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ArtDiary ||| 村田 真のアート日記
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1月5日(月)

夜、馬六明(マー・リューミン)展のオープニングのためギャラリーQに行くと、もう閉まってる。隣の台湾料理屋で2次会やってるというので入ったら、20人くらい集まってた。馬さんとは、2年前のNIPAF(日本国際パフォーマンス・アート・フェスティバル)と、去年の「デ・ジェンダリズム」展の時に会ってるけど、いつも1月2月の寒い時期。馬さんも「もっと暖かい季節に呼んでほしい」って。
 3次会で、NIPAFの親分、霜田誠二氏と芸術支援について話す。つまり「助成問題」。霜田氏の持ってた資料によると、本年度の芸術文化振興基金の芸術活動への助成に対する応募は計1004件あったのに、美術の応募はわずか92件しかなかった。演劇や音楽など舞台芸術の応募は523件もあったのにだよ。そのうち採択されたのは舞台芸術が197件、美術は39件。金額でいうと、舞台芸術の6億9110円に対して美術はたったの4700万円、つまり15分の1にすぎない。1件あたりの助成平均額も約350万円:約120万円だから、3分の1程度なのだ。これはどーゆーことかとゆーと、美術手帖3月号の特集「アーティスト・イン・レジデンスと海外留学」に書いたので、そっちを読んどくれ。
 結局、霜田氏は帰れなくなって、ぼくの仕事場に泊まっていった。アーティスト・イン・レジデンスね。

1月7日(水)

フランスから一時帰国中の北原愛さんと、渋谷で待ち合わせ。北原さんは90年に渡仏し、グルノーブル美術学校やパリの現代美術研究所を出て、作家として活躍中だ。ぼくが92年にグルノーブルを訪れた時、マガザンで会っている。彼女は作品ファイルをめくりながら解説してくれるのだが、ぼくは彼女の得た奨学金やフランスのメセナについてばかり質問する。これもBTのため。

1月8日(木)

大雪。

1月13日(火)

今朝、福岡から上京してきた山野真吾氏から電話。今年の「ミュージアム・シティ天神」の助成申請のために芸術文化振興基金の窓口に行ったら、そこで川俣正のアシスタントの小池さんとPHスタジオの中川くんに会ったという。そういえば霜田氏も、こうした基金や財団の申請日に行くと、いつも決まった顔ぶれにしか会わないといってたっけ。助成を受ける作家はごく一部に偏ってるのだ。これも「助成問題」。
 4時に、ロンドン在住のジャーナリスト菅伸子さんと、写真家の宮本隆司氏と恵比寿で待ち合わせ。菅さんとは帰国するたびに会って情報を交換する同業者仲間。ダイアナ元妃の話などをするが、最後は宮本氏が、写真集や展覧会の計画はあるけど資金繰りが難しいと、ここでも「助成問題」の話になる。
 夜、山野、川俣、小池、中川(以上敬称略)と中目黒で飲む。山野氏はうちにアーティスト・イン・レジデンス。

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