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Exhibition Reviews & Guide ..

大山麻里展
3/23〜31 100日画廊
 
 
大山麻里展
いつのまにか300日画廊の上階にできた100日画廊だが、ここも同じく今月いっぱいで店じまい。大山の作品は、樹木の枝状に伸びたチューブの先にランプ、スライド写 真、レンズを取りつけたインスタレーションで、ランプはゆっくりと点滅し、おそらくこの周辺で撮ったらしき写 真を照らし出す。どうせ今月いっぱいなら、住民の出ていく3月31日に全室を借りてビル全体を1日画廊にしたらおもしろかったかも。
[3月28日〈水〉 村田真]
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デイヴィッド・ハモンズ新作展
 3/27〜4/28 ギャラリーシマダ[東京]
 
 
デイヴィッド・ハモンズ新作展
ガラス戸に「ゴースト・オブ・アン・エキジビション」と記され、画廊に足を踏み入れると壁は真っ白、片隅のテーブルには花を生けた花瓶が置いてあるだけ。このテーブルと花が作品だろうかとしばし思いをめぐらせていると、画廊のねーちゃんがテーブルの上にさりげなく作品リストを置いていく。そこにあるべき作品名に「On Loan」とあり、すべてが氷解。たしかに白い壁をよく見ると小さなフックが掛かっていて、その周囲には、これまで絵が掛けられていたことを示すように、かすかに矩形の影が描かれている。つまりこれ、「作品貸し出し中」というインスタレーションなのだ。思わず笑ってしまったが、ここには単なるトンチではすまされない底意地の悪さが感じられる。これはレッキとした「商品」であり、これを買う人が(たとえば美術館が)この「作品」を展示している状態を想像してみるがいい。まったく、つくるほうもつくるほうだが、売るほうも売るほうだし、買うほうも(いればの話だが)買うほうである。ということまで計算に入れた作品なのだ。
[3月28日〈水〉 村田真]
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太陽のうらがわ太郎のはらわた
 3/15〜4/22 ナディッフ[東京]
 
 
太陽のうらがわ太郎のはらわた
民俗学者ヲダ・マサノリが、太陽の塔の内部に潜入した「内的体験」を発火点として制作したインスタレーションだそうだ。ギャラリー内は1970年当時のさまざまな製品や仮面 やエロ雑誌で埋め尽くされ、足の踏み場もないほど。なるほど、岡本太郎を民俗学者の目で見なおそうとしてるわけで、これはおもしろい作家が現われたものだ。横浜トリエンナーレにも参加が決まっているというから楽しみ。
[3月28日〈水〉 村田真]
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ウジノズ・ラブアーム
 3/13〜4/7 ミヅマアートギャラリー[東京]
 
 
ウジノズ・ラブアーム
「LOVE ARM」とは、松蔭浩之と宇治野宗輝のユニット「ゴージャラス」のステージで使われる楽器というか武器というか威嚇装置みたいなやつ。腰に固定してズンと屹立させ、ハンドル操作でけたたましいノイズを発したりイリュミネーションを点滅させたりする。この過剰さがすばらしい。ほしくはないけど。
[3月28日〈水〉 村田真]
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ゲルハルト・リヒター「アトラス」
 3/31〜5/27 川村記念美術館[千葉]
 
 
ゲルハルト・リヒター「アトラス」
今日はオープニングなので、佐倉駅から川村記念美術館まで送迎バスが出るという。ところが、駅に降り立ったときにはすでにバスは出たあと。周囲を見まわすと読売新聞の菅原教夫記者の姿が。彼も乗り遅れたらしく、いっしょにタクシーで美術館へ。料金はもちろん読売新聞社の経費で。ごっつぁんです。「アトラス」は、リヒターが制作のために使った写 真や雑誌の切り抜き、プライベートなスナップ写真、プランのためのドローイングなどを台紙に貼って額装したもの。
1960年代の写真から最近のベルリンの連邦議会議事堂を飾る壁画のプランニングまで4500点を超え、リヒターの絵画を知るうえではまたとない貴重な資料であり、それ自体が作品でもあるのだ。でも、日本ではまだリヒターのまとまった展覧会が開かれてないので、いきなり「アトラス」を見せられてもありがたみが薄い。そこで彼のタブローを中心に10点ほどの作品も展示されている。早く日本でも個展が開かれないだろうか。
[3月30日〈金〉 村田真]
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報告会「アジアのオルタナティブ・スペース――もうひとつのネットワークの可能性」
 3/30  国際交流基金国際会議場[東京]
 
 
国際交流基金からの派遣で実現したオルタナティブ・スペース調査の報告会を行なった。恥ずかしながら、やっぱりデコボコトリオはこんなときも卒なく大事な場をこなすことができない。伝えたいことが沢山ありすぎたんですネ。高橋さんはカノーヴァン(名古屋)で4月27日(土)に、原は大阪でまた地元向けに報告会しますんでヨロシクお願いします。
最前列で聴いてくださった村田さん、アリガトウ。
[3月30日〈金〉 原久子]

川村記念美術館の帰りに大阪の加藤義夫氏と一緒になり、1時間遅れで会場に到着。 でもまだトップバッター高橋綾子さんの報告の途中だった。「美術館もコマーシャルギャラリーもちゃんとしてないところで、オルタナティヴ・スペースの意味はあるのか?」という石井正伸氏の疑問はごもっとも。
[3月30日〈金〉 村田真]
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カンサイ・ナイト
 3/31 スクラッチタイル[横浜]
 
 
またもや、自分で書くのもなんなのですが……。スクラッチタイルという横浜・JR関内駅の近くにある田添かおりさんと水島大介さんという若いアーティストが運営するスタジオ兼オルタナティブ・スペースにて、不定期的に関西のアーティストの作品を紹介することになった。まず、第1回目ということでフジタマ、伊藤存、青木陵子の映像作品等を紹介。アットホームな雰囲気で楽しく1回目を迎えられ、その上、来てくれていたキュレーターからは次の企画にぜひ出品してもらいたいナ、などという声まであり、まずは成功(?)。そして、美術界きっての炎の料理人・某美術館の××太郎氏が、お好み焼きまで焼いてしまうサ−ヴィスが付いて横浜の夜は更けていった。次回は6月です。
[3月31日〈土〉 原久子]
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アーティスツ・デビュー Artists' Debut
 3/9〜4/7 RICE GALLERY by G2[東京]
 
 
若くて元気で、才能のある人たちって、いろんな所にいるのですね。展覧会名の通 り、これからアーティストとして活動をはじめようという20代の若手9人を紹介していたのですが。なかなかのつわもの揃いで見ごたえあったし、若々しい元気なパワーを少しわけてもらえたかな、って感じでした。会場に続く階段を昇って行くと、正面 に息を切らしている私を睨み付けている猫がいて、そいつが巧妙に描かれていて、ちょっと驚くわけですが、これは出品者の一人の渡部裕二の作品。会場の映像作品は床から15cmくらいだけ横に長くプロジェクションされた映像作品を出品。草のなかを裸足で行き来している足はまるでそこにあるように見えて、その臨場感がどうして出たのかと思ったら、映像が映っている白い壁に草を直接ドゥローイングしていたのでした。どのアーティストの作品もけっこうツボに入ってきました。(桜が咲いているのに外は雪の3月最後の日でした。)
[3月31日〈土〉 原久子]
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