出版市場にも広がるサブスクリプションサービス運営のポイント 【後編】

「出版市場にも広がるサブスクリプションサービス運営のポイント 前編」では、サブスク利用を始める前から始めた直後のポイントをご紹介しました。 ユーザーとの長期的な関係構築が、サブスクサービスの成功のカギとなるのは言うまでもありません。そこで、後編では、サブスクサービスのユーザーの中から「エバンジェリスト」を育成し、継続利用を促進するポイントについて解説します。

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【目次】

サービス利用の習慣化

契約が完了し、初期利用のフォローが完了した後は、サービス利用の習慣化をめざしましょう。

サービスの内容にもよりますが、サブスクビジネスにおいてはユーザーの利用頻度が多い=顧客満足度が高いといえます。サービスの利用を習慣化するための施策としてゲーミフィケーションという方法があります。ゲーミフィケーションとは、競争やポイントなどゲームの要素をサービスに組み込むことで、ユーザーの利用を促進する施策をさします。ゲーミフィケーションにおける具体的な運用として以下2つの方法があります。

①数値で示す
1つ目は、ユーザーがサービスを通じて得た成果を数値で示すことです。成果とは、利用頻度、サービス内のランク、目標の達成度合などがあります。例えばダイエット支援をするサービスでは「3か月で−○○kg!!」といったように、具体的な効果や結果を数値で見せることでユーザーのモチベーションを高め、更なるサービス利用に繋げます。サービスの利用頻度が高まれば、付加価値・オプションサービスを提供する機会が増え、クロスセルやアップセルを狙えます。

②成功を祝う
2つ目は、ユーザーの成功を祝うことです。1つ目の「数値で示す」と連動する施策として“ユーザーの成功を祝う”ことが効果的です。成功を祝うには、メルマガで特別なメールを送る、ログイン時に「達成おめでとう!」などのバナーを表示するだけでも効果的です。サービス独自のポイントなど、インセンティブを付与することも効果的ですが、それよりも重要なことは“このサービスは私の成功を一緒に喜んでくれている、祝ってくれる”という一体感です。上記のダイエット支援サービスであれば、「目標の−○〇kg達成おめでとうございます!」とユーザーの成功を祝うメルマガやポップアップを表示し、ユーザーの成功を一緒に喜ぶことでユーザーの利用継続を促進します。またサービス内にコミュニティを作成し、ユーザーの成功をシェアする場を作るのも効果的な施策の1つです。

読者も編集部 エバンジェリストの育成

ユーザーのサービス利用が習慣化した後は、エバンジェリストの育成です。

エバンジェリストとは、ユーザーの鏡、ベストプラクティス、ロイヤルカスタマーともいえます。つまり、サービスをたくさん利用し、雑誌メディアのブランドに深い共感を持っていて、発信力の強いユーザーです。エバンジェリストの特徴として以下4つの特徴があります。

・サービスの利用頻度が高い、使いこなしている
・SNSなどで好意的なコメントをしている
・新しいサービスに対する反応が早い、評価をしてくれる
・周囲の友人や関係者に対する影響力がある

エバンジェリストを育成する目的は「サービスについて発信してもらう(=口コミ効果)」「サービスに対するアドバイスをもらう」の2つです。

①サービスについて発信してもらう=口コミ効果
エバンジェリストは、サービスを頻繁に利用し、深い共感を持っているため、自らSNSやコミュニティでサービスの評価を発信してくれます。その発信を見た友人がサービスに興味を示す口コミ効果が期待できます。また、前回コラムで紹介した「成功事例・体験談の紹介」のモデルとして登場してもらうのも方法の1つです。

②サービスに対するアドバイスをもらう
エバンジェリストは雑誌メディアのブランドに対して深い共感を持っており、サービスの改善案についての意見を惜しみなく提供してくれます。グループインタビューに招待し、率直な意見を聞くことで、改善に繋がるヒントを得ることができます。

まとめ

以上、Webメディア化で押さえておきたい3つのポイントをご紹介しました。どれも言われてみればごくごく当たり前のことかもしれません。ですが、今一度振り返ってみるのはいかがでしょうか。時には第三者の視点を交えて見直してみることも有効な方法の1つです。

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