4月10日(月)

フェルメールとその時代
 4/4-7/2
 大阪市立美術館

フェルメールとその時代

今日は休館日だけど特別鑑賞会ってことで見せてもらった。見せてもらったといったって大阪でやってまんねんから、往復6時間と3万円近い運賃をかけてわざわざ見に行かなあきまへんねん。しかも芸大の先端芸術表現科の入学式をサボって。おまけに今日はどこの美術館も休みだから、せっかく行ったのにこれしか見ることができなかった。ほんとは愛知県美術館で始まった「レンブラント、フェルメールとその時代」と抱き合わせで見ようと思ってたのに。ついでにいえば今月は「ルーベンスとその時代」という展覧会もある。そしてなにを隠そう私、小学館から出ている『週刊美術館』の「フェルメール」と「ベラスケス/ルーベンス」の巻を書き、これから「レンブラント」の巻も書かねばならないのだ。講談社の『週刊世界の美術館』とまぎらわしいので、間違わずに買ってね。それはともかく、こういう鑑賞会ってどういう人が来るんだろう、あ、「あの人」ならきっと来るはずだと天王寺の駅を降りて道すがら考えてたら、バッタリ「その人」と会ってしまった。森村泰昌はん。
 会場は大量動員を期待してかゆったりとした展示で、実に気分よく見ることができた。フェルメールが5点に同時代のオランダ絵画が約30点。フェルメールは「聖プラクセディス」以外は見たことのあるものばかりで、目新しい発見はなかったが、問題はその「聖プラクセディス」。どう見てもフェルメールらしくないけど、これは近年フェルメール作品と認められたいわば「最新作」で、しかもイタリアの画家フィケレッリの模写とされているからややこしい。確かにフェルメールのサインはあるし、衣装の描き方なども「ディアナとニンフたち」(これも問題作)と似ているので、もし「ディアナとニンフたち」がフェルメールの真作ならこれもそうだろう。しかしそれにしても、フェルメールの作品数は長いあいだ35点とされ、「聖プラクセディス」が認められて36点になったはず。にもかかわらず、同展では知ってか知らずかチラシにもカタログにも35点と明記してある。これは主催者みずからこの作品をフェルメールの真作と認めてないといってるようなものではないか。主催する毎日新聞社のある人から聞いた話だが、この展覧会には実は、この「聖プラクセディス」を日本に売り込むという隠れた目的もあるそうだ。さーまされて買うアホがおるかな?