ニュースリリース

大日本印刷 目に優しく読みやすい明朝体フォントを開発

オリジナル書体『秀英体』の横線を太くして視認性を高め、映像の字幕や印刷物に利用

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、DNPのオリジナル書体である『秀英体(*1)』の横線を太くして視認性を高め、ユニバーサルデザインを志向した『秀英横太明朝』を開発しました。これは、DNPが2006年1月より取り組んでいる『秀英体』のデジタル化事業『平成の大改刻(*2)』の一環であり、映像や高齢者など視力の弱い人向けの印刷物においても、『秀英体』の美しく読みやすいという特長を発揮できるよう改訂を進めていきます。

【『秀英横太明朝』について】

明朝体は印刷物で最も多く使われている書体です。しかし、漢字の横線は縦線に比べ細く、環境によっては視認性が低いため、特にテレビなどの映像で利用された場合や、高齢者など視力の弱い人が印刷物の文章を読む場合、文字がはっきり見えにくいという課題がありました。今回DNPは、これらの課題に対して、オリジナル書体『秀英体』の明朝体を用いて、漢字の横線を太くすることで視認性を高めた『秀英横太明朝』を開発しました。縦線の太さは変えず、漢字の“はらい”や仮名にしなやかな筆の運びや太さの強弱を残すことで、明朝体の味わいや気品を損なうことなく、視認性を高めました。
今回開発したフォントでは、ハイビジョンやスタンダードの映像データによる表示テストや、大活字本を想定した16〜24ポイントでの印刷テストを重ね、横線がはっきりと印字される最適な太さ(既存の『秀英体』の横線の約1.8倍)に設定しました。例えば、使用頻度の高い漢字の中で横線の本数が多い“鷹”という字でも、横線どうしが近づきすぎず視認性を損ねない太さとなっています。

【利用例】
  1. 映像コンテンツの字幕
    テレビやWeb動画、DVDソフトなどの映像コンテンツにおいては、見出しや翻訳字幕のほか、聴覚障害者向けに出演者の台詞やストーリーを字幕として流すなど、字幕の需要が高まっています。しかし明朝体の細い横線は画面ではちらつきやすく、これまではゴシック体が主に使用されてきました。『秀英横太明朝』は、太い横線がちらつきを抑え、読みやすい明朝体の字幕が表現できます。
  1. より視認性の高い印刷物
    高齢化社会の進展や、弱視児童のための拡大教科書普及へ向けた取り組みなど、大きな活字を使用した書籍、いわゆる大活字本を供給する動きが進み、年齢・疾病・障害を超えた「読みたい」「知りたい」に応える活動も盛んになっています。『秀英横太明朝』は従来の明朝体よりもはっきりと文字が視認でき、なおかつ明朝体の雰囲気を生かしているため、本文にゴシック体を使用することに違和感のあるコンテンツにもなじみやすく、大活字本などに最適なフォントになっています。
【今後の取り組み】

まずは、約9,000文字(*3)からスタートし、2009年までに約20,000文字(*3)を揃える予定です。当初は、DNPグループで制作する映像や印刷物に『秀英横太明朝』を使用していき、弱視者・高齢者などによる視認性の評価を並行して進め、将来的には社外へも提供し、広く普及させていきたいと考えています。

なお、2008年7月10日から13日に、東京ビッグサイトで開催される「第15回東京国際ブックフェア」のDNPブースで本取り組みを紹介します。


(*1) 秀英体:DNPのオリジナル書体。美しく読みやすい書体として、100年以上にわたり本の作り手や読者から高い評価を得ている。秀英明朝体、秀英ゴシック体などのラインナップがある。

(*2) 平成の大改刻: 2006年1月より取り組んでいる秀英体デジタルフォントの開発事業。既存のデジタルフォントの改訂、金属活字時代の書体のデジタル化、新書体の開発等を行っている。

(*3) 約9,000文字はAdobe-Japan1-3に準拠、約20,000文字はAdobe-Japan1-5に準拠。

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