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ArtDiary ||| 村田 真のアート日記
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3月9日(月)

ここ2〜3週間、仕事場の片づけをしているのだが、なかなか終わらない。本棚がもう満杯で、カタログや資料が床に散乱して足の踏み場もない状態だ。これまで90年代以降の展覧会のチラシやDM、美術館ニュースなど、けっこう律儀に集めて月ごとにファイリングしていたのだが、ほとんど利用してないことが判明。そこでこの7年以上のファイルをいったんバラし、作家別、項目別にファイリングし直してるのだ。
 これが思ったより大変な作業で、おまけに確定申告の締切も近づき、部屋もアタマの中もグジャグジャ。チラシやDMなんかは資料価値も薄いんで捨てちゃえばいいんだけど、どうも貧乏性のせいか捨てるに捨てられず、自分の首を絞めてるみたい。みなさんはどうしてますか?

3月13日(金)

オオタファインアーツで小沢剛展オープニング。画廊に行くのもなんか久しぶりだな。今回は小沢のほか、岡本一太郎、二太郎、三太郎の4人の個展(?)だそうで、相変わらず小沢の「いい加減さ」が発揮されている。「いい加減」とはもちろん「加減がよい」という意味で、けっこう難しいことなのだ。
 7時頃からパフォーマンスが始まり、まず小沢師範によるミルク道のセレモニー。続いて一太郎は人前には出たくないとのことで、「二郎を呼んできます」と思わず発言。「二太郎じゃないのか!? 」とヤジが飛ぶ。ここらへんにも彼の大雑把な性格がにじみ出ている。次回は「おおざっぱ・つよし」とでも名乗ったら?

3月15日(日)

横浜へ。最初にそごう美術館の「印象派と近代絵画の誕生」展を見る。モネの「菊」など2、3点そそられる作品はあったものの、実にありふれた展覧会。ところで、こーゆー印象派やエコパリ展の多くは「ナニナニ美術館コレクション展」とか銘打って、欧米の美術館の二流三流品が貸し出されてくるわけだが、この展覧会はどうやら国内で調達したものらしい。出品作品には所蔵先が明記されてないのだが、チラシに「協力:株式会社レイク」とあるので、おそらくレイクのコレクションが中心になっているに違いない。ほのぼのしちゃいますね(笑)。
 次、神奈川県民ギャラリーの「明日への作家たち」へ。このアニュアル展も早いもので、もう10回目。でも、横浜市民ギャラリーの「今日の作家展」ほど重視されないのは、複数の推薦委員と選考委員が作家を決めるシステムなんで、どうしても散漫になっちゃうからなんだよね。ま、「今日の作家展」だって以前ほどの求心力はないっつーか、まだ続いてんだっけ? 今回の出品作品はモノクロームと物質が多勢を占めて、20年ほど時代を遡った気分。ちなみに選考委員は、斎藤義重、酒井忠康、針生一郎、柳生不二雄の4人。さて平均年齢はいくつでしょう?
 帰りにお決まりの中華街に寄って、肉まんパクつきながら食材を物色していたら、自称刃物屋の伊藤伸之に出くわす。こいつは展覧会オープニングの常連でコレクターでもあるが、この春、名古屋に飛ばされることになった。淋しくなるぜ(笑)。仕事場に戻って、ようやく片づけを終えたのも束の間、また福岡から山野氏が上京。渋谷駅で「あおぞらアート」の飯島永美ちゃんを拾ってやって来た。PHスタジオも呼んで宴会。せっかく部屋をきれいにしたばっかなのに……。

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