DNP 大日本印刷

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ニュースリリース

2001年05月28日

 

透明性に優れ静電防止効果の高いキャリアテープ用カバーテープ『FIT-D』を開発

 

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(上)従来品
(下)FIT-D

大日本印刷株式会社は、透明性に優れ、静電防止効果の高い、キャリアテープ用カバーテープ『FIT-D(フィット・ディー)』を開発、平成13年5月下旬より販売を開始します。

キャリアテープは、コンデンサ、抵抗器などの電子部品や、IC部品などを収納・搬送するための、テープ状のパッケージで、部品を装填し、上部をカバーテープでシールした後、リール状に巻き取って使用します。リールの状態で組み立て工程に運ばれ、そのままラインに組み込むこともあるため、カバーテープ剥離時の静電気発生による、収納部品の破損や飛び出しなどが無いよう、カバーテープには静電防止処理がなされています。
当社は、界面活性剤をコーティングしたカバーテープや、導電材をヒートシール層に分散させたカバーテープを既に実用化していますが、一方で、異品種が混入していないか、ICのリード(端子)の曲がりや装填方向の間違いがないかなどの確認を行うため、カバーテープの透明性を高めて、収納部品の視認性を高めたいという強い要望がありました。
しかしながら、界面活性剤をコーティングしたタイプの場合、透明性は高いものの、低湿度下で静電防止効果を失うという問題点(※1)があり、また、導電材をヒートシール層に分散させたタイプの場合、低湿度下でも静電防止効果を失うことはないものの、透明性が低いという問題点(※2)がありました。

今回当社は、ヒートシール層に、特殊な金属酸化物からなる微粉末を均一に分散する技術を確立、この技術を用いて、透明性に優れ、かつ、静電防止効果の高いカバーテープ『FIT-D』を開発しました。『FIT-D』は、全光線透過率90%、ヘイズ値(※3)7%の透明性と、表面抵抗率(※4)107Ω/□の静電防止効果を両立させています。
特に透明性については、従来の高透明タイプのヘイズ値が20%前後であったのに対し、『FIT-D』は7%まで向上しており、収納部品の視認性を大幅に高めています。
また『FIT-D』は、ポリスチレン系ほか各種素材を使用したキャリアテープに対し、信頼性が高く安定したシール特性を持っています(※5)
キャリアテープの市場は、表面実装技術の高速化、高密度化に対応し、年率15%の勢いで拡大しています。当社はこれまで、スイッチやコネクタなどの用途でキャリアテープのシェアを伸ばしてきましたが、今回開発されたキャリアテープ用カバーテープにより、半導体電子部品向けの市場でのシェア拡大をはかり、3年後には、キャリアテープ、カバーテープ合わせて、年間45億円の売上を目指しています。


(※1)界面活性剤をコーティングしたタイプの場合、界面活性剤そのものが透明であるため、カバーテープの透明性は確保できますが、界面活性剤が低湿度下で導電性を失うため静電防止効果が無くなります。

(※2)低湿度下でも電気を通す導電材は、一般に不透明です。導電材をヒートシール層に分散させたタイプの場合、ヒートシール層に分散させる前段階として、導電材を樹脂と混合しますが、この際、導電材が凝集しやすく透明性を維持するのが困難であるという問題点があります。

(※3)ヘイズ値 : 曇価。フィルムなどのくもりの度合いを示す値。数値が低いほど透明。

(※4)表面抵抗率 : 電気の通し難さ。値が低いほど電気を通しやすく、静電気による障害を抑えられます。抵抗率が高いと電気が通りにくく、カバーテープの剥離時に発生した静電気が剥離面に残り、これによりIC部品が破壊されたり、チップ部品がカバーテープに吸いついてしまい、正常な取り出しに支障をきたします。

(※5)様々な環境下に保存した場合の、カバーテープを剥離する強度に安定性が求められています。
例えば、当社は、−20℃・常温常湿・40℃90%RH・60℃dryで2ヶ月保存した後の、剥離強度の安定性を確認しています。安定した剥離強度はポリスチレン製、塩ビ製、ポリエステル製など、一般に使用される種々の素材のキャリアテープ底材に対して求められます。

 
 

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