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ニュースリリース

2005年12月13日

 

情報技術

富士常葉大学・環境防災学部・小村助教授、大日本印刷、カテナ 大規模災害時の傷病者トレーサビリティシステムを開発

 

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富士常葉大学(所在地 : 静岡県静岡市 学長 : 水野隆徳 学校法人常葉学園)環境防災学部の小村隆史助教授、大日本印刷株式会社(本社 : 東京 社長 : 北島義俊 資本金 : 1,144億円、以下 : DNP)、カテナ株式会社(本社 : 東京 社長 : 小宮善継 資本金 : 50億円)は、共同で、大規模災害時の「傷病者トレーサビリティシステム」を開発しました。
三者は、平成17年12月15日、独立行政法人国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)において、当システムを活用した救急医療実証実験を実施します。

【開発の背景】

大規模災害時には、被災地周辺の医療機関に多数の傷病者が集中するため、治療の優先順位付け(トリアージ)、被災地域外からの医療チームの投入、傷病者の被災地域外への搬送などが必要となります。これらの医療活動の基礎となる傷病者情報(氏名・年齢・性別・受傷部位・受傷程度・連絡先など)の収集には、トリアージタグを使用します。
傷病者情報を一元的に把握し、広域での効率的な医療活動を行うためには、トリアージタグに手書きされた傷病者情報を、速やかにデジタルデータ化する必要があります。しかし、現状では、被災地での混乱や、応急処置の必要性の中で、迅速にデータ化できていません。被災地から被災地域外の医療機関に、傷病者の人数や受傷程度、収容先医療機関などの傷病者情報が伝わらないことにより、医療活動の遅れにもつながってしまいます。
また、傷病者の搬送手段、搬送拠点(中継点)、搬送先の医療施設などが多岐にわたるほか、通信インフラが混乱する可能性もあり、医療機関間での傷病者情報の共有と、傷病者の現在位置の正確な把握が課題となっています。


デジタルペンと、対応したトリアージタグ

トリアージタグに印刷された微細なドットパターン(拡大)

【本システムの概要】

  1. 傷病者情報を迅速にデジタルデータ化
    今回開発した傷病者トレーサビリティシステムでは、デジタルペン(※)に対応したトリアージタグを使用します。トリアージタグに印刷された微細なドットパターンを、デジタルペン内蔵の小型カメラが読み取ることによって、ペンの軌跡(デジタルペンが、トリアージタグ上のどの位置で、どのように動いたか)を、内蔵メモリに蓄積します。この軌跡データをパソコン経由でサーバに伝送し、デジタル化された傷病者情報として登録します。従来のトリアージタグの使い勝手を変更することなく、手書きで傷病者情報を記入するだけで、デジタルデータ化を行うことが可能になります。
  2. 傷病者の正確な現在位置の把握
    トリアージタグには、あらかじめ、2次元コードを印刷しておきます。この2次元コードは、個々のトリアージタグを識別する個別番号と、傷病者情報を集約するサーバのアドレスを表しています。トリアージタグの2次元コードをカメラ付携帯電話で読み取り、サーバにアクセスすると、すでに登録された傷病者情報が表示されます。プルダウンメニューで、搬送拠点や搬送先の医療施設、傷病者の状態に合わせたトリアージの変化などを選択してサーバに送信することにより、傷病者の現在位置や現在の状態を正確に把握することが可能になります。また、携帯電話のカメラで撮影した傷病者の顔写真を添付することにより、確実な本人確認も行えます。
  3. 医療機関間での傷病者情報の共有化
    専用Webサイト上で、サーバに蓄積された傷病者情報を検索することができます。ID・パスワードによって閲覧可能な情報の制限をかけた上で、医療機関間での傷病者情報の共有を行うほか、家族からの問い合わせなどに対する迅速な回答を実現します。これにより、拠点となる医療機関などへの問い合わせの集中を解消し、医療業務への集中を促すことを目指します。

【救急医療実証実験の実施概要】

日時 : 2005年12月15日(木) 14 : 00〜17 : 00
場所 : 国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)第一会議室
目的 : 「傷病者トレーサビリティシステム」の有効性検証と今後の課題抽出
概要 : 会場内に、災害場所、搬送拠点、搬送先を想定した場を設け、トリアージタグを傷病者に見立てて搬送ルートを移動させます。拠点を移動する際に、トリアージタグ、デジタルペン、携帯電話を利用してデータの登録などを行い、当システムの有効性を確認します。(トリアージタグ数=50〜100枚程度を使用)

【今後の展開】

今回の実証実験の結果を踏まえ、2006年2月開催の日本集団災害医学会で、小村助教授が「傷病者トレーサビリティシステム」の有用性などについての発表を行う予定です。また、2006年4月には、防災医療関係者と共同で、実際の災害での導入を想定した試験を実施する予定です。
今後、三者は、今回開発した傷病者トレーサビリティシステムをプロトタイプとして、災害時に傷病者情報を迅速にデジタル化し、被災地からの速やかな情報発信を促すとともに、医療機関間で傷病者情報を共有化する災害救急医療情報システムの構築を推進します。

【小村隆史略歴】

1963年千葉市生まれ。国際基督教大学教養学部、同大学院行政学研究科修了。防衛庁防衛研究所助手・主任研究官を経て、日本で最初の防災学部である富士常葉大学環境防災学部に、開学と同時に赴任。2005年より現職。
日本集団災害医学会評議員。地域安全学会人材育成委員会委員。埼玉県および静岡県国民保護協議会委員。JICA(国際協力機構)派遣専門家(カリブ災害管理プロジェクト)。内閣官房、内閣府(防災担当)、総務省消防庁をはじめ、国・地方自治体の委員多数。災害図上訓練DIG(Disaster Imagination Game)の考案者。

※ スウェーデンのAnoto AB(本社 : スウェーデン・ルンド市 社長 : オリアン・ヨハンソン)が開発したデジタルペンを使用します。

 
 
 

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