DNP 大日本印刷

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ニュースリリース

2011年10月06日

 

ルーヴル美術館
大日本印刷株式会社

アート・イベント

『ルーヴル − DNP ミュージアムラボ』第8回展 「来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い」を開催

2011年10月8日(土)〜2012年3月4日(日)

 

 ルーヴル美術館と大日本印刷(DNP)がすすめる新しい美術鑑賞に関する共同プロジェクト「ルーヴル ‐ DNP ミュージアムラボ」は、ルーヴル美術館でも人気が高く、日本にも愛好家の多い「古代エジプト美術」をテーマとした第8回展を開催します。

今回の展示は、古代エジプトで重要視されていた「供物の奉納」という慣習を今に伝える7点の作品を展示し、今回の展示に向けて独自に開発した鑑賞システムを利用して約3千年にわたって守り続けられたエジプト独特の世界観と美意識を理解していく体験型の展覧会となっています。

なお、本展向けに開発した鑑賞システムのうち2点は、パリのルーヴル美術館古代エジプト美術部門の常設展示室に設置される予定です。

 

■第8回展の狙い

今回展示する作品は、永遠の生を求めた古代エジプト人が、来世での食事を保証するために行っていた葬礼の慣習である「供物の奉納」に関するものです。7点の展示作品は、より確実な保証を求めてエジプト人が周到に用意したさまざまな方法を体現したものであり、本展ではこうした文化特有の信仰を背景につくられた作品の鑑賞について、いくつかのアプローチ方法を提案しています。

また、本展で提供する鑑賞の切り口は、今日、私たちが美術館・博物館で「古代エジプト美術」として目にする多くの作品にも応用できるもので、鑑賞者の今後の美術鑑賞にも生きることを期待しています。

 

■展示作品と主な鑑賞システム

【葬祭用のステラを解読する:サケルティのステラ】

「内務の長サケルティのステラ」(石碑)は、センウセレト1世の内務の長であったサケルティが来世で食物などの奉納物を得るため、死後の世界を司る古代エジプトの神・オシリス神の聖地アビュドスに奉納したものだと考えられています。テーブルに積まれた多くの食料など、サケルティ夫妻とその両親が来世で生きるために必要な品々が図像と文字で表されています。

このステラ解読のための鑑賞システムは、研究者が作品を調査・解読していくプロセスに着想を得て開発しました。ディスプレーにほぼ原寸大で作品の図柄を表示し、鑑賞者がよく見たい部分をディスプレー上で指し示すと詳細な解説が表示され、作品全体の構造を理解しやすい工夫がなされています。

また、鑑賞者が作品に表現された要素の中で関心を抱いた部分から、詳細な情報へとアクセスしていく過程は、作品をよく見る行為へと誘うとともに、能動的な学びの姿勢を引き出すことも期待されます。

このシステムは今後、ルーヴル美術館のサケルティのステラのある展示室(シュリー翼2階23番展示室)に設置され、同種の作品群の鑑賞の手助けとなることを目的としています。

内務の長サケルティのステラ
紀元前1970年‐紀元前1900年頃
石灰岩、彩色
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre / Christian Décamps

 

【供物奉納の儀式に参加する】

「王の長官ホリラアの供物卓」は、王の大法官であるホリラアに供物を奉納する儀式のために作られたものです。香で清めた供物卓に水をかけると、上面に刻まれた供物が来世にいる死者に届くと信じられていました。

特定の用途を持つこのような作品は、その使用方法と制作背景を理解することが重要であり、特に信仰や儀式の道具の解説には工夫が必要です。

ホリラアの供物卓を例に、映像装置を使って供物奉納の儀式に参加できる鑑賞システムを開発し、実際にその道具を使う身体的な体験を通じて、作品の持っている意味へと関心を喚起することに取り組みました。

鑑賞者が複製の供物卓の前に立ち、香炉や水差しの模型を用いて供物奉納の儀式を行うと、画像認識、AR(拡張現実)、CGなどの技術を組み合わせた映像表現によって、儀式を執り行う自分の姿とその結果が可視化されます。

王の長官ホリラアの供物卓
紀元前664年‐紀元前525年頃
玄武岩
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre / Georges Poncet

 

【ルーヴル美術館の作品を通して古代エジプトの約束事を理解する】

古代エジプト美術は、鑑賞目的ではなく、呪術的効果を得ることを目的として作られました。そのための一連の表現上の約束事は約3千年間守り続けられ、エジプト美術を視覚的に特徴づけるものにもなっています。

第8回展では、エジプト美術鑑賞の鍵として、ルーヴル美術館の代表作品を例にとってこれらの約束事を学ぶことができるシステムを開発しました。作品の鑑賞への配慮や、鑑賞者相互の操作方法の共有が期待できることから、4名が同時に操作可能なテーブル型のディスプレーにしました。

この鑑賞システムは、古代エジプト美術コレクション見学の手助けとして、ルーヴル美術館古代エジプト美術部門展示室(シュリー翼2階21番展示室)に設置される予定です。

 

【電子キャプションシステム】

古代エジプト人は、来世の食事のために、供物台(写真下)に実際の供物をのせて奉納する方法のほかに、ロメイン・レタスやガチョウ(写真中・上)のような3次元の模型を置くだけで、呪術の力によって本物の食べ物になり、十分な量が永遠に得られると信じていました。

これら3点を組み合わせて展示し、エジプト人が死後も永遠の命を保障するためにさまざまな方策をもっていたことを説明します。

本展では、展示ケースごとに印刷されたキャプションに映像装置を組み合わせたユニットを設置します。これにより、供物奉納という概念の中での作品の使われ方や設置状況など、視覚的情報もあわせて取得することで、作品により注目させる手がかりを提供します。

羽をむしって糸で縛ったガチョウの模型
紀元前2700年‐紀元前2200年頃
石灰岩、彩色
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre / Christian Décamps
タチチシャ(ロメイン・レタス)の縮小模型
紀元前2033年‐紀元前1550年頃
木、彩色
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2003 Musée du Louvre / Christian Décamps

供物台
紀元前2700年‐紀元前2200年頃
エジプトアラバスター(雪花石膏)
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre / Georges Poncet

 

 ■ルーヴル美術館への鑑賞システムの導入

2010年10月から開始したミュージアムラボ第2期では、東京の実践を経た成果を順次ルーヴル美術館にも導入し、世界中から訪れる来館者にミュージアムラボスタイルの美術鑑賞を提供しています。第7回展で開発した鑑賞システムのうち2点が、2011年6月から工芸品部門の常設展示室(リシュリュー翼2階、93番・95番)に設置されています。2012年には、ルーヴルの古代エジプト美術部門に「葬祭用のステラを解読する:サケルティのステラ」と「ルーヴル美術館の作品を通して古代エジプトの約束事を理解する」の2台の鑑賞システムが設置される予定です。

リシュリュー翼2階、93番・95番展示室

 

【軟質磁器の製作技術】

【フランス式の食卓儀礼】

 ■ ルーヴル ‐ DNP ミュージアムラボについて

ルーヴル ‐ DNP ミュージアムラボは、美術館の来館者と美術作品とをつなぐアプローチ手法の革新を目的として、2006年10月に活動を開始しました。活動の中心となる東京・五反田の体験スペースでは、ルーヴル美術館のコレクションを各回1点〜数点展示するとともに、映像やITを活用した鑑賞システムを通じて、美術作品と来館者の“対話”を豊かに広げる提案を行っています。

「ルーヴル ‐ DNP ミュージアムラボ」第1回展

■ 開催概要

「来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い」

主催

ルーヴル美術館、大日本印刷

協力

日本航空

学術担当

エレーヌ・ギシャール [ルーヴル美術館主任学芸員]

ジャン=リュック・ボヴォ [ルーヴル美術館研究員]

会場

ルーヴル‐DNP ミュージアムラボ

東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F

会期

2011年10月8日(土)〜2012年3月4日(日)

開館時間

金:18:00〜21:00、土・日:10:00〜18:00

休館日

金曜日が祝日の場合、保守点検日、展示替え期間、年末年始

申込・問い合わせ

観覧には予約が必要です(観覧は無料)

<Webサイト>   http://museumlab.jp

<お電話>  ルーヴル‐DNP ミュージアムラボ カスタマーセンター

03-5435-0880

<受付時間>    月〜木 11:00〜17:00/金 11:00〜21:00/土・日 9:00〜18:00

(月〜金の祝日、年末年始は休み)

 

 ※ プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
 
 
 

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