東海大学様

制作業務・PR手法のアウトソーシングが志願者数増に貢献

実社会を見据えた学生主体の学びを重んじる、東海大学。さらなる女子学生の獲得に焦点をあて、在学生の“リアルな声”を集めて大学の魅力を発信する「参加型プロモーション」手法で、大学の魅力を伝える冊子を作成。広域型総合大学ならではの豊富な学びの環境を高校生に向けて効果的に発信しました。 参加型プロモーションは、たくさんの一般人(学生・社員)の“リアルな声”を引き出し、冊子やWebコンテンツで発信することで、見る人の共感と興味を誘うコンテンツ企画手法です。本案件では、大学紹介の説明文ではイメージしづらい「教育」や「環境」といった、大学独自の特色をたくさんの在学生の姿を通して伝えることで、意欲的な受験生の興味・共感を引き出します。 また、コンテンツ制作に関わった学生たちに、大学のことを改めて考えるきっかけを与えるインナーブランディング効果にもつながっています。                                               ※インナーブランディングとは 社員・学生など組織に属する人に企業ブランドの価値や目指す姿を理解させる啓蒙活動。自社・自学がどんなブランドでありたいかを、内部に向けて発信する活動。社員・学生とともにブランドに対する理解を深めていくことが目的。

背景・概要

参加型プロモーションは、たくさんの一般人(学生・社員)の“リアルな声”を引き出し、冊子やWebコンテンツで発信し、見る人の共感と興味を誘う、新しいコンテンツ企画手法です。本案件では、大学紹介の説明文ではイメージしづらい学生が求める「教育」や「環境」といった大学独自の特色を在学生に語ってもらうことで、意欲的な受験生の共感を得ました。
また、コンテンツ制作に関わった学生たちに、大学のことを改めて考えるきっかけを与えるインナーブランディング効果にもつながっています。

課題

2018年問題が現実のものとなり、大学の淘汰が進む中で、大学における学生の獲得競争は厳しさを増しています。教育の在り方が根底から変わろうとしている変革の時代の中で、各大学では意欲ある学生をいかに確保できるかが大きな課題となっています。
東海大学 大学広報部 入試広報課様では、大学独自の学びの効果的な伝え方、他大学との差別化を実現すべく、従来発行していた「女子学生が作る女子向けパンフレット」の役割を見直し、より女子学生獲得に繋がる効果的な広報ツールにリニューアルしました。

解決策

在学生が持つリアルでユニークな声を、大量に引き出し形にする参加型プロモーション

参加型プロモーションは、今を生きている人々のリアルな声や姿を通して、メッセージを伝えていきます。
本案件では様々な在学生への取材・撮影を通してリアルな大学生活の魅力を引き出し、形にしました。ゼミやサークル、アルバイトと学業の両立、出身地の異なる仲間との出会い、持ち物や服装など、大学生ならではの日常生活を、先輩たちの声や姿を通して伝えることで、キャンパスライフをリアルに想像させ、大学への興味喚起につなげます。
ターゲットとなる高校生が知りたい情報を学生目線で発信することで、共感や親近感を得ることに特化した広報ツールを実現しました。

当事例は、「Tokyo graffiti」の発行元である㈱グラフィティ様との協業ソリューションです。DNPでは、出版社様のもつ独自のコンテンツを軸に、幅広いアウトソーシング事業を手掛けてきた実績をもとに、顧客課題に合わせた最適なプランニングを提案し、企画~制作までワンストップでコーディネイトしていきます。

実施内容 参加型プロモーションとは

東海大学女子学生が、女子高校生に大学の魅力を伝えるパンフレット「TOKAIGIRLS」の制作

実施期間や学生に体験させる範囲は学校様と協議の上決めていきますが、今回は週に1度90分の授業形式で3か月間、大学にてワークショップを実施しました。大学広報部 入試広報課様が募った出版・デザインに興味のある有志学生約15名の学生が参加。目指したのは、女子高校生に「女子目線で、東海大学っていいな」と思ってもらえるパンフレット。編集やデザインの経験がない学生に、出版の基礎知識から始め、企画会議を経て取材撮影やレイアウト作成、冊子完成までの各工程を体験してもらいます。

実際の完成物

TOKAI VARIETY デジタルブック

ワークショップの様子

出版編集のプロの講義イメージ

出版業界の実態や冊子制作のルール、手順、テクニックなどを、編集やデザイン経験がない学生たちに具体的に伝えることで、企画編集の面白さや難しさを感じ、興味や将来の可能性が広がるよう導きます。

高校生が東海大学の良いところを検討するアイデアワーク

高校生に伝えたい、学生たちの目線で大学の魅力を導き出します。

高校生が熱心に企画を立案

読者を意識して設計。情報やトレンドに敏感な大学生のアイディアが活きるよう誘導します。

取材イメージ

企画ブラッシュアップや取材撮影などの宿題と組み合わせて、各工程で各回の課題をクリアにしていきます。

修正作業、色校正後の完成物のイメージ

冊子制作にとどまらず、出版業界・出版市場や制作における納期管理、色校正での赤字入れなど、情報発信を実際の「仕事」として考えてもらえるようなカリキュラムに。

東海大学受験者情報サイトのイメージ

媒体は、オープンキャンパスでの配布、資料請求時の大学案内への同梱、活動内容のSNS配信など、様々なかたちで大学広報部 入試広報課様にご活用いただきました。

実施効果とそのポイント

「志願者数UP」に貢献するコンテンツ企画のポイント

志願者数UPに貢献する、3つのポイントのイメージ

POINT 1:学生目線で、大学の魅力を再発掘する

大学広報の大きな役割は、受験生に大学の魅力を伝えること。では、学生目線でその魅力とはどんなもので、どんな時に感じられるのか。その答えを学生たちの中から見出し、学生たちの言葉で発信することでリアルな魅力を伝えることを目指しました。
そして実際に、参加した学生たちはワークショップを通し、学生目線の様々なリアルな魅力を導き出しました。 また、実態が伝わりづらい「ダイバーシティ」や「グローバル」などに関しても、まさに学生たちが、ワークショップの中で可視化してくれました。女子向けパンフレットとして、従来は女子学生の活動に絞って掲載していましたが、「男女問わず生き生きとした学生の姿を取材し、女子が興味を持つ切り口で編集した方がリアルな魅力が伝わるのでは?」という学生たちの意見から、取材対象に男子学生も含める構成に挑戦しました。また、ワークショップに参加していた日本語を勉強中の留学生に、他のメンバーが翻訳アプリなどを駆使して積極的にコミュニケーションをとり、最終的にはその留学生の発案で、学内の多くの留学生たちを登場させる企画を実現させました。ワークショップの中での学生たちのアクションは、魅力的な教育環境を体現しており、作り上げた媒体は本当の大学の強みを伝えるものとなりました。

POINT 2:高校生に共感・自分ゴト化してもらう

様々なタイプや嗜好の人たちに取材し、その人らしさを切り取って表現する大量参加型企画では、読み手が自分に近しい人を見つけることで親近感を与える効果があります。また、大学案内では伝わりづらいキャンパスライフや雰囲気なども、先輩たちの声や姿のサンプルをたくさん示し、大学生の日常を感じてもらうことで大学への期待感や安心感が高まります。読み手である高校生に、大学の魅力や学びの幅を知ってもらうだけでなく、東海大学での自分をリアルに想起させ、”自分ゴト化”できる媒体を目指しました。
ワークショップに参加した学生たちにも参加型企画の効果を理解してもらい、取材対象や人数、質問内容にこだわって取材撮影に取り組んでもらうことで、「情報の押し売りではなく、読み手に想像させる」広報ツールを作り上げました。

POINT 3:在学生の満足度向上

『大学の魅力をいかに高校生に伝えるか?』という課題を考えたとき、まず在学生がその魅力を体感し、発信したくなる機会をつくることが大切だと考えました。そこで、作り手である学生のモチベーションと愛校心の向上に繋がるワークショップを目指しました。
出版業界のプロと一緒に冊子制作が体験できることや、学年や学部学科を超えた仲間たちと課題解決に取り組むことは、参加した学生が、大学をより好きになるきっかけとなります。また『学生の好きな企画を、好きなように作る』ことをフォローするのではなく、冊子制作のルール、制作手順、読者にどう届けるかなど具体的なテクニックを学生に提供しました。ものづくりの面白さと難しさを伝えるカリキュラムとすることで、学生に意欲的に取り組んでもらいました。

ワークショップを通して多くの学生に満足してもらうことが出来、中にはワークショップをきっかけに実際に出版業界への就職を検討する学生も。学生たちの可能性を広げる手助けとなりました。

施策全体に通じる、インナーブランディング効果

取材を受けた学生は、自身の大学での活動や思いを答えることで、今一度自身の大学について考えるきっかけが出来、愛校心を感じるなど、たくさんの参加者のポジティブな気持ちを醸成させることもこの企画の大きなポイント。更に作り手として参加してくれた学生は、制作過程の様々なタイミングで大学の魅力に触れました。内部の共感を醸成することは、外部へのプロモーションに繋がっていきます。外部プロモーションを目的としながらも、インナーブランディングとしての役割も果たせた事例です。

参加型プロモーションの今後

DNPが実施する「参加型プロモーション」では、多くの企業・大学が持つインナーブランディング施策や発信中のコンテンツ課題の解決に導きます。
ご担当者様の現状の課題のヒアリングとプロモーション企画の立案、発信する先の媒体選定、コンテンツ制作まで、プロが施策改善をワンストップサービスでサポートします。
社内報や会報誌、リクルート媒体の改善を検討されている方、外部発信のコンテンツ効果に疑問を持たれている方、ぜひお気軽にお問合わせください!

用語解説

広報ツールとは

本案件では大学案内、学内報。その他社内報、会報誌、チラシ、パンフレット、Webメディア、SNS(Twitter,Facebook,instagram)など

参加型プロモーションとは

社員、学生、ユーザー、会員、組合員など、商品・サービス・組織のユーザーが主体となり、自主性及び主体性を重視したコンテンツ制作サービス

ダイバーシティとは

多様な人材を積極的に活用しようという考え方。性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメント。

モチベーションアップとは

人が何か行動を起こすときの原因、動機を向上させること。組織の中では仕事・取組みへの意欲を指し、意欲を持つことや引きだすこと。

ワンストップサービスとは

企画の設計から制作、製造、実施、完了までの全工程を1箇所で完結させるサービス形態。発注の窓口を一本化し、発注業務の負荷を軽減させることができ、作業効率のアップ、コスト削減、納期の短縮といったメリットもある。

TOKYO GRAFFITIとは

株式会社グラフィティが発行する雑誌。毎号約1,000人の一般人が登場し、ライフスタイルやカルチャーをリアルに映し出す。時代の『今』にフォーカスをあてた新感覚ファッション・カルチャーマガジン。

TOKYO GRAFFITI
SUPORTED by TOKYO GRAFFITI

一般人参加型雑誌「Tokyo graffiti」を長年発行している㈱グラフィティは、延べ20万人以上の一般人取材を行ってきました。
一般人大量取材ノウハウと企画編集テクニックをもつ㈱グラフィティだからこそできるコンテンツです。

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