自社事例(京あそび)

作庭家 重森千靑先生に東福寺本坊庭園・塔頭一華院の庭園を学ぶ

作庭家 重森千靑(ちさを)先生の特別解説で、東福寺塔頭 一華院、東福寺本坊と巡り、庭園を前に作庭した本人としてのお話や、祖父 重森三玲氏の作庭についてのお話を聞ける貴重な機会。砂紋引きの実演も必見の、庭園観賞を極める特別プログラムを行いました。

プログラム内容

作庭家 重森先生の解説
作庭家 重森先生の解説

<開催日時>2019年6月9日(日)

<プログラム内容>
・一華院ご住職のお話
・重森先生による日本庭園についてのお話
・一華院にて庭園の解説付き観賞
・砂紋引き実演
・東福寺本坊にて庭園の解説付き観賞

住職のお話
一華院 永井ご住職のお話

初夏の雨の日が続いておりましたが、この日を選んだように日が差し込み、心地よい気候の中、東福寺と塔頭寺院の一華院で作庭家 重森千靑生の解説で庭園を鑑賞するプログラムを行いました。
まず初めに、一華院の永井ご住職から東福寺と一華院についてのお話がありました。京都五山の1つである東福寺は「伽藍(がらん)面」と呼ばれているお話や、一華院は東福第67世の東漸禅師により創建されたことなど、わかりやすくお話しいただきました。

作庭家 重森先生の解説
実際の庭園をみながらの解説

続いて、昭和を代表する作庭家 重森三玲(みれい)氏の孫 重森千靑先生による講義が始まりました。日本庭園が作られるようになったのは飛鳥時代であったという起源のお話から始まり、庭園を構成する素材や様式についてなど、写真を見ながら詳しく解説いただきました。有名な寺院の庭園なども交えてお話しされ、みなさんもなるほどと頷きながら聞いておられました。
次に、実際に庭園を鑑賞しながらの解説が続きます。一華院の庭園はそれぞれ四神相応の考えのもとに作られており、それぞれ庭園の石や木々がどのような意味をなしているかなど、1つ1つ丁寧に解説いただきました。

砂紋引きの実演
重森先生による砂紋引きの実演

重森先生の作品である北庭の解説の後は、砂紋引きの実演を行っていただきました。普段は、既に引かれている状態しか見ることのできない砂紋をどのようにして描かれているのか、みなさん釘付けになって見ておられました。

東福寺・本坊庭園の解説
東福寺・本坊庭園の解説

一華院から東福寺へと移動し、最後は重森三玲氏が作庭した本坊庭園を千靑先生の解説で鑑賞します。
かつて本坊には庭園がなく三玲氏がご奉仕で作庭されたことなど、作庭の際の秘話を交えてお話しくださいました。他にもどのような発想で作庭されたのかや当時の様子からの変化なども解説されました。

普段聞くことはできない千靑先生の作庭家ならではのお話に、皆さん大変満足されておられました。


※重森 千靑(しげもり ちさを)
作庭家・庭園史研究家。1958年生。中央大学文学部文学科卒。(有)重森庭園設計研究室主宰。京都工芸繊維大学、広島市立大学講師。祖父・三玲(みれい)氏の代から作庭と庭園史の研究に携わる。古典の美しさと現代的な解釈による作庭、発掘整備、実測など、作庭と多岐にわたる庭園史研究をおこなっている。

参加者の声(アンケートより抜粋)

◎簡単な予備知識に加え裏話や深い話など幅広く聞けて初心者でも大変たのしめた。重森先生の話はすごく聞きやすく楽しかった。(東京都在住 20代男性)
◎古来の庭作り、そして現代の庭作り、また重森三玲の特徴、という三方面からのお話しがとても興味深かったです(東京都在住 20代女性)
◎日本庭園のイロハと実際の庭の解説、砂紋引きを見られたり、質問もできてとても楽しかったです。(熊本県在住 40代女性)

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