2010国民読書年

本棚を見てみよう・私が見たいあの人の本棚

興味のある人の本棚は、ちょっと覗いてみたくなる。それは、もしかしたら本棚が「人」そのものだからかもしれません。その人の本棚を通じて、読書体験を読み解き、共有するのも読書のひとつ。 ひとりの読書から、「共読」へ。それがこの本棚のテーマです。

中嶋朋子の本棚

中嶋朋子
中嶋朋子

中嶋朋子が選ぶ20冊

はてしない物語

ミヒャエル・エンデ(すべて岩波書店)
「愛蔵版モモ」/「物語の余白」/「エンデのメモ箱 上・下(エンデ全集18,19)」 「サーカス物語」/「鏡の中の鏡」/「自由の牢獄」(岩波現代文庫/岩波書店) 「はてしない物語」)(岩波少年文庫/岩波書店)

ミヒャエル・エンデはイマジネーション(想像力)は、決して消極的なものではなく、むしろ、能動的な創り上げる力「創造力」なのだと教えてくれた人です。どの作品も、人の思い、願いが世界を創っているのだということを感じさせてくれます。 もうひとつ、彼の世界観で素晴らしいのは、「闇」というものに対する考え方。例えば、彼が題材にしている「ファンタジー」は、ともすると、“美しいもの・かわいいもの”だけの世界と描かれがちですが、「光は影があって初めて、光であると認識できる」という思いのもと、善悪のジャッジだけでない、「光と闇」のすがた、ありかたを描いています。なかでも「物語の余白」は、そんな彼の哲学、創作の秘密がつまっていて、私のバイブルです。

※ミヒャエル・エンデ以外にも本棚には様々な本がございます。

中嶋朋子 プロフィール

女優。東京都生まれ。国民的ドラマと呼ばれた「北の国から」で22年にわたり蛍役を務める。以後、映画、舞台への活躍の場を広げ、実力派として高い評価を得る。他に、朗読、執筆、講演でも独特の感性を発揮。根強いファンを持つ。近年では、ジャズ、民族音楽、オーケストラとのコラボレーションで古典の朗読劇に取り組む。エコロジストとしてのやわらかなライフスタイルも注目を集め、そのしなやかな自然観が共感をよんでいる。舞台「ヘンリー六世」(演出:鵜山仁)のマーガレット役で、「第44回紀伊国屋演劇賞個人賞」、2009年度「読売演劇大賞優秀女優」を受賞。現在、東京エフエム「ふんわりの時間」(毎週日曜午前9時〜)でパーソナリティーを務めている。今後の予定は、舞台「おそるべき親たち」(作:ジャン・コクトー 演出:熊林弘高)10月21日〜11月3日 東京芸術劇場小ホール2が控えている。