ニュースリリース

2010年09月24日

 

情報技術

会話を周囲の人に聞こえなくする音楽データ生成ソフトを開発

“しゃべるポスター”『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』で流すBGMが会話の秘密を保持

 

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、秘匿性の高い、会話を周囲の人に聞こえないようにする、スピーチプライバシー用の音楽データ生成ソフトを開発しました。DNPは、本年10月に、当ソフトをポスターと組み合わせたスピーチプライバシーシステム『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』の販売を開始します。

他者に聞かれたくない会話をする場所に『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』を設置し、新たに開発したソフトで生成したBGMなどの音楽を流すことで、会話を周囲の人に聞こえにくくすることができます。今回、本格的な販売に先駆け、当システムの効果を検証すべく、株式会社オオノが展開する調剤薬局「ひかり薬局大学病院前調剤センター」(宮城県仙台市)の協力のもと実証実験を実施して、良好な結果を得ました。    

【開発の背景】

医療機関や調剤薬局などの受付、金融機関の相談カウンター、各種面談室などで交わされる会話の多くは、第三者に知られたくない個人情報や機密情報を含む場合があり、会話の漏洩を防ぐスピーチプライバシーが注目されています。これまで、会話の漏洩防止には、遮音性能を持つ間仕切りを設置するなどの方法がありますが、現実的には設置のスペースやコストの制約などにより、容易に実現できない場合があります。このほか、会話の音声とまったく同一の周波数の音(音波)で位相を反転させた音波を故意に発生させて電気的に消音する能動消音法(ANC:Active Noise Control)や、大きな音のBGMを流す方法などがあります。しかしANCは、マイクで集音した音波を解析して、リアルタイムで打ち消し用の音波を生成するシステムが必要で、費用が高額となり、しかも対象が定常的な騒音に限定されるため、会話の音声のように時間的に一定でない音には対応できません。また、会話よりも大きな音量でBGMを流したとしても、人は多少の騒音に邪魔されても音声を補完して聴取する、いわゆる“聞き耳を立てる”能力を持っているため、会話の音声を完全に秘匿化することは困難です。DNPは、このような状況を受け、人の耳に心地よい音楽や自然の音を利用して安価に会話を秘匿化できる音楽データ生成ソフトを開発しました。

【『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』の概要と特長】

DNPは、BGMなどの音楽に含まれる音成分と類似する周波数をもつ音声は、片方が聞こえにくくなる現象(聴覚マスキング)に注目しました。聴覚マスキング効果がより強く働くようにBGMとして流す音源に特殊なフィルタ処理を施し、人が発する音声を聞こえにくくするための音楽データを生成します。このデータを持つ音源をスピーカーで流すことで、会話の音声を聞こえにくくし、秘匿効果を高めることができます。

  • 『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』は、DNPが2009年に販売開始した、 ポスターの全面がスピーカーとなって高品質な音声を出す“しゃべるポスター ”『ポスラサウンドパネル』に、今回開発した音楽データ生成ソフトを組み合わせたものです。音の指向範囲が広く減衰しにくいため、低音でもクリアーに、広範囲に音を伝達でき、耳ざわりにならない心地よい音を流します。
  • スピーカー部に耐久性の高いアラミド繊維を使用したハニカム構造のパネルを採用することで、薄さと軽さ、パネルを自由な形にカットできる加工性を実現し、店頭POPなどへの展開が容易です。
  • オプションとして、人感センサーと組み合わせて人の動きを感知して音を再生することや、無機ELパネルを利用して、ポスターの一部を光らせることも可能です。
※『ポスラサウンドパネル』については、こちらをご覧ください。  http://www.dnp.co.jp/news/1205154_2482.html

【ひかり薬局での実証実験の結果】

2010年8月31日(火)、9月1日(水)の2日間、ひかり薬局大学病院前調剤センターで実証実験を行いました。A3サイズ(297×420mm)の『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』を調剤薬局内の接客カウンター付近に設置し、当システムで生成したクラシック音楽(楽器編成が少ない楽曲で9曲:各3分程度)をBGMとして流しました。実証実験の運営は、『ポスラ』の製造拠点の一つで、DNPの100%子会社である株式会社DNP東北が担当しました。

<実証実験の結果>

薬剤師10名、利用者17名を対象にアンケート調査を行いました。「ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー」を設置することで、設置前に比べて薬剤師と利用者の会話が聞こえにくい環境になることが確認できました(下記図表参照)。また、ポスラサウンドパネルの音の指向効果により、設置場所や向きを変えることで、秘匿化エリアをより広範囲にできることがわかりました。

※ 楽曲や設置位置、あるいは外的な騒音環境などによって、秘匿化の効果は変わることがあります。

【価格と売上目標】

下記の価格は税抜き単価で、本体のポスターのほかにCDプレーヤー、秘匿化音源CD1枚を含んでいます。下記以外のサイズにも対応します。なお、デザイン代、什器加工、CDプレーヤー以外の音楽プレーヤー、人感センサー、無機ELパネルとの組み合わせなどのオプションは別途見積もりいたします。

サイズ

1〜10部

11〜30部 

31〜50部

A2、B2

 130,000円

120,000円

 115,000円

A1、B1

  155,000円 

140,000円

 130,000円

DNPは、『ポスラサウンドパネルforスピーチプライバシー』や店頭POPなど関連する製品で、2011年度までに1億円の売上を目指します。

 

※『ポスラサウンドパネル』は、英国New Transducers Limited社のNXTフラットパネルスピーカー技術を使用しています。
株式会社オオノ:本社:宮城県 社長:山家 靖 資本金:6,000万円
株式会社DNP東北 :本社:宮城県 社長:不動田 勝久 資本金: 3億5,000万円
※プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。