神奈川県相模原市立相陽中学校様

採点・集計時間の削減×指導の質向上で、「教員の働き方改革」へ

本コラムでは、文部科学省の重点施策である「教員の働き方改革」の取組みとして、採点・集計時間の削減×指導の質向上に取り組む、神奈川県相模原市立相陽中学校の副校長、鈴木成之先生に取材しました。

神奈川県相模原市では、相陽中学校を含む全校で本システムが導入され、活用が進んでいます。詳しくはこちら

この記事のポイント

  • 教員の「アンケート集計・入力」業務が、システムで大幅に効率化
  • デジタル採点により、従来比で約1/3にテスト採点時間が効率化
  • データを基にした、きめ細かな指導の質向上で「教員の働き方改革」を促進

市内全校に「アンケート集計の効率化」環境を整備

相模原市では「学校の情報化推進計画(平成29年度~31年度)」を策定し、小・中学校における校務の情報化を推進しています。代表的な取組みとしては、成績処理を中心に業務の効率化を図ることをねらいにした校務支援システムの導入が挙げられますが、これに加えて2018年の夏に、大きな業務負荷の一つであったアンケート集計を効率化するシステムも、全校に整備されました。これは、記入済みのアンケート用紙をスキャナで読み取るだけで、校務パソコン上で回答結果を自動集計、分析できるシステムです。

従来の集計業務は、各クラス担任が回収した用紙を1枚ずつ目視し、エクセルで作成した表の該当する項目に入力集計、学年単位・全校単位でとりまとめる…といった、時間と手間のかかる作業でした。学校によっては実施から結果の報告まで一週間以上かかっていましたが、本システムの導入により、「1枚1枚の入力作業がなくなったことで、明らかに教員一人ひとりの作業軽減につながっている」といった評価の声が挙がっています。

「テストの採点効率化」へステップアップ

今回導入されたシステムは、アンケートだけでなくテストの採点集計機能を備えた、デジタル採点システムでもあります。スキャナで読み取ったテストの答案内容を、校務パソコン上で採点し、結果を自動集計することが可能であることから、一部の学校ではテストの採点効率化にステップアップする動きも出ています。
今回はその代表的な事例として、市立相陽中学校に、実際の導入効果について話を伺いました。

採点業務が「長時間労働」の要因

教員の働き方改革について、同校の鈴木副校長は「学校現場にはさまざまな業務がありますが、生徒たちに対する日常的な相談ごとや生活指導などの時間を削ることは難しいと考えると、やはり時間削減できるのは事務処理になる」と考えています。

とはいえ、各種事務作業の中でも、テストの採点や成績管理については正確な処理が求められることから、一度採点した結果を見直すなど、多くの時間を割いているのが実情でした。しかも、定期テストは実施後およそ一週間以内に生徒たちに採点結果を返却する必要がありますが、同校は市内有数のマンモス校(全校生徒880名)という事情から、採点から観点別集計、その結果の入力全般にわたる作業が、各教員における長時間労働の要因となっていました。

このような課題を抱えていた中、全市導入されたアンケート集計システムの研修会に参加したところ、本システムがテストの採点集計にも対応していると知り、さっそく2018年度の3年生の期末テストのときに、英語、数学、理科の3教科において活用を始めました。

採点時間の短縮効果で得られる、正確な評価

鈴木副校長によれば、その効果は次のようなものでした。「科目によっても異なりますが、本システムを活用する前は1クラスあたりの採点時間が約1時間、その後観点別に集計して結果を入力するのに2時間、合計で3時間かかっていました。たとえば一人で5クラスを担当する教員は、3時間×5クラスで15時間ほども費やしていた計算になります。しかし、本システムで採点・集計を行った結果、およそ1/3に時間が短縮されました」

このような成果が見えたことから、2019年度は定期テストに加え、単元テスト・小テストにも活用する予定です。なぜなら、個々の生徒の評価や成績処理にあたっては、本来は定期テストや単元テスト・レポートなど多くの評価資料の結果を合わせてみるべきなのですが、先に述べたとおり採点やレポート評価の業務の負荷から、限られた評価資料で評価しなければならないこともあったからです。

「採点業務が簡単になる分、単元テストや小テストの回数を増やすことが可能となり、より正確な評価を出すことができるのではないか」と期待しています。

採点結果のデータが、教員の指導力向上にもつながる

また、本システムは各生徒の設問毎の正誤結果や、クラス単位の設問毎の通過率(正答率)が簡単に見とれ、蓄積されたテスト結果をさまざまな観点で集計・分析することができます。鈴木副校長は、「こうしたデータは、生徒の個別指導やクラス全体の指導に活用できます。また教員にとっても、データから問題の妥当性や指導法を振り返る機会となり、今後の授業改善につなげていくなど、教員の力量の向上にも効果が期待できます。本システムの導入効果は単なる採点時間の削減に留まらず、その時間を生徒へのきめ細かな学習指導や生活指導の実践、教員の指導の質向上に活用することで、大きな働き方改革につながると思います」とお話ししてくれました。

神奈川県相模原市立相陽中学校で「教員の働き方改革」に成果を上げたデジタル採点システムが、「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント®」の機能のひとつであるPC向けデジタル採点システム「Answer Box Creator」です。
この事例以外にも、このシステムを活用してアンケート集計やテスト採点の作業改善が実現した、校務支援システムとの連携でさらに効率化が図れたとの声が全国から寄せられています。
ぜひお問合せください。

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