Dec. 3, 1996 Jan. 14, 1997

Art Infomation Index - Dec. 24, 1996


【第1回国際CAiiA研究会議開催
 ―新たな世界認識に向けて】
 ……………………●四方幸子

【《アブストラクト/リアル》展】
 ……………………●四方幸子


Art Information Back Number Index



第1回国際CAiiA研究会議
会期:
1997年7月5日〜6日
問い合わせ:
CAiiAディレクター:
ロイ・アスコット
100143.100
@compuserve.com
コーディネーター:
ジョセフ・ネヒヴァタール
jnech@imaginet.fr





CAiiA研究会
http://caiiamind.nsad.
newport.ac.uk

Joseph Nechvatal
NECHVATAL 1(front page)
http://www.dom.de/
groebel/jnech/

Miroslaw Rogala
http://www.mcs.net/
~rogala/home.html

第1回国際CAiiA研究会議開催
―新たな世界認識に向けて

●四方幸子



メディアアートおよびメディア研究はアート、科学、音楽、建築、音楽、思想など各専門分野の境界を越えうる学際的領域として現在活発な交流が行なわれつつある。コンピュータ・テクノロジーがもたらしつつある新たな世界や認識について、ここ数年特にヨーロッパでは数多くのコンフェレンスやフェスが開催されている。それぞれクリティカルなスタンスを持ちながら、現代そして未来を読み解こうとしているが、特定の招待者のみならず、広く世界中からアーティストや研究者の発表を募集していくフェスも増えてきている。
  来年7/5、6に第1回が開催される国際CAiiA研究会議(主催:CAiiA=the Centre for Advanced Inquiry in the Interactive Arts, University of Wales College, Newport, UK) もその一つである。
  これはアート、科学、テクノロジーそして意識における新たな展開を考察するための会議で、アート、建築、コミュニケーション、教育、生物学、認知科学、複雑系、人工生命とその関連分野におけるアーティスト、研究者、思想家などの論文やマルチメディア・プレゼンテーション、パフォーマンスが募集される。
  ディレクターはロイ・アスコット、コンフェレンス・コーディネーターは、メディア・アーティストかつ批評家として知られるジョセフ・ネヒヴァタール、プログラム・コミッティーにはビル・シーマン、ミロスラウ・ロガラなどメディア・アーティストほか各分野の研究者計9人が名を連ねる。

今回のキータームは「ポスト・バイオロジカル」

今回のテーマは「コンシャスネス・リフレームド―ポスト・バイオロジカル時代のアートそして意識」。テクノロジーによって媒介、拡張もしくは変容させられる生命のあらゆる側面を含むキータームとして「ポスト・バイオロジカル」を掲げつつ、ここではまた心そして意識も加えて考察される。アートにおけるデジタルおよびバイオ・テクノロジー、人工生命の影響、認識プロセスや概念的モデリング、心のセオリーにおけるアートの価値の探求なども。人工/自然、物質/意識などという対立項がもはや有効ではない世界において、新たな世界認識の模索は始まっている。

  現在CAiiA内で上がっているいくつかのテーマは以下のとおり;

  • Mapping & Responsive Visualisation
  • Transformation Future Body
  • Public-Personal Spaces Dream Consciousness & Reality
  • Sonic Re-embodiment/Sonic Disembodiment
  • Left Brain Navigation
  • Immersive Spaces Psychological Architectures & Incorporation Bodies
  • The Cybernetics of Architecture
  • Cyberception & Paranature
日本からも積極的な参加がなされることを期待したい。募集はすでに始まっているので、至急要チェック。

[しかた ゆきこ/美術批評家]

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《アブストラクト/リアル》展
会期:
1996年11月23日
 〜1997年1月12日
会場:
20er Haus
(ウィーン)
問い合わせ:
20er Haus
Tel:(1)7996900





Rachel Whiteread - Reference Page
http://www.artincontext.
com/listings/pages/
artist/e/4zzurgqe/
menu.htm

Les artistes de la galerie : Bertrand Lavier
http://bedrock.cyberhq.com/
cyberfr/sollertis/lavierp.htm

中村政人
Art Watch - Dec. 24, 1996

《アブストラクト/リアル》展

●四方幸子



《アブストラクト/リアル》というタイトルの現代美術展が、ウィーンの20世紀美術館において開催されている。キュレーターは同美術館のロランド・ヘギ。これまで美術史のなかで対照的に位置づけられてきた二つのタームを、90年代以降の美術の傾向における新たな関係として提示する試みである。
   出展アーティストはヘレン・チャドウィック、レイチェル・ホワイトリード、ジュリア ン・オピー(英)、ベルトラン・ラヴィエ、パスカル・ピノー(仏)、ブリギッテ・コヴァンツ(オーストリア)、クリスティアン・ エッカート(加)、リリアン・バル(米)、ペドロ・カブリタ・ライス(ポルトガル)、ジリ・コヴァンダ(チェチェン)などヨーロッパを中心に若手・中堅の38人。日本からは中村政人、柳幸典が招待された。
  たとえば中村政人が壁面に整然と並べてみせる、回転する韓国のトコヤマーク(日本におけるそれとは微妙な意味のズレを持つ)は、ヨーロッパという場においてインスタレーションとして提示されることで、本来の機能的シークエンスから離脱し、抽象的なオブジェ クトとして認識されうることになる。
  企画者は、作品のポリティカルなコンテクストのリアリティを、いかにアブストラクトに転移可能か、共生は可能かを問いかけているようにみえる。

[しかた ゆきこ/美術批評家]

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