岡山県立玉野光南高等学校様

業務を効率化しながら指導の質を高める~デジタル採点システムの活用で期待できること~

いつも時間を要するテストの採点業務を効率化し、生み出した時間を個々の見取りや指導の改善に繋げることをねらいとし、2020年度からデジタル採点システムの導入を決めた岡山県立玉野光南高等学校。取組みの内容とこれからの活用について、萓野・前校長先生(2020年3月末退任)にお話を伺いました。

時間短縮や授業改善を目的に

いつも時間を要するテストの採点業務を効率化し、生み出した時間を個々の見取りや指導の改善に繋げる──。
岡山県立玉野光南高等学校(生徒数810名、教員80名)では、こうした個に応じた学びを支援するDNP学びのプラットフォーム「リアテンダント®」の校内導入モデルを使った実証研究を2019年12月から開始。
多くの教員が活用し効果を認めたことから、2020年度 からの導入を決定しました。

萓野岳史かやのたけし校長は、「岡山で行われたセミナーで本製品を知り、興味を持ったことがきっかけです。導入にあたって期待したことは、採点時間の短縮が働き方改革になることでした」とねらいを説明します。
その上で、実際に利用を始めたところ、「採点時間の短縮はもちろんのこと、同時に得られる様々な採点データ(学習履歴/スタディ・ログ)の活用が、今後の学習指導の改善に大きく役立つこと」が分かり、導入に弾みがついたとのことでした。

観点別の評価で個々の見取りを強化

なかでも萓野校長が評価したのが、小問ごと・クラスごとの得点率や、生徒個々の得点傾向などを簡単に把握できることから、学習状況の細かな分析や観点別の評価がしやすくなることでした。
高校では1人の教員が学年を跨って授業を担当するのに加え、玉野光南高等学校は普通科・情報科・体育科の3学科からなる「学科総合型」高校のため、学科間の違いが大きいことに加えて、クラス内の選択科目(文系・理系など)も細かく分かれ、多数の講座が設定されています。

だからこそ、こうした属性ごとに抽出して比較・分析ができる点にメリットが大きいと考えられるのです。同じ設問で、文系が理系より点数が高いことが分かった場合、理系の授業の進め方を見直したり、指導の改善に生かしたりと教員の資質の向上に結びつけることができます。
また、3学科の傾向分析などにも使えると考えています。 加えて、どの教科も単元テストをこまめに行っていることから、これらの採点も効率化できることとともに、「定期テストの結果と一元的に管理することで、より詳細なスタディ・ログに基づいた効果的な指導ができる」とさらなる活用の広がりにも言及しました。

アンケート業務負担を大幅に削減

もう1つ、萓野校長が「数百枚の処理を数分で完了できるため、教員の負担を大きく軽減できる」と話すのが、アンケート集計機能です。この機能は専用用紙やリーダーは不要で、校内既存のスキャナ・複合機に用紙を読み込むだけで簡単に自動集計できることが特長です。
「これまでは集計に時間がかかるため、件数を100件程度に絞っていたアンケートもありました。しかし、今後は生徒全員分の処理が可能になり、今まで以上に精度の高い集計・分析ができる」と、多くのアンケートを実施する学校にとって欠かせないものになるとの指摘も得られました。


このように、教員の業務を効率化しながら指導の質を高め、個に応じた学びを支援する「リアテンダント®」。手応えを感じている同校以外にも、多くの学校で個に応じた学びを支援する動きが進んでいます。

未来のあたりまえをつくる。®