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Focus アート・シーン2001
イスタンブール・ビエンナーレ
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ユジェン・バフチャル
 


ユジェン・バフチャル
ユジェン・バフチャル「Caresses de la lumiere」

 長谷川祐子ユーゴスラビア出身で現在フランスに住んでいるユジェン・バフチャルという写真家の撮り方は大変ユニークです。彼は10歳で片目の視力を失い、13歳くらいまでにもう片方の視力も徐々に失っていった全盲の写真家です。つまり、見えなくなることがどういうことか分かりつつ何年かを過ごしたわけです。
写真では、裸婦が一人横たわっていて、彼女の体の上を光が触るように移動しているのを見ることができます。彼の作品は、ものが見えていること、それを表現して確認するとはどういうことなのかというプロセスを再考させてくれます。モデルに対しては、視覚の記憶をたどって、どういう風にしてほしいかを言う。そしてアシスタントに今どこに光が当たっているかを確認しながら長時間露光で撮影して、撮られた写真に関しても、アシスタントに確認していく。つまり、他者の目を通して写真を撮る。「私たちの持っている通常の感覚を持っていないものの物語」と、目の見えるアシスタントとの間の非常に緊密なコラボレーションによりこの不思議な作品が成立しています。[長谷川祐子]



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