女性画家が描く日本の女性たち展
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小田急美術館
明治生まれの女性日本画家、上村松園、伊藤小坡、池田蕉園、島成園、梶原緋佐子の5人展。まず気づくのは、名前に園のつく人が多いこと。んなことじゃなく、展覧会を見て気づくのは、全般に大正期には遊ぶ女や妖艶な女の絵が多かったのに対し、昭和に入ってからその奔放さが失われ、謹厳実直そうな古典的女性像が増えてくることだ。特に顕著なのが、この中ではもっとも若い緋佐子の場合。彼女は、画家としてスタートした大正時代にはゾッとするような女の暗の世界を描き出していたのに、昭和5年を境に、まるで雲が晴れるように凡庸な女性像に回帰してしまうのだ。やはり、忍び寄る軍国主義のせいでしょうか。とすれば、同じ日本画でも山口華楊とは違って、女性画家のほうがより時代に左右されざるを得なかったってわけか。むしろそうした視点から展覧会を組み立てたほうが、もっとおもしろくなったのに。
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