%の美、そして50%の不条理だ」と言ったことがある。
一般的なグラフィックデザインにとっては必ずしも真実ではないだろうが、福田の作品には、ほとんどいつもこれが当てはまった。
この「不条理」の意味するところは、つまり、彼にとってのデザインは、挑発的で、理念を持ち、見る人を驚かせるとともに考えさせるものでなければならなかったから、普通の世界にあってはありえないような不可能な視覚的イメージでも、何となくいかにもありそうで常識的にも見え、そして何より、記憶に残るものでなければならない、そういうことを言いたかったのだろうと思う。
大砲から発射された弾丸が逆を向いて大砲に戻っていく図は、福田繁雄が何度も繰り返し発表してきた、不思議で、洞察力に富む、挑発的なイメージを最もよく示す作品である。
アイヴァン・チャマイエフ
<グラフィックデザイナー>

福田―ポスター世界になお響き続ける声
福田繁雄の死によって、世界は最も重要なデザイナーの一人を失いました。多くの国際賞を受賞した氏のポスターは、ポスター大国日本の名声を高めることに貢献しただけではありません。最高の芸術的完成度により、誤解の余地のないメッセージを伝える可能性にも寄与したのです。
これらのポスターの成功の秘密は、その図形(ピクトグラム)言語が簡潔で確実に的を射ていることにあります。河野鷹思や亀倉雄策らに代表される伝統の影響を受け、福田はフォルムを削り、明確な輪郭の色面を好みました。ネガとポジの造形が、時にめまぐるしく入れ替わり、互いにコントラストを形成して素晴らしい効果をもたらしています。
この作家は、表意絵画的シンボルや最新のピクトグラムの経験を活用して、個性的な図形記号を開発し、その斬新さで人々を驚かせ、同時に言葉の壁を乗り越えて理解されることを目指したのです。共に明快な造形と知性の結合、一見単純な、しかし奥に隠されたウィットの組み合わせが、福田氏の手で精密に構成され、ポスターシーンにあって異彩を放っています。どちらかといえば、遊びに近い場面でも、氏は本質的なものへの視線を失うことはありませんでした。氏のポスターは直接的で一目瞭然でありながら、常に第二の視線を計算したものでありました。1975年の第二次世界大戦終戦の30周年記念日に生まれた氏のポスター「Victory」が、彼の作品の中で最も国際的知名度を得たのも偶然ではありません。福田はこの作品により、当時の象徴世界に一つの新たな反戦のメタファーを刻み込みました。そしてそれは氏の名前と不可分のものであり続けました。このポスターが今日もなお、その現在性をいささかも失っていないのは、その内容もさることながら、氏がそれを絵画的に変換し、時代を超えた永遠性を持たせることに天才的であったことによるのです。
アニタ・キューネル
<ベルリン美術館アートライブラリー グラフィックデザイン・コレクション部門部長>

※2009年1月の福田繁雄氏の訃報に接し世界中から届いたメッセージより

福田繁雄 Shigeo Fukuda
略歴=1932年東京生まれ。1956年東京藝術大学デザイン科卒業。日本万国博覧会ポスター制作をはじめ、国内外の公式イベントのポスター、サイン計画、公共空間デザイン制作に参画。チェコ、ポーランド、アメリカ、フランス、フィンランド、ブルガリア、ロシア、メキシコの各国際コンクールで入賞、審査委員を歴任。1972年ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞。1976年芸術選奨新人賞、1986年毎日芸術賞、1987年NY ADC名誉の殿堂賞。1997年通産省デザイン功労賞表彰。紫綬褒章。2001年岩手県勢功労賞、2002年NY・SVAマスター賞、2006年東京ADC名誉の殿堂賞。2007年勝見勝賞。国際グラフィック連盟(AGI)日本代表、英国王立芸術協会(RDI)日本会員、東京アートディレクターズクラブ(ADC)委員、日本デザインコミッティ理事、(財)DNP文化振興財団理事、東京藝術大学美術学部デザイン科教授・客員教授などの要職を歴任。金沢美術工芸大学、大阪芸術大学、日本大学、名古屋造形大学各客員教授(以上、日本)。清華大学美術学術顧問、西北工業大学客員教授、四川大学客員教授、吉林芸術学院栄誉教授(以上、中国)。東方技術学院名誉教授(台湾)。2001年より社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会長。2009年1月逝去。
[参考図版資料]
No More   1968年
福田繁雄展   1975年
Victory 1945   1975年
Kyogen   1981年
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