横浜市立鴨居中学校様

デジタル採点でテストの採点時間を削減
横浜市立鴨居中学校におけるデジタル採点システム活用の現状とこれから

学校教育現場での「働き方改革」及び「個に応じた学び」の実現に向けてデジタル採点システムを活用している横浜市立鴨居中学校様。
本コラムでは、活用してからの効果、及びこれからの展望についてお話を伺いました。

子どもたちの学習状況を正確に把握する

横浜市立鴨居中学校では、2019年の2学期からデジタル採点システム「Answer Box Creator®(以下ABC)」(リアテンダント®シリーズ)の導入を前提に実証を開始し、テスト採点業務の効率化に取り組んでいます。 そのねらいについて齋藤 浩司校長は「採点時間を短縮して働き方改革につなげること。もう1つの視点は正確な採点ができることで、スタディ・ログの活用も可能になると考えました」と話します。  

こうした背景には、あと数年のうちに学習におけるクラウド活用が進むという見通しがあるからで、これらの活用に不可欠な個々の見取りや教員の指導改善に向けた拡張性を備えていることが、ABCを導入する決め手になったといいます。

採点時間が40~50%削減

では、実際に活用している先生方の評価はどうでしょうか。
1年・理科の先生は「最初はデジタルで採点することに抵抗がありました。しかし、時短した分を生徒の指導に充てられたり、採点ミスが少なくなったりするメリットに気づき、考え方が変わりました。今では欠かせないものになっています」と手応えを披露。これまで単元テストを皮切りに中間・期末テストと活用を進める中で、1クラスあたり2時間かかっていた採点時間が40~50%削減したことを挙げ、「従来は自分で採点・入力していた観点別の集計まで自動化でき、集計したデータもCSV形式で取り出して学習データに反映できるので便利ですね」と強調しました。

また、そのほかの活用している先生からも「初期設定さえ慣れてしまえば、採点時間が半分くらいになります」という感想や、「これまでと同様にWordでテスト問題を作成できるので、最初のハードルは低いと感じました」と取り組みやすさを指摘する声が聞かれました。

個々の変容の見とりや指導に役立てる

ABCのもう1つの魅力は、各生徒の設問毎の正誤結果や、クラス単位の設問毎の正答率が簡単に見とれ、蓄積されたテスト結果(学習履歴/スタディ・ログ)をさまざまな観点で集計・分析することができること。これにより、たとえば先生方の授業改善に生かしたり、生徒の個別指導に活用することができます。

すでに同校の活用は理科・数学・英語という主要教科だけでなく、美術や音楽、体育にも広がっていることから、今後は次のステップとなる、生徒一人ひとりの学びに生かす取り組みが待たれるところです。

齋藤校長はこうしたスタディ・ログを活用した教育を見据え、将来的には1人1台環境による単元テストでABCを活用することも視野に入れています。「なぜなら、新学習指導要領が求める資質・能力を評価するためには定期テストの結果だけでは不十分であり、日頃の単元テストなども含めて評価に加える必要が生まれてくるからです」。

GIGAスクール構想で1人1台端末、クラウド環境整備が推進されていることにより、スタディ・ログの活用が求められる時代となってきています。
同校の取り組みをはじめ、導入している自治体、学校では個に応じた学びを支援する動きがすでに進んでいます。

横浜市立鴨居中学校
齋藤 浩司校長

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